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XRPの脆弱性は大丈夫?「XRPを無から作れる」バグを修正、悪用の証拠なし|保有者がやることと便乗詐欺の注意点【2026年10月最新】

XRP Ledgerの脆弱性修正のイメージ ウォレット・セキュリティ

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「XRPを無限に発行できるバグがあったって本当?」「自分のXRPは大丈夫?」「何かしないといけない?」

2026年10月9日、XRP Ledger(XRPL)の公式ブログが、XRPL のサーバーソフト「xrpld」に、存在しないXRPを作れてしまうバグがあったことを公表しました。バグは9月25日の修正版 xrpld 3.4.1 ですでに直されています。この記事では、XRPL公式の報告書(英語)を最後まで読み、XRPを持っている人に影響があるのか、何をすればいいのかを整理します。

この記事の結論(2026年10月12日 日本時間 時点)

  • XRP Ledgerのバグは9月25日の xrpld 3.4.1 で修正済みです。XRPL公式は「公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていない」としています。
  • XRPは増えていません。XRPL財団は10月12日、公式Xで「XRPは作られていない」と説明し、今のXRPは約999.86億XRPとしています(取引手数料の焼却で1,000億XRPから減っている)。
  • 取引所やウォレットでXRPを持っている人がやることは、基本的にありません。更新が必要なのは、XRPLのサーバー(ノード)を自分で動かしている人・事業者だけです。
  • 「バグで資産が危ない、すぐ移して」というDMや「サポート」を名乗る連絡は便乗した詐欺を疑ってください。復元フレーズ(シード)は誰にも教えません。

いまの状況(XRPL公式の報告書より)

修正済み(xrpld 3.4.1、2026年9月25日公開)
悪用公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていない
対象のソフトxrpld 3.4.0 以前(サーバー用のソフト)
供給量約999.86億XRP。新しく作られたXRPはない(XRPL財団、10月12日)
保有者やることは基本的にない
ノード運営者3.4.1以上へ更新が必須(10月9日以降、古いままでは同期できない)

XRP Ledgerで何が起きた?時系列で整理

XRP Ledgerで起きたのは「バグが見つかり、悪用される前に直され、直したあとで公表された」という流れです。XRPのお金が盗まれた事件や、取引所のハッキングではありません。

XRPL公式ブログの報告書(2026年10月9日公開)に書かれた経過は次のとおりです。

日付何が起きたか
2015年今の支払い処理の仕組み(ペイメントエンジン)が書かれる。バグはこのときからあったとみられる
その2年後「取引でXRPが新しく作られていないか」を確かめる安全チェックが追加される。ただし同じ計算方法だったため、このバグは見逃された
2026年9月18日別の不具合(Batch機能の検証漏れ)が確認される
9月22日研究者がバグ報奨金制度(バグバウンティ)でXRPを作れるバグを報告。同じ日に開発チーム(RippleX)が手元のサーバーで再現し、深刻度を「クリティカル」に
9月22〜23日修正を非公開で作り、何度もレビュー。通常の投票の手続きを待たずに適用すると決める
9月25日修正版 xrpld 3.4.1 を公開(バグの場所が分からないよう、ソースコードは公開しないまま)。同じ日に、標準の信頼リスト(UNL)に載るバリデーターの80%超が3.4.1以上に更新
10月9日Batchの修正(fixBatchV1_2)がメインネットで有効に。脆弱性の報告書と3.4.1のソースコードを公開。古いバージョンのサーバーはネットワークと同期できなくなる
10月10日日本時間14時45分にCoinPostが報じ、日本語のXで「XRPを無限発行できるバグ」として広まる
10月12日日本時間5時56分、XRPL財団が公式Xで「XRPは作られていない」「投票を待たずに直した理由」を説明。今のXRPは約999.86億XRP

日付はXRPL公式の報告書の表記です(時刻は公表されていません)。10月10日・10月12日の行は日本時間です。

報告から修正版の公開までは3日、公表は修正版の公開から2週間後です。修正を先に配り、多くのサーバーが更新し終えてから公表するのは、セキュリティの世界で一般的な手順です。修正前に公表すると、まだ直っていないサーバーを狙われてしまうためです。

報告したのは、研究者の Cayden Liao 氏と Veria AI です(報告書の謝辞より)。

XRPL公式ブログの脆弱性報告書。修正は xrpld 3.4.1 で配布済みで、公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていないと書かれた箇所

XRPL公式の報告書で「修正は xrpld 3.4.1 で配布し、公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていない」と書かれた箇所(赤枠)。出典:XRPL公式ブログ「Vulnerability Disclosure Report for xrpld 3.4.1」(2026年10月10日取得)

ネットワークは今どうなっている?(Coin Mapが確認)

Coin Mapは2026年10月10日19時22分(日本時間)、だれでも使えるXRPLの公開サーバー(xrplcluster.com)に問い合わせ、次のことを確かめました。

確かめた項目結果
サーバーのバージョン3.4.1(修正済み)
Batchの修正(fixBatchV1_2)有効
Batch機能(BatchV1_1)有効
ブロック(レジャー)の確定通常どおり進んでいる(確定済みレジャー番号 107,559,262)

問い合わせ方法:XRPLの公開API(server_info・feature)。1つの公開サーバーの結果で、すべてのサーバーの状態を示すものではありません。

どんなバグだった?「XRPを無から作れる」の仕組み

XRP Ledgerのバグは、たくさんの注文をまとめて買う支払いで「合計額の計算が上限を超えると、小さな数に戻ってしまう」というものでした。専門用語では「整数オーバーフロー」と呼びます。

身近な例でいうと、5けたしか表示できない古い車の走行距離メーターです。99,999kmの次は100,000kmではなく、00,000kmに戻ってしまいます。XRP Ledgerの計算にも、扱える数の上限がありました。

XRPが「無から」生まれる流れ(XRPL公式の説明を要約)

  1. 攻撃者が数百のアカウントを作り、それぞれから「ごく少しのトークンを、ものすごく大量のXRPと交換したい」という注文(オファー)を出す。1つ1つの注文は、ルール上は正しい
  2. 別のアカウントから、その注文を全部まとめて買う支払いを1回だけ送る
  3. 支払い処理(ペイメントエンジン)が、買い手が払うXRPの合計を計算する。合計が上限を超え、小さな数に戻ってしまう
  4. 注文を出した側には、それぞれの全額のXRPが支払われる。一方、買い手からは戻ってしまった小さな合計額しか引かれない
  5. その差が、本来どこにも存在しない新しいXRPになる。しかも、ふつうのXRPと同じように送金・売買できる

XRP Ledgerには「取引でXRPが新しく作られていないか」を確かめる安全チェックがありました。しかし、この安全チェックも同じ方法で合計していたため、同じように数が戻ってしまい、何も検知できませんでした。アカウントごとの残高のチェックも、作ったXRPを数百のアカウントに分けると引っかかりませんでした。

「無限発行」「攻撃コストは手数料だけ」は本当?

Xでは「無限発行できた」「攻撃に必要なコストは手数料だけ」と広まっていますが、XRPL公式の報告書の言い方は少し違います。

Xで広まった言い方XRPL公式の報告書では
無限に発行できた1回の取引で、XRPの総供給量をはるかに超える量を作れた可能性があった(XRPの総供給量は1,000億XRP)
攻撃コストは手数料だけ実際の負担は、アカウントと注文に必要な数百XRPの準備金(あとで戻る)と通常の手数料。大きな元手は要らなかった
11年間見つからなかった今の支払い処理が書かれた2015年からあったとみられる。ふつうの支払いでは上限に近づきもしないため、約10年気づかれなかった
悪用されなかった公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていない

また、このバグは偶然では起きません。実際の取引では誰も使わないような値段の注文を数百件並べ、それを一度に買う支払いを特別に作る必要がありました。XRPの総供給量は、計算の上限よりずっと小さいため、ふつうの送金や売買がこの計算に引っかかることはありません。

報告では「この注文を板に置いて、ほかの人の支払いを邪魔できる」という可能性も挙げられていましたが、開発チームが試したところ、その注文は値段が極端に悪いため板のいちばん下に沈み、ふつうの支払いには影響しないと確かめられています。

なぜ「投票なし」で直したのか

XRP Ledgerで取引のルールを変えるときは、ふつう「アメンドメント」という投票の手続きを通します。信頼されたバリデーター(取引を承認するサーバー)の80%超の支持が2週間続いてはじめて、全サーバーが同時に新しいルールに切り替わります。

今回の修正は、この手続きを通さず、各サーバーが3.4.1に更新した時点で効く形で配られました。XRPL公式によると、アメンドメントの仕組みができてから10年以上で初めてのことです。理由は次のとおりです。

  • xrpldはだれでも中身を読めるオープンソースのため、修正を配ればバグの場所も分かってしまう
  • 投票の手続きを待つと、数週間「バグの場所が知られているのに、まだ悪用できる」状態が続いてしまう
  • 悪用されて作られたXRPが取引所などに流れると、元に戻すのが非常に難しい

一方で、更新したサーバーとしていないサーバーが混ざっている間に攻撃があれば、両者で台帳の中身が食い違うおそれがありました。これを防げたのは、標準の信頼リストに載るバリデーターの80%超が、公開当日の9月25日に3.4.1以上へ更新したためです。XRPL公式は「今回は例外で、ルールの変え方そのものは変わらない」としています。

同時に直されたもう1つの不具合(Batch)

3.4.1では、別の不具合も直されています。「Batch」は、1つのアカウントが最大8件の取引をまとめて送れる新しい機能です。このBatchの中身を包む形式のチェックが抜けており、決まった形式以外で包んだ取引も受け付けてしまう状態でした。

この不具合で資産が失われることはなく、攻撃者が得をするものでもありませんでした。ただし、バージョンの違うサーバーの間で判断が分かれ、台帳の確定が止まるおそれがありました。Batch機能は、見つかった時点ではメインネットでまだ有効になっていませんでした。開発者とバリデーターは、Batchを有効にする投票をいったん取り下げ、修正(fixBatchV1_2)を先に有効にする順番に変えました。修正とBatch機能は、どちらも10月9日にメインネットで有効になっています。

10月12日の続報:XRPL財団が「XRPは増えていない」と説明

XRPL財団(XRP Ledger Foundation)は10月12日5時56分(日本時間)、公式Xで「XRPは作られたのか」「なぜ投票を待たずに直したのか」などの疑問に答えました。要点は次の3つです。

疑問XRPL財団の説明(公式Xを編集部が要約)
XRPは作られた?作られていない。XRPは立ち上げ時に1,000億XRPで固定され、増やす取引は認められていない。今回のバグはこのルールの抜け道で、2週間前の3.4.1で直した。取引手数料は焼却されるため供給は減り続け、今は約999.86億XRP。残高はすべて公開されており、だれでも確かめられる
なぜ10年気づかなかった?ふつうの支払いでは発動せず、数百件の意図的な操作が必要だった。AIで、この種のバグは攻撃する側にも守る側にも見つけやすくなっている
なぜ投票を待たなかった?修正を公開すればバグの場所も分かり、AIで調べるのも速い。通常の投票では、修正が公開されたまま数週間効かない状態が続く。そこでXRPL財団・RippleX・コア開発者・バリデーターが話し合って合意し、修正を直接配った

出典:XRPL財団の公式X(@XRPLF)2026年10月12日の投稿

「投票なし」はだれが決めた?XRPL財団の説明

XRPL財団によると、修正版は、標準の信頼リスト(デフォルトUNL)に載るバリデーターへ、各バリデーターが自分で公開している連絡先(xrp-ledger.tomlというファイル)を通じて先に渡し、一般向けの公開も同じ9月25日に行いました。

財団は「1つの団体だけでは決められなかった」としています。どのソフトを動かすかは、バリデーターやサーバーの運営者がそれぞれ選ぶものだからです。3.4.1が事実上の必須になったのは、80%超のバリデーターの支持が2週間続く、通常の投票の結果です(同時に入っていたBatchの修正 fixBatchV1_2 が10月9日に有効になり、古い版では同期できなくなった)。財団は、ルールの変更は今後もアメンドメント(投票)を通すとしています。

原因は「64ビット整数のオーバーフロー」、どう直した?

XRPL公式の報告書によると、支払い処理は、数百の注文から受け取るXRPの額を上限のチェックをしない64ビット整数の足し算で合計していました。1つ1つの注文の額は正しくても、数百件を足すと64ビット整数で表せる上限を超え、小さな値に戻ってしまいました。「XRPが作られていないか」を調べる安全チェックも同じ64ビットの数え方だったため、同じように値が戻り、ふつうの取引に見えていました。

3.4.1での直し方と、再発を防ぐ対策は次のとおりです。

対策中身出典
合計の前に上限を確かめる合計が上限を超えるときは、その部分の支払いを失敗させる(ふつうの「送れる経路がない」「一部だけ送金」と同じ結果になり、XRPは作られない)。複数の経路の結果をまとめる段階にも同じ確認を入れた報告書
安全チェックを作り直す「XRPが作られていないか」の安全チェックを、桁あふれしない大きな数え方に変えた。別の経路で同じような問題が起きても見つけられる報告書
ほかの合計箇所も強化多くのアカウントの残高を足し合わせるほかの箇所も、念のため同じ方法で強化した(今の取引では到達できない箇所)報告書
リリース前の再テスト「修正済み」とした指摘は、リリース候補版で元の不具合を再現するテストに合格するまで完了にしない報告書
検査を厚くするコードの正しさを数学的に証明する「形式検証」とAIを使った攻撃テストを徹底して取り入れ、セキュリティ研究者との協力とバグ報奨金制度を強化するXRPL財団の公式X

XRPの総供給量をCoin Mapが確かめた結果

Coin Mapは2026年10月12日11時05分(日本時間)、XRPLの公開サーバー(xrplcluster.com)に、確定した最新のレジャー(番号107,596,291)の総供給量を問い合わせました。結果は99,985,592,361XRP(約999.86億XRP)で、XRPL財団の説明と一致しました。1,000億XRPを超えてはおらず、増えた形跡はありません。このサーバーのソフトは3.4.1でした。

問い合わせ方法:XRPLの公開API(ledgerメソッドのtotal_coins。単位はdropで、100万dropが1XRP)。1つの公開サーバーの結果です。

XRPを持っている人は何かする必要がある?

XRPを取引所やウォレットで持っている人が、このバグのためにやることは基本的にありません。XRPL公式が更新を求めているのは、XRPLのサーバー(xrpld)を動かしている人だけです。xrpldはネットワークを支えるサーバー用のソフトで、スマホのウォレットアプリや取引所のアプリとは別物です。

あなたの持ち方やること
国内・海外の取引所に預けているなし。入出金の停止などがあれば、取引所の公式のお知らせで確認する
ウォレットアプリ(Xamanなど)で持っているなし。資産を移す必要もない
ハードウェアウォレットで持っているなし
XRPLのサーバー(xrpld)を自分で動かしている3.4.1以上へ更新が必須。10月9日以降、古いままではネットワークと同期できない(アメンドメント・ブロック)
アプリ開発で xrpl.js などを使っている今回の件ではなし。Batchを扱う場合は、公式の最新版で動作を確認

XRPの残高は、XRP Ledgerという共通の台帳に記録されています。悪用の証拠は見つかっておらず、XRPL公式も保有者に資産の移動などを求めていません。「念のため別のウォレットへ移す」必要はなく、慌てて移すと送金ミスや詐欺サイトにつながるおそれがあります。XRPを送るときは宛先タグ(メモ)の入れ忘れにも注意が必要です(XRPの宛先タグを間違えた・忘れたときの対処)。

取引所に必要なことは?

取引所の中には、XRPの入出金のために自分でXRPLのサーバーを動かしている会社もあります。そうした会社は「サーバーを動かしている事業者」として3.4.1以上への更新が必要でした。ただし、これは取引所側の作業で、利用者がやることではありません。

もし利用中の取引所が「XRPの入出金を一時停止」と案内していたら、それは取引所のサーバーの作業による場合があります。その場合も、台帳に記録された残高が消えるわけではありません。再開の時期は、取引所の公式サイトのお知らせで確認してください。SNSやDMで届く「再開の手続き」には応じないでください。

xrpld 3.4.1のリリースノート。XRP Ledgerのサーバーを動かしている人は3.4.1へ更新するよう書かれた箇所

xrpld 3.4.1のリリースノート。更新を求めているのは「XRP Ledgerのサーバーを動かしている人」だと分かる箇所(赤枠)。出典:XRPL公式ブログ「Introducing XRP Ledger version 3.4.1」(2026年10月10日取得)

「XRPが危ない」に便乗した詐欺に注意

「XRPのバグで資産が危ない」「今すぐ安全なウォレットへ移して」という連絡は、詐欺を疑ってください。大きなニュースのあとは、それに便乗して不安をあおる詐欺が増えます。XRPL公式は、保有者に資産の移動や手続きを一切求めていません。

よくある手口見分け方・対処
「バグで資産が危険。指定のアドレスへ移して」というDM公式が個人にDMで送金を頼むことはない。無視する
「Ripple/XRPLサポート」を名乗る人が、復元フレーズ(シード)や秘密鍵を聞く復元フレーズを聞くのは100%詐欺。誰にも教えない・どこにも入力しない
「ウォレットを3.4.1に更新」という偽サイト・偽アプリ3.4.1はサーバー用のソフトで、保有者がウォレットを「3.4.1に更新」する必要はない
「補償のXRPを配布」「エアドロップを受け取って」というリンク補償や配布の公式発表はない(10月12日時点)。ウォレットをつなぐ・署名する前に止まる

「サポート」を名乗る詐欺の見分け方は、MetaMaskを名乗る詐欺の見分け方で詳しく解説しています。名乗る会社が違っても手口は同じです。だまされてしまったあとに「返金できます」と近づく二次被害もあるので、仮想通貨詐欺の「返金できます」は二次被害の入口もあわせて確認してください。

よくある質問

Q. 取引所に預けているXRPは安全ですか?

XRP Ledgerのこのバグについては、取引所に預けているXRPのために利用者がやることはありません。バグは9月25日の xrpld 3.4.1 で修正済みで、XRPL公式は公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていないとしています。取引所ごとの入出金の状況は、各取引所の公式のお知らせで確認してください。

Q. ウォレットアプリ(Xamanなど)のアップデートは必要ですか?

このバグのために、ウォレットアプリで何かをする必要はありません。修正されたのはXRPLのサーバー用のソフト(xrpld)で、スマホのウォレットアプリではないためです。アプリのアップデートは、いつもどおりApp Store・Google Playの公式ストアから行い、SNSのリンクから入れないでください。

Q. XRPの値段に影響はありますか?

Coin Mapは値動きの予想はしません。事実として言えるのは、バグは修正済みで、悪用された証拠は見つかっておらず、XRPの総供給量のルール(1,000億XRP)を変える出来事ではない、という点です。値動きを理由にした「今すぐ売って/買って」という勧誘には注意してください。

Q. 本当に悪用されていないと言い切れますか?

XRPL公式の表現は「公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていない」です。Coin Mapもこの表現に合わせています。悪用が見つかった場合はXRPL公式から追加の発表があるはずなので、この記事も追記します。

Q. 投票を待たずに直せるなら、XRP(XRPL)は中央集権ではないのですか?

XRPL財団の説明では、今回の判断はXRPL財団・RippleX・コア開発者・バリデーターが話し合って決めたもので、1つの団体だけでは決められなかったとしています。修正版を入れるかどうかは各バリデーター・運営者が自分で選び、3.4.1が事実上の必須になったのは80%超の支持が2週間続く通常の投票の結果でした。財団は、ルールの変更は今後も投票を通すとしています。一方で、投票を待たない判断が財団・RippleX・コア開発者・バリデーターの話し合いで決まったのは事実で、どう評価するかは意見が分かれます。

Q. XRPの発行上限(総供給量)はいくつ?本当に増えていませんか?

XRPは立ち上げ時に1,000億XRPで固定され、増やす取引はルール上認められていません。取引手数料は焼却されるため供給は少しずつ減っており、XRPL財団は10月12日に「今は約999.86億XRP」と説明しました。Coin Mapが同じ日にXRPLの公開サーバーで確かめた総供給量も約999.86億XRPで、1,000億XRPを超えていません。

Q. XRPの総供給量は自分で確かめられますか?

確かめられます。XRPLの残高と取引はすべて公開されており、XRPLのエクスプローラー(取引の記録を見られるサイト)や、公開APIの「ledger」メソッドの「total_coins」で総供給量が分かります。total_coinsの単位はdropで、100万で割るとXRPの量になります。新しくXRPが作られれば、だれの目にも残高の増加として見えます。

Q. 2025年4月の「xrpl.js」の事件と同じですか?

別の事件です。2025年4月の事件は、アプリ開発者が使うJavaScriptのライブラリ「xrpl.js」のnpmパッケージに、秘密鍵を盗むコードが入れられたものでした。今回の件は、XRP Ledgerのサーバーソフトのバグです。

項目今回(2026年10月公表)xrpl.jsの事件(2025年4月)
何に問題があったサーバー用ソフト xrpld の計算開発者向けライブラリ xrpl.js のnpmパッケージ
原因2015年からあったとみられるバグ管理者のアカウント情報がフィッシングで盗まれ、悪意あるコードを入れた版が公開された
対象xrpld 3.4.0以前xrpl.js 4.2.1〜4.2.4、2.14.2
XRP Ledger本体への影響本体のバグ(悪用の証拠なし、修正済み)本体には影響なし
保有者がやること基本的になし対象の版を使ったアプリに鍵を入れた人は、鍵の入れ替えが必要だった

Q. リップル社(Ripple)のバグですか?

XRP Ledgerは、リップル社だけのものではない分散型の台帳です。xrpldの開発はリップル社の開発部門RippleXとXRPL Foundation(XRPL財団)などが協力して進めており、今回の修正版もこの2者が共同で作ったと、3.4.1のリリースノートに書かれています。

Q. ほかの仮想通貨でも同じようなことはありましたか?

あります。ビットコインでは2010年8月15日、計算の上限を超えるとおかしな数になる、よく似たバグが実際に使われ、約1,844億BTCが1つの取引で作られました。このときは約5時間で修正版が出て、問題の取引を含まないチェーンが正しいものになり、作られたBTCは無かったことになりました。今回のXRP Ledgerは、悪用される前に見つかって直された点が違います。2026年10月17日には、Cysic(CYS)のブリッジが攻撃され、裏付けのない1,000万CYSが実際に発行されて売られました(Cysicのハッキングとブリッジ停止)。

項目XRP Ledger(2026年)ビットコイン(2010年)
バグの種類合計額の計算のオーバーフロー合計額の計算のオーバーフロー
実際に使われたか悪用の証拠は見つかっていない使われた(約1,844億BTCが作られた)
どう直したか報告から3日で修正版、公表は2週間後発見から約5時間で修正版、チェーンを正しい側に切り替え

Q. 同じようなバグはまた見つかりますか?

XRPL公式は、今回のバグがバグ報奨金制度で見つかったことを挙げ、外部の監査、公開の攻撃コンテスト、AIを使った検査などを重ねて弱点を探していると説明しています。今後は、修正済みとした指摘をすべてリリース前に再現テストにかけ、合格したものだけを完了にする手順を加えるとしています。新しいバグが見つかる可能性はどのソフトにもあるため、XRPに限らず「公式の発表を見て、慌てて資産を動かさない」ことが大切です。

まとめ

  • XRP Ledgerのサーバーソフト xrpld に、たくさんの注文をまとめて買う支払いで「存在しないXRP」が生まれうるバグがあった。2015年からあったとみられる。
  • 9月22日に報告、9月25日の xrpld 3.4.1 で修正済み。公開ネットワークで悪用された証拠は見つかっていない(XRPL公式)。
  • XRPは増えていない。XRPL財団によると今は約999.86億XRPで、Coin Mapの確認でも1,000億XRPを超えていない。投票を待たずに直したのは、修正の公開から有効化までの数週間に悪用されるのを防ぐため。
  • XRPを取引所・ウォレットで持っている人がやることは基本的にない。更新が必要なのはサーバーを動かしている人・事業者だけ。
  • 「バグで資産が危ない、すぐ移して」「シードを入力して」は詐欺。2025年4月の xrpl.js の事件とは別の話。

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本記事のデータは2026年10月12日11時05分(日本時間)時点のものです(10月12日にXRPL財団の説明と総供給量の確認を追記)。XRPL公式から続報が出た場合は、この記事に追記します。

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