「メタプラネットの株価が急に上がったのはなぜ?」「ビットコインが少し上がっただけなのに、株はなぜ何倍も動くの?」「mNAVって何?」
東証スタンダードのメタプラネット(証券コード3350)の株価は、2026年10月1日に前日比+21円の307円で取引を終えました。この記事では、同社の公式トラッカーと適時開示、株探の株価、ビットコインの価格データを使い、株価がビットコインと連動する仕組み、10月1日に上がった理由、今後の注意点を数字で整理します。
この記事の結論(2026年10月1日時点)
メタプラネットの株価は「ビットコインの価格」「1株あたりのビットコイン」「市場の評価倍率(mNAV)」の3つで決まるため、ビットコインと連動します。借入金と優先株(計970億円)があるので、評価倍率が同じでも株価はビットコインの約1.2倍の幅で動きます。
10月1日はビットコインが円建てで約2%上がったのに対し、株価は7.34%上がりました。差の大部分は、企業価値を保有ビットコインの時価で割ったEV mNAVが約0.86倍から約0.89倍に上がったことで説明できます。
注意点は株が増えること(希薄化)です。EVO FUNDが持つ第27回新株予約権(9,473万株分)はmNAVが1.01倍以上のときだけ行使できる契約で、ビットコインが今の価格なら株価約355円がその目安になります。この記事は投資を勧めるものではありません。
【10月9日追記】株価はその後3日続けて下げ、10月8日の終値は258円(前日比−9.5%)でした。10月1日の307円から約16%の下落です。同じ期間のビットコインは約2%の下落(10月9日朝は約81,700ドル)で、10月7日には米国の現物ビットコインETFから約4.8億ドルが流出し、米国の仮想通貨関連株もそろって下げました。ビットコインの下げ幅より株価の下げ幅が大きいのは、本文で説明した評価倍率(mNAV)の低下が重なったためです。
【10月16日追記】メタプラネットは10月13日、利息のつかない2031年満期のユーロ円建て転換社債(CB)520億円の発行と、自己株式の取得を発表しました。10月14日に東証の立会外取引(ToSTNeT-3)で7,398万1,400株(1株261円、約193億円)を買い戻し、CBを株に替える価格(転換価額)は339円に決まりました(取得結果の開示・発行条件の開示、いずれも2026年10月14日、10月16日確認)。期限が10月28日だった750億円の自己株買い枠は0株のまま終わり、600億円の新しい枠に替わっています。詳しくは自己株買いの節をご覧ください。
【10月16日追記:MSCI】株価指数大手のMSCIは日本時間10月16日早朝、実質的な事業を持たない「非事業会社」を世界株の指数の対象外にするルールを決めました。MSCIが公表した暫定リストで、メタプラネットは指数からの「除外(Deleted)」の候補に入っています。最終リストは11月11日に発表され、11月30日の取引終了時点で反映されます(MSCIの告知・暫定リスト(Excel)、2026年10月16日確認)。詳しくはMSCIの節をご覧ください。
※東証スタンダードの「Bitcoin Japan株式会社(8105)」はメタプラネットとは別の会社です。違いはビットコインジャパン(8105)とは?メタプラネットとの違いで解説しています。
株の評価倍率(mNAV)や希薄化の影響を受けずにビットコインを持ちたい人は、金融庁に登録した国内の取引所で日本円から買えます。株・現物・ETFの違いは下の「ビットコインに投資するなら株・現物・ETFのどれ?」で比べています。登録業者の例として、OKJ(オーケーコイン・ジャパン)の口座開設の手順をOKJの始め方にまとめています。
メタプラネット株は10月1日になぜ上がった?
メタプラネット株が10月1日に上がった理由は、ビットコインの上昇、日本株全体の大幅高、そして株の評価倍率(mNAV)の上昇の3つが重なったためです。会社からの新しい発表は、この日の取引時間中にはありませんでした。
| 項目 | 9月30日 | 10月1日 | 変化 |
|---|---|---|---|
| メタプラネット終値 | 286円 | 307円 | +7.34% |
| 出来高 | 2,107万5,000株 | 2,208万9,000株 | +4.8% |
| ビットコイン(円・15時) | 1,307万5,214円 | 1,334万4,477円 | +2.06% |
| ビットコイン(ドル・15時) | 83,338ドル | 84,253ドル | +1.10% |
| 日経平均(10月1日終値) | - | 68,956.72円 | +2,203円(+3.30%) |
| EV mNAV(Coin Map計算) | 約0.86倍 | 約0.89倍 | 上昇 |
出典:株価・出来高・日経平均は株探「メタプラネット(3350)時系列」(2026年10月1日15:30)、ビットコイン価格はCoinGecko(日本時間15時の値)。EV mNAVはメタプラネット公式トラッカーの負債・優先株の数字とこの表の終値・BTC価格からCoin Mapが計算(計算式は下の「保有BTCとmNAV」の章)
Xでは「303円」という数字も話題になりましたが、取引所の終値は307円、出来高は2,208万9,000株です。303円は取引時間中の株価と考えられます。売買の判断には、日付と時刻のはっきりした終値を使ってください。
上昇の内訳:ビットコイン分は約2.6%、残りは評価倍率
評価倍率(EV mNAV)が9月30日と同じ約0.86倍のままで、ビットコインだけが+2.06%動いたとすると、株価の計算上の値は約293円(+2.6%)です。実際の終値307円との差、約14円(+4.7%分)は、市場がメタプラネット株をより高く評価し直したことによる上昇です。
日経平均がこの日+3.30%と大きく上がり、株式市場全体で買いが強かったことも、評価倍率の上昇を後押ししたと考えられます。
「Uptober(10月は上がる)」の期待はあてになる?
Xでは「Uptober(アップトーバー)」という言葉とともに、10月はビットコインが上がりやすいという期待が語られています。ただし、2025年のビットコインは10月2日から11月1日までに約7.9%下がりました(CoinGeckoの日次データで、10月2日の約118,931ドルから11月1日の約109,567ドル)。月の名前で値動きが決まるわけではありません。
9月24日の+18.52%も同じ構図
メタプラネット株は9月24日にも+18.52%(243円→288円)上がりました。株探(みんかぶ配信)によると、日本の連休中にビットコインが一時8万7,000ドル台まで上がり、連休明けに「トレジャリー企業」と呼ばれるビットコイン保有企業の株がまとめて買われたためです。メタプラネット株の大きな上昇の多くは、ビットコインの動きをきっかけにしています。
メタプラネットの株価はなぜビットコインと連動する?
メタプラネットの株価がビットコインと連動するのは、会社の資産の大部分がビットコインで、株の価値が「保有ビットコインの時価」を基準に評価されているからです。株価は次の3つの掛け算で考えると分かりやすくなります。
| 要素 | 中身 | 2026年10月1日の状態 |
|---|---|---|
| ① ビットコインの価格 | 保有しているBTCの時価が変わる | 約1,331万円(約8.4万ドル)。1年前の約12万ドルより安い |
| ② 1株あたりのBTC | BTCを買い増すと増え、株を新しく出すと減る | 約3,225サトシ(0.00003225BTC)。7〜9月はBTCが差し引き1,000BTCしか増えず、株が約8,300万株増えたため、6月30日の約3,356サトシから約4%減った(発行済株式数で割った場合。会社が完全希薄化後の株式数で計算したBTCイールドは+11.3%) |
| ③ 評価倍率(mNAV) | 市場が保有BTCの何倍の値段を付けているか | EV mNAV 約0.9倍(保有BTCの時価より低い評価) |
出典:メタプラネット「ビットコインストラテジートラッカー」(2026年10月1日16時台に確認)。1株あたりBTCは保有44,000BTC(2026年9月30日、10月5日の開示)を発行済株式数(自己株式を除く1,364,255,696株、2026年9月30日現在)で割ってCoin Mapが計算
なぜビットコイン以上に動くのか:借入金と優先株の「てこ」
メタプラネットは、借入金などの負債734億円と優先株236億円、合わせて970億円を抱えています(公式トラッカー)。保有ビットコインの値段が上がっても、この970億円は増えません。そのため、ビットコインの値上がり分は、普通株の株主の取り分に大きめに乗ります。下がるときも同じで、普通株の価値が大きめに減ります。
評価倍率が変わらないとすると、株価はビットコインの約1.2倍の幅で動く計算です。さらに評価倍率そのものもビットコインと同じ方向に動きやすいため、実際の値動きはもっと大きくなることがあります。

過去1年の値動きを比べると
| 時点 | メタプラネット株価 | ビットコイン(ドル) |
|---|---|---|
| 2025年10月6日(52週の高値) | 662円 | 約123,489ドル |
| 2026年7月1日(52週の安値) | 192円 | 約58,566ドル |
| 2026年10月1日 | 307円 | 約84,253ドル |
| 高値から10月1日まで | −53.6% | −31.8% |
| 安値から10月1日まで | +59.9% | +43.9% |
出典:株価は株探(52週高値・安値はその日の高値・安値、10月1日は終値)。ビットコインはCoinGeckoの日次データ(各日の日本時間9時の値、10月1日は15時の値)。株価とBTCの時刻はそろっていないため、目安として見てください
上がるときも下がるときも、メタプラネット株はビットコインより大きく動いてきました。株価の高値とビットコインの高値がほぼ同じ時期で、安値も同じ2026年7月1日でした。
ビットコインが10%・20%・30%動いたら株価はいくら?
評価倍率(EV mNAV)を10月1日の約0.89倍のまま固定し、ビットコインの価格だけを動かした場合の計算上の株価です。実際には評価倍率も動くので、あくまで仕組みを理解するための目安です。
| ビットコインの変化 | 計算上の株価 | 307円からの変化 |
|---|---|---|
| −30% | 約194円 | −36.7% |
| −20% | 約232円 | −24.5% |
| −10% | 約269円 | −12.2% |
| ±0% | 307円 | ±0% |
| +10% | 約345円 | +12.2% |
| +20% | 約382円 | +24.5% |
| +30% | 約420円 | +36.7% |
計算:株価=(EV mNAV × 保有BTCの時価 − 負債と優先株から現金などを引いた額)÷ 発行済株式数。基準はBTC 1,331万2,459円(公式トラッカーの16時台の表示)、保有43,000BTC、株式数1,364,255,696株(いずれも2026年10月1日、公式トラッカーと適時開示)。Coin Mapの計算で、株価の予想ではありません
評価倍率が変わると、ビットコインが動かなくても株価は大きく変わります。ビットコインを1,331万円で固定した場合、EV mNAVが0.80倍なら約267円、0.85倍なら約288円、1.0倍なら約351円、1.2倍なら約435円です。メタプラネット株を見るときは、ビットコインの値段と評価倍率の両方を確かめるのが基本です。
保有BTCとmNAVは?今の株価は「BTCより安い」のか
メタプラネットは2026年9月30日時点で44,000BTCを保有し、10月1日の価格で時価は約5,857億円です。株式の時価総額は約4,188億円で、保有ビットコインの時価を下回っています。この関係を表す数字がmNAVです。この節の画像と「mNAVの計算」は、10月1日の公式トラッカーの表示(7〜9月の売買の反映前で、保有43,000BTC)によるものです。10月5日の開示で分かった7〜9月の売買と計算し直した数字は、下の「7〜9月に1万BTCを売って1万1,000BTCを買い直したのはなぜ?」にまとめています。

mNAVとは?2つの計算方法
mNAV(エムナブ)は、会社の値段が、持っているビットコインの時価の何倍かを表す数字です。1倍より大きければ「持っているビットコイン以上の値段」、1倍より小さければ「持っているビットコインより安い値段」が付いていることになります。計算方法は2つあり、数字が変わります。
mNAVの計算(2026年10月1日)
保有BTCの時価=43,000BTC × 1,331万2,459円 = 約5,724億円
時価総額=307円 × 1,364,255,696株 = 約4,188億円
① 単純なmNAV=時価総額 ÷ 保有BTCの時価 = 4,188億 ÷ 5,724億 = 約0.73倍
企業価値(EV)=時価総額+負債734億円+優先株236億円−現金など = 約5,121億円(公式トラッカーの表示)
② EV mNAV(会社が使う数字)=5,121億 ÷ 5,724億 = 約0.89〜0.90倍(トラッカーの表示は0.90倍)
出典:メタプラネット「ビットコインストラテジートラッカー」、適時開示「自己株式の取得状況に関するお知らせ」(2026年10月1日、発行済株式数)。トラッカーの数字はビットコイン価格に合わせて常に動くため、確認した時刻で小数点以下が変わります
会社の開示や新株予約権の契約で使われるのは、②のEV mNAV(企業価値÷保有BTCの時価)です。ほかのサイトのmNAVと比べるときは、どちらの計算かを確かめてください。同じ日でも0.73倍と0.9倍のように差が出ます。
ビットコインではなくXRPを持つ会社にも、同じ見方が使われます。2026年10月12日にナスダックに上場したエバーノース(XRPN)は、米国SECに出した目論見書で、株価が保有するXRPの純資産価値(NAV)に対して大きなプレミアムやディスカウントで取引されることがあると、リスクとして書いています(Evernorthの目論見書(SEC)、2026年10月17日確認)。株価の見方は「エバーノース(XRPN)とは?」で解説しています。

保有BTCの主な数字
| 保有量 | 44,000BTC(2026年9月30日。ビットコインの総供給量の約0.21%) |
|---|---|
| 取得総額・平均取得単価 | 約6,845億円・1BTCあたり1,555万5,717円(2026年9月30日) |
| 含み損益 | 約987億円の含み損(BTC 1,331万円の時点) |
| 最初の購入 | 2024年4月23日(97.85BTC) |
| 最後の購入 | 2026年7〜9月(11,000BTC、平均1BTCあたり1,362万6,928円。同じ期間に10,000BTCを売却) |
| 1株あたりの純資産(希薄化前) | 419.59円(トラッカー表示) |
| 負債・優先株 | 負債734億円、優先株236億円(合計970億円、保有BTC時価の約17%) |
出典:保有量・取得総額・平均取得単価・最後の購入はメタプラネット適時開示「ビットコインの追加購入に関するお知らせ」(2026年10月5日)、それ以外は「ビットコインストラテジートラッカー」(2026年10月1日16時台に確認)。含み損益は取得総額と時価(44,000BTC×1,331万2,459円)の差をCoin Mapが計算
2026年1〜6月期の決算では、ビットコインの値下がりにより1,842億9,700万円のビットコイン評価損が計上されました(2026年8月13日の開示)。売却による損失ではなく、期末の価格で評価し直した会計上の損失です。ビットコインの価格が戻れば評価益として計上されることがあり、逆にさらに下がれば損失が増えます。
mNAVが1倍未満だと、なぜ買い増しが止まりやすいのか
メタプラネットは、株を新しく発行して集めたお金でビットコインを買ってきました。mNAVが1倍を下回っているときに株を発行してビットコインを買うと、1株あたりのビットコインが逆に減ってしまいます。会社も第27回新株予約権の開示で、mNAVが1倍を大きく上回らない状況では株の発行を慎重に進める方針を示しています。
実際、普通株を新しく出してビットコインを買う動きは2026年6月30日の2,823BTCのあと止まっています。7〜9月は1万1,000BTCを買いましたが、同じ期間に1万BTCを売っており、差し引きの増加は1,000BTCでした(10月5日の開示。理由は下の「7〜9月に1万BTCを売って1万1,000BTCを買い直したのはなぜ?」)。

mNAVが1倍未満であることは、「割安だから上がる」という意味ではありません。市場が希薄化・負債・買い増しの停止などを考えて、保有ビットコインより低い値段を付けている状態です。評価倍率がさらに下がれば、ビットコインが動かなくても株価は下がります。
7〜9月に1万BTCを売って1万1,000BTCを買い直したのはなぜ?(10月5日の開示)
メタプラネットは2026年7〜9月に、保有するビットコインのうち1万BTCを売り、その後1万1,000BTCを買い直しました。差し引き1,000BTC増え、9月30日時点の保有は44,000BTCです。10月5日の適時開示で公表されました。会社は「ビットコインを持ち続ける方針は変えていない」としています(開示)。
| 項目 | 7〜9月の数字 |
|---|---|
| 売ったBTC | 10,000BTC(平均1BTCあたり1,247万98円、総額約1,247億円) |
| 買い直したBTC | 11,000BTC(平均1BTCあたり1,362万6,928円、総額約1,499億円) |
| 差し引き | +1,000BTC |
| 保有BTC(9月30日) | 44,000BTC(6月30日は43,000BTC) |
| 平均取得単価・取得総額(9月30日) | 1BTCあたり1,555万5,717円・約6,845億円 |
| 社債・借入金・優先株から現金などを引いた額(9月30日、概算) | 約1,224億円 |
| BTCイールド(7〜9月、会社の計算) | +11.3% |
出典:メタプラネット適時開示「ビットコインの追加購入に関するお知らせ(流動性の実証を目的としたビットコインの売却・再取得の実施を含む)」(2026年10月5日)。売却・取得の金額は監査前の速報値。BTCイールドは会社が完全希薄化後の株式数で計算した数字
売った目的は、社債や借入金の合計を上回る額のビットコインを実際に現金にできることを、格付機関や債券の投資家に示すためです。開示によると、海外の同業他社の格付では、ビットコインを売らない方針の会社は、ビットコインを返済に使える資産として十分に評価されないことがあったといいます。会社は今後、信用格付の取得を目指し、社債や優先株でお金を集めやすくする考えです。売って得たお金で社債や借入金を返したわけではありません。
売った値段より買い直した値段のほうが高かったのは、売ってから買い直すまでにビットコインの価格が上がったためです(開示)。1万BTC分で比べると、約116億円多く払って買い戻した計算になります(Coin Mapの計算)。会社は、この売却で米国の税務上の損失が出たため、将来の税金を減らせる約9,700万ドル(繰延税金資産)を計上できる可能性があるとしていますが、監査法人の確認前の試算で、計上できるかどうかは決まっていません。ビットコインはもともと時価で評価しているため、この売却がそのまま新しい会計上の損失になるわけではない、とも説明しています。確定した数字は7〜9月期の決算短信で開示される予定です。
10月5日の開示の数字で、10月1日の株価(307円)とビットコイン価格(1,331万2,459円)を使って計算し直すと、保有BTCの時価は約5,857億円、単純なmNAVは約0.72倍、EV mNAVは約0.92倍です(Coin Mapの計算)。上の「mNAVの計算」の0.90倍は、7〜9月の売買が反映される前の公式トラッカーの表示によるものです。同じ条件で第27回新株予約権が行使できる目安(EV mNAV 1.01倍)を計算し直すと、株価は約344円になります。
資本配分方針の見直し:BTCは総資産の85〜90%、残りで利ざやを稼ぐ
メタプラネットは10月5日、総資産の85〜90%程度をビットコイン、10〜15%程度を「戦略投資枠」にするという資産の配分の目安を示しました(資本配分方針の見直し)。あわせて、戦略投資枠の新しい取り組みとして「ネット・インタレスト・インカム戦略」を始めると発表しています。
| 区分 | 総資産に占める目安 | 中身 |
|---|---|---|
| ビットコイン | 85〜90%程度 | 最も重要な財務資産として長期保有。BTCイールドの最大化を目指す |
| 戦略投資枠 | 10〜15%程度 | メタプラネット証券・米Super League Enterpriseなどの買収や出資、海外のビットコイン関連の優先証券などへの投資、資産運用事業 |
出典:メタプラネット適時開示「キャピタル・アロケーション・ポリシー(資本配分方針)の再改定に関するお知らせ」「ネット・インタレスト・インカム戦略の導入に関するお知らせ」(いずれも2026年10月5日)。配分比率は会社の目安で、市場環境などで変わることがあります
ネット・インタレスト・インカム戦略は、社債(BitBonds)や優先株、ビットコインを担保にした借入れで集めたお金を、他のビットコイン保有企業が出す優先証券などに投資し、受け取る利回りと調達コストの差(利ざや)を稼ぐ取り組みです。戦略投資枠のお金は、原則として普通株を新しく出さずに(今の株主の持ち分を薄めずに)集める方針です。会社は、2026年12月期の業績への影響は現時点で軽微としています。投資先の多くがビットコイン関連の会社になる可能性があるため、会社自身もビットコインの値動きの影響を受けうるとしています。
普通株の発行についても、mNAVが1倍を下回る水準では原則として行わない方針が改めて示されました。一方、すべての株主に新株予約権を割り当てるライツ・オファリングは、弱気相場でもビットコインを買う手段として使う可能性を残しています。
同じ日に、オプション取引などで稼ぐ「ビットコイン・インカム事業」の7〜9月の売上高が約8.5億円(1〜9月の累計約55.7億円)だったことも開示されました。4〜6月の約17.5億円から半分以下に減っています。会社は、通期の進み具合が当初の想定を下回っているとしつつ、8月13日に出した通期の業績予想は変えていません。
メタプラネットの株価はなぜ下がった?高値662円から半値以下になった理由
メタプラネットの株価が2025年10月の高値662円から下がったのは、ビットコインの値下がりに加えて、評価倍率(mNAV)が1倍を大きく超える水準から1倍未満まで下がったためです。1株あたりのビットコインはこの1年で増えていますが、それ以上に評価倍率の低下が効きました。
| 要素 | 2025年10月ごろ | 2026年10月1日 | 株価への影響 |
|---|---|---|---|
| ビットコイン(円) | 約1,857万円(10月6日) | 約1,331万円 | 下げ(約−28%) |
| 保有BTC | 30,823BTC(2025年9月30日) | 44,000BTC(9月30日) | 上げ(+42.8%) |
| 発行済株式数 | 約11.4億株(2025年10月28日の開示から逆算) | 約13.6億株 | 下げ(約+19%増えた) |
| 単純なmNAV(時価総額÷保有BTC時価) | 約1.3倍(10月6日の高値662円で計算した参考値) | 約0.73倍 | 大きく下げ |
出典:メタプラネット公式トラッカーの購入履歴(保有量)、適時開示「自己株式の取得状況に関するお知らせ」(2026年10月1日。2025年10月28日の取得枠1億5,000万株が発行済株式の13.13%という記載から株式数を逆算)、ビットコイン価格はCoinGecko(日本時間9時の値)。mNAVはCoin Mapの計算
保有ビットコインが約4割増え、株式数の増加(約2割)を上回ったので、1株あたりのビットコインは増えました。それでも株価が半値以下になったのは、ビットコインの下落と、評価倍率が約1.3倍から約0.73倍へ下がったことが重なったためです。2026年7月1日の安値192円の時点では、単純なmNAVは約0.61倍まで下がっていました(Coin Mapの計算)。
2026年9月に大きく下げた日と理由
| 日付 | 終値(前日比) | きっかけ |
|---|---|---|
| 9月7日 | 271円(−7.51%) | CEOの新株予約権の行使に対する株主の批判(希薄化と利益相反への懸念) |
| 9月8日 | 244円(−9.96%) | 同上 |
| 9月16日 | 235円(−6.37%) | 米上院で暗号資産の「クラリティー法案」の審議入りが否決され、ビットコインが一時7万5,000ドルを割り込んだ |
出典:株価は株探「メタプラネット(3350)時系列」。9月16日のきっかけは株探ニュース(MINKABU PRESS、2026年9月16日)、9月7〜8日の経緯は当サイトのメタプラネットCEOの新株予約権問題の記事で一次情報とともに整理しています
株価が下がる理由は、ビットコインの下落だけではありません。希薄化への不安や経営への不信で評価倍率が下がると、ビットコインが動かない日でも株価は大きく下がります。また、9月15日の開示では、2026年7月1日から9月8日までに普通株式が6,600万5,800株増えたことも示されています。
株が増える(希薄化)リスクは?新株予約権の「mNAV 1.01倍」ライン
メタプラネットには、まだ使われていない新株予約権が約3.2億株分あり、すべて使われると発行済株式(約13.6億株)の約24%にあたる株が新しく出ます。ただし、すぐに使える状態のものは限られています。
| 新株予約権 | 残りの株数 | 条件・状態 |
|---|---|---|
| 第27回(EVO FUND) | 9,473万株 | EV mNAVが1.01倍以上のときだけ行使できる。行使価額は前の取引日の終値(下限あり)。2026年7〜9月の行使は0株 |
| 第26回 | 1億736万8,000株 | 2026年9月の行使は0株 |
| 第25回 | 1,594万4,000株 | 2026年9月の行使は0株 |
| 第10回(役職員向け) | 1億536万6,000株 | 行使価額1株10円。権利が確定していない分は2029〜2031年の8月18日から3分の1ずつ行使できる(それまでは行使できない)。取得した株は2031年8月17日まで売れない |
| 第23・24回 | - | 会社の判断で行使を停止中 |
出典:メタプラネット適時開示「第27回新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ」(2026年10月1日、第25・26回の状況を含む)、「第10回新株予約権の発行要項の再変更」(2026年9月11日)、第27回新株予約権の発行に関する開示(2026年3月16日)
第10回新株予約権は、CEOへの批判を受けて、会社が9月11日に潜在株式数を41.1%(行使済みを除く残りでは55.5%)減らしたものです。経緯はメタプラネットCEOの新株予約権問題とは?で詳しく解説しています。9月18日に提出された大量保有報告書では、CEOと共同保有者の潜在株は1億2,856万4,000株から4,962万8,000株に減りました(株探)。
【2026年10月16日追記】10月14日に条件が決まった2031年満期のユーロ円建て転換社債(520億円)がすべて株に替わると、約1億5,339万株が新しく出ます。9月30日の発行済株式(自己株式を除く)の11.24%にあたります(会社の開示の数字。Coin Mapでも520億円÷転換価額339円=約1億5,339万株と計算)。株に替えられるのは2026年11月12日から2031年10月15日までで、転換価額339円は10月13日の終値261円より29.89%高い水準です(2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行条件等の決定に関するお知らせ、2026年10月14日)。会社は、転換価額を「mNAVが1倍を上回る水準」に置いたと説明しています(ゼロ・クーポン2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行に関するお知らせ、2026年10月13日。いずれも2026年10月16日確認)。また、CBを買う投資家がヘッジのために売れるよう、CEOのサイモン・ゲロヴィッチ氏が持ち株のうち最大5,500万株を、資産管理会社を通じて引受会社などに貸し出します。貸し出す株は既にある株なので、これで株の総数は増えません(10月14日の訂正後の開示)。
株価約355円が「第27回が動き出す」目安
第27回新株予約権の契約では、EVO FUNDは、会社が通知するmNAVが1.01倍以上のときにしか権利を使えません(2026年3月16日の開示)。EVO FUNDは取得した株を短期で売る方針と開示されているため、行使が始まると市場に株が出て、上値を抑える要因になりえます。
EV mNAVが1.01倍になる株価(ビットコインが1,331万円のまま)
必要な企業価値=保有BTC時価5,724億円 × 1.01 = 約5,781億円
必要な時価総額=5,781億円 −(負債・優先株から現金などを引いた額 約933億円)= 約4,849億円
株価=4,849億円 ÷ 1,364,255,696株 = 約355円
Coin Mapの計算。ビットコインが上がればこの株価も上がり、下がれば下がります。会社がEVO FUNDに通知するmNAVの計算時点・数字は開示されていないため、目安として見てください。この計算は10月1日時点の株数・負債によるものです。10月14日の買い戻しで株数は約7,398万株減り、10月29日に払い込まれる転換社債(520億円)で負債が増えるため、目安の株価は変わります(2026年10月16日追記)
9月の行使価額の表(10月1日の開示)を見ると、235円〜326円の日すべてで行使は0株でした。EV mNAVが1倍を下回っていたためと考えられます。
自己株買い:750億円の枠は0株で終わり、10月14日に約193億円を買い戻し
メタプラネットは2025年10月28日に、最大1億5,000万株・750億円まで自社の株を買える枠を決めていましたが、この枠で買った株は最後まで0株のまま、期限前の2026年10月13日に終了しました(期限は10月28日)。会社は、mNAVが1倍を下回る時期もあった一方で、借入金などを使ったビットコインの購入やM&A(メタプラネット証券の取得、Super League Enterprise, Inc.への投資)を優先したこと、重要な未公表情報を持っていた期間は市場で買うのが実務上難しかったことを理由に挙げています(自己株式の取得状況及び取得終了並びに自己株式の取得枠設定に関するお知らせ、2026年10月13日、10月16日確認)。
同じ日に、2027年10月13日までに最大2億株・600億円まで買える新しい枠を決めました。このうち約253億円分は、転換社債(CB)の発行で株の売り買いのバランスが一時的に崩れるのを和らげる目的で、10月14日に東証の立会外取引(ToSTNeT-3)で買うとしていました(ToSTNeT-3による自己株式の買付けに関するお知らせ、2026年10月13日)。実際に買えたのは7,398万1,400株、1株261円、総額約193億円です(ToSTNeT-3による自己株式の取得結果に関するお知らせ、2026年10月14日)。9月30日の発行済株式(自己株式を除く1,364,255,696株)の約5.4%にあたります(Coin Mapの計算)。
| 項目 | 内容(2026年10月13・14日の開示) |
|---|---|
| 転換社債(CB)の発行額 | 520億円。利息なし(ゼロ・クーポン)、満期は2031年10月29日(額面の100%で返す) |
| 払込(発行)日 | 2026年10月29日 |
| 転換価額 | 339円(10月13日の終値261円より29.89%高い) |
| 株に替えられる期間 | 2026年11月12日〜2031年10月15日 |
| 手取金(約519億円)の使い道 | 借入金の返済 約236億円(2026年11月)、自己株式の取得 最大約283億円(2026年10〜12月。使い残しは市場での追加の買い戻しか借入金の返済に充てる) |
| 新しい自己株買いの枠 | 最大2億株・600億円(2026年10月14日〜2027年10月13日、東証での買付) |
| 10月14日の買い戻し | 7,398万1,400株・1株261円・総額193億914万5,400円(ToSTNeT-3) |
出典:メタプラネット適時開示「ゼロ・クーポン2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行に関するお知らせ」「自己株式の取得状況及び取得終了並びに自己株式の取得枠設定に関するお知らせ」「ユーロ円CB発行及び自己株式取得に関する補足説明資料」(いずれも2026年10月13日)、「発行条件等の決定に関するお知らせ」「ToSTNeT-3による自己株式の取得結果に関するお知らせ」(いずれも2026年10月14日)。2026年10月16日確認
返す借入金は、ビットコインを担保にした最大8億ドルの借入枠のうち、2026年9月30日時点で借りている約6.5億ドルの一部です。CBは会計上は負債なので、発行した直後は負債の合計がかえって増えると会社自身が書いています。ねらいは、利息がかかりビットコインを担保に取られる借入を、利息のない無担保のお金に置き換えることだと説明しています(発行に関するお知らせ)。
また、9月11日には、12月18日の臨時株主総会で資本金と資本準備金を減らす議案を出すと発表しました。株の数は変わらず、目的は「将来の優先株の配当や自己株式の取得をしやすくするため」と説明されています。
ビットコインに投資するなら株・現物・ETFのどれ?
ビットコインの値動きだけを取りたいなら現物、会社の戦略と「てこ」の効いた値動きを取りたいなら株、という違いがあります。ビットコインの現物ETFは、2026年10月時点で日本では買えません。
| 比べる点 | メタプラネット株 | ビットコイン現物(国内の登録業者) | ビットコインETF |
|---|---|---|---|
| BTCとの連動 | △ 約1.2倍+評価倍率で上下にぶれる | ◎ そのまま | ◎ ほぼそのまま |
| 会社のリスク | × 希薄化・負債・経営判断の影響を受ける | ○ 取引所の倒産・不正アクセスのリスクはある | ○ 運用会社に預ける |
| 税金(利益が出たとき) | ○ 20.315%の申告分離課税 | △ 雑所得の総合課税で最大55%(分離課税は導入予定) | - |
| NISA | ◎ 成長投資枠で買える(証券会社の取扱による) | × 対象外 | - |
| 取引できる時間 | △ 平日9:00〜15:30(PTSを除く) | ◎ 24時間365日 | - |
| 最低いくらから | ○ 100株単位で約3万700円(10月1日終値) | ◎ 少額から(最低額は取引所ごと) | - |
| 日本で買えるか | ◎ 東証に上場 | ◎ 金融庁に登録した交換業者で買える | × 国内では未解禁。米国のETFも主要ネット証券では買えない |
出典:国税庁(上場株式等の譲渡所得の税率、暗号資産の雑所得)、各証券会社の取扱方針(SBI証券は米国のビットコイン現物ETFを採用不可銘柄としている)、CoinPost「ビットコインETFとは」。ETFの国内解禁は2027〜2028年ごろと報道されています
暗号資産の利益に20%の分離課税を導入する方針は決まっていますが、いつの取引から適用されるかは仮想通貨の分離課税はいつから?で整理しています。米国のビットコインETFへの資金の動きはビットコインETFに1日で約1,570億円流入で取り上げました。
30万円で比べると:値動きと税金の違い
30万円をメタプラネット株とビットコイン現物に入れた場合の計算です。株は評価倍率が10月1日のまま変わらないと仮定しています。
| ケース | メタプラネット株 | ビットコイン現物 |
|---|---|---|
| BTCが+20% | 約+7万3,500円(+24.5%) | +6万円(+20%) |
| BTCが−20% | 約−7万3,500円(−24.5%) | −6万円(−20%) |
| 利益10万円にかかる税金 | 2万315円(NISAなら0円) | 課税所得500万円の会社員なら約3万420円(所得税20.42%+住民税10%) |
Coin Mapの計算。売買手数料は含みません。税率は2026年10月時点の制度。暗号資産の税額は所得によって変わります
株は税金とNISAで有利な一方、会社の判断で株が増えるリスクと、評価倍率が下がるリスクがあります。ビットコインそのものは会社の判断に左右されませんが、利益が出たときの税金は今のところ重くなります。どちらが合うかは、持つ期間と、自分が何のリスクを取りたいかで決まります。
ビットコインを直接持つなら:国内の登録業者で買う
ビットコインそのものを持つなら、金融庁に登録した国内の暗号資産交換業者で買えます。たとえばOKJ(オーケーコイン・ジャパン、関東財務局長第00020号)では、日本円でビットコインを買えます。同じビットコインでも「販売所」と「取引所」で実際のコストが変わるので、買う前に販売所と取引所の違いは?10万円のビットコインで約3,000円の差を確認してください。
紹介特典(2,000円分のビットコイン)の受け取り条件は、リンク先の「紹介特典の受け取り方」で解説しています。
Coin MapはOKJと紹介提携をしています。メタプラネット株を含め、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。
メタプラネット株の今後の予定は?日付が決まっているもの
メタプラネット株の今後で日付が決まっているのは、10月29日の転換社債(CB)の払込、11月12日からの株への転換の開始、12月18日の臨時株主総会です。10月28日が期限だった自己株買いの枠は10月13日に終わり、2027年10月13日までの新しい枠に替わりました。ビットコインの購入や資金調達は、決まりしだい適時開示で発表されます。
| 日付 | 予定 |
|---|---|
| 毎月1日ごろ | 新株予約権の月間行使状況、自己株式の取得状況の開示(何株増えたか・買ったかが分かる) |
| 2026年10月29日 | 転換社債(CB)520億円の払込(発行)。手取金のうち約236億円は11月に借入金の返済、最大約283億円は10〜12月の自己株式の取得に充てる予定 |
| 2026年11月12日 | CBを株に替えられる期間が始まる(転換価額339円、2031年10月15日まで) |
| 日程は未発表 | 2026年7〜9月期の決算(1万BTCの売却・1万1,000BTCの買い直しの会計処理、繰延税金資産約9,700万ドルを計上できるか、BTC価格の上昇で評価損益がどう変わるか) |
| 2026年12月16日(予定) | 資本金の減少に対する債権者の異議の最終期日 |
| 2026年12月18日(予定) | 臨時株主総会(バーチャルのみ。基準日は9月30日)。資本金・資本準備金の減少を決議 |
| 2026年12月30日(予定) | 資本金・資本準備金の減少の効力発生 |
| 2027年10月13日 | 新しい自己株式の取得枠(最大600億円・2億株)の期限 |
出典:メタプラネット適時開示「自己株式の取得状況に関するお知らせ」(2026年10月1日)、「臨時株主総会の開催並びに資本金、資本準備金の額の減少及び剰余金の処分に関するお知らせ」(2026年9月11日)、「自己株式の取得状況及び取得終了並びに自己株式の取得枠設定に関するお知らせ」(2026年10月13日)、「2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行条件等の決定に関するお知らせ」(2026年10月14日)。2026年10月16日確認
MSCIの指数から外れる可能性は?11月11日に最終リスト
メタプラネットは、MSCIが2026年10月16日(日本時間)に公表した暫定リストで、指数からの「除外(Deleted)」の候補に入っています。除外が決まるかどうかは、11月11日に発表される最終リストで確定します(MSCIの協議結果の告知、2026年10月15日20時48分GMT=日本時間10月16日5時48分。2026年10月16日確認)。
MSCIは、世界中の機関投資家やETFが運用の目安にしている株価指数の会社です。今回決めたのは、投資ファンドのように実質的な事業を持たない会社(非事業会社)を、MSCIの世界株の指数(MSCI GIMI)に入れないというルールです。判定は2段階で、まず事業に使う資産を十分に持っているかを見て、満たさない会社は5つの財務比率のうち4つ以上に当てはまると対象外になります。すでに指数に入っている会社は、直近2回の年次決算の両方で当てはまった場合にだけ外されます(直近の中間決算を使うこともあるとしています)。
| MSCIの暫定リスト | 内容 |
|---|---|
| メタプラネットの扱いの候補 | 除外(Deleted)。今の区分は小型株(Small Cap) |
| リストの銘柄数 | 22銘柄(除外の候補5、監視(on Watchlist)17)。日本の銘柄はメタプラネットだけ |
| ほかの除外の候補 | ストラテジー(米国)、イエローケーキ(英国、ウランを保有)、スケル(アイスランド)、アペクシ(米国) |
| メタプラネットの時価総額 | 約10億ドル(浮動株で調整すると約8億ドル)。2026年10月9日時点のMSCIの値 |
| 判定に使った財務データ | 2026年9月30日時点 |
出典:MSCI「List of MSCI GIMI Securities Potentially Impacted by the Non-Operating Screening Methodology」(Excel、MSCIの協議ページに掲載)。銘柄数はCoin MapがExcelの行を数えたもの。時価総額は百万ドル単位の値を丸めた。2026年10月16日確認
除外されると、なぜ売りが出うるのか:指数に連動するファンド(インデックスファンドやETF)は、指数に入っている銘柄を指数と同じ割合で持ちます。銘柄が指数から外れると、そうしたファンドは反映日に合わせてその株を売る必要が出ます。売りの量は、その指数に連動する資金の大きさと、指数の中での銘柄の割合で決まります。一方で、発表から反映までの間に先回りの売買が入り、値動きに前もって表れることもあるため、反映日に必ず株価が下がるとは限りません。また、指数から外れても、会社が持つビットコインの量は変わりません。メタプラネット株を連動ファンドがどれだけ持っているかは、今回のMSCIの資料には載っていません。
| 日付 | MSCIの予定・出来事 |
|---|---|
| 2026年8月3日 | 非事業会社を指数の対象外にする案について、意見募集(協議)を発表 |
| 2026年10月16日 5時48分(日本時間) | 協議の結果を発表し、新しいルールの採用を決定。影響を受けうる銘柄の暫定リストを公表(メタプラネットは除外の候補) |
| 2026年11月11日 | 11月の定期見直しの発表で、最終リストを公表(ここで除外が確定するかが分かる) |
| 2026年11月30日の取引終了時点 | 新しいルールを指数に反映。あわせて、暗号資産が総資産の50%以上の会社に続けてきた暫定措置(株数の増加などを指数に反映しない凍結、新規採用や規模区分の移動の先送り)を終える |
出典:MSCI「MSCI Announces Results of the Consultation on the Eligibility of Non-Operating Companies in the MSCI Global Investable Market Indexes」(2026年10月15日20時48分GMT)。2026年10月16日確認。日本時間への換算はCoin Mapによる
指数からの除外が株価にどれだけ影響するかは、この記事では予想しません。11月11日の最終リストと、会社からの開示を確かめてください。
株価を見るときに確かめたい3つの数字
- ビットコインの価格:株価の土台。円建てで見る(円安・円高でも保有BTCの円での時価が変わる)
- EV mNAV:公式トラッカーで確認できる。1.01倍を超えると第27回新株予約権が行使できるようになり、株が増える可能性がある
- 保有BTCと発行済株式数:ビットコインの購入と新株の発行が開示されたら、1株あたりのビットコインが増えたか減ったかを確かめる
株価が今後どこまで上がるか、いつ上がるかは誰にも分かりません。この記事では株価の予想はせず、判断に使える仕組みと数字だけを示しています。
よくある質問
メタプラネットはどんな会社?いつからビットコインを持っている?
メタプラネット(3350)は、ビットコインを会社の財務の中心に置いて保有する東証スタンダード上場の会社です。最初のビットコイン購入は2024年4月23日の97.85BTCで、2026年6月30日までに54回買い、保有量は43,000BTCになりました(公式トラッカー)。7〜9月には1万BTCを売って1万1,000BTCを買い直し、9月30日時点の保有は44,000BTCです(2026年10月5日の開示)。ビットコインのオプション取引などで収益を得る「ビットコイン・インカム事業」も行っています。
メタプラネットのmNAVとは?
mNAVは、会社の値段が保有ビットコインの時価の何倍かを表す数字です。メタプラネットが使うEV mNAVは「企業価値(時価総額+負債+優先株−現金など)÷保有ビットコインの時価」で、2026年10月1日は約0.9倍でした。時価総額だけで割る単純なmNAVは約0.73倍です。
メタプラネットの株価はなぜビットコイン以上に動く?
負債と優先株(計970億円)があるため、保有ビットコインの値上がり・値下がりが普通株の価値に大きめに乗るからです。評価倍率が同じなら約1.2倍の幅で動き、評価倍率もビットコインと同じ方向に動きやすいため、実際の値動きはさらに大きくなることがあります。
メタプラネット株はやばい?危険?
メタプラネットは東証に上場し、適時開示と監査を受けている会社です。一方で、株価はビットコインより大きく上下し、2025年10月の高値662円から2026年7月には192円まで下がりました。新株予約権による株の増加、負債と優先株、ビットコインの評価損が決算に出ることも、株を持つときのリスクです。
メタプラネットの株価が上がらない(上がりにくい)理由は?
理由として数字で確かめられるのは3つです。1つ目は、評価倍率(EV mNAV)が約0.9倍と1倍を下回っていること。2つ目は、2026年6月30日のあと株の発行によるビットコインの買い増しが止まり、7〜9月の保有の純増は1,000BTCにとどまった一方で株が増え、発行済株式数で割った1株あたりのビットコインが約4%減ったこと。3つ目は、EV mNAVが1.01倍を超えると第27回新株予約権(9,473万株分)が行使できるようになり、株価が上がると新しい株が市場に出やすい仕組みになっていることです。
メタプラネット株の税金は?
メタプラネット株の売却益と配当には、通常の上場株と同じく20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかり、ほかの所得と分けて計算します(国税庁)。NISA口座で買った場合は非課税です。ビットコインそのものの売却益は雑所得で、ほかの所得と合計して税率が決まります。
東証が閉まった後もメタプラネット株は売買できる?
東証の取引時間(平日9:00〜15:30)の後も、PTS(私設取引システム)に対応した証券会社なら売買できる場合があります。10月1日は東証の終値307円に対し、15時42分のPTSの価格は306.7円でした(株探)。夜間にビットコインが大きく動くと、PTSの価格や翌朝の始値に反映されやすくなります。
メタプラネットの優先株とは?
メタプラネットは普通株とは別に優先株を発行しており、残高は236億円です(公式トラッカー)。優先株は普通株より先に配当などを受ける権利がある株で、企業価値やmNAVの計算では負債と同じように差し引かれる側に入ります。
メタプラネット株はNISAで買える?
メタプラネットは東証スタンダードの上場株なので、NISAの成長投資枠で買えます(取り扱いは各証券会社の条件による)。NISA口座で得た売却益と配当は非課税です。ビットコイン現物はNISAの対象外です。
ビットコインジャパン(8105)とメタプラネットは同じ会社?
違う会社です。東証スタンダードの「Bitcoin Japan株式会社(8105)」は、旧社名が堀田丸正で、米国のBakktが主要株主です。メタプラネットには「ビットコインジャパン株式会社」という非上場の子会社があり、名前が似ているため混同されやすくなっています。
メタプラネットの株価はいつ上がる?今が買い時?
Coin Mapは株価の予想や売買のタイミングの助言はしません。判断の材料として、ビットコインの価格、EV mNAV(1.01倍を超えると新株予約権が行使できる)、ビットコインの購入と新株の発行の開示の3つを、日付つきで確かめることをおすすめします。
まとめ(2026年10月1日時点)
- メタプラネット(3350)の10月1日の終値は307円(+21円、+7.34%)、出来高は2,208万9,000株
- 株価は「ビットコインの価格×1株あたりのビットコイン×評価倍率(mNAV)」で動く。負債と優先株970億円があるため、ビットコインの約1.2倍の幅で動く
- 10月1日の上昇は、BTC上昇分が約2.6%、残りはEV mNAVの上昇(約0.86倍→約0.89倍)
- 保有は44,000BTC(9月30日、時価約5,857億円)、平均取得単価は1,556万円。7〜9月に1万BTCを売り1万1,000BTCを買い直した(格付取得に向けて現金化できることを示すため)
- 10月5日に資本配分方針を見直し、BTCは総資産の85〜90%、10〜15%は利ざやを稼ぐ投資などに充てる
- 新株予約権は計約3.2億株分。第27回(9,473万株)はEV mNAV 1.01倍以上で行使でき、BTCが今の価格なら株価約355円が目安
- 750億円の自己株買い枠は0株のまま10月13日に終了。新しい600億円の枠で10月14日に7,398万株(約193億円)を買い戻し、転換社債520億円(転換価額339円、すべて株になると約1億5,339万株)を10月29日に発行。12月18日に臨時株主総会
本記事のデータは2026年10月1日時点です(株価・出来高は同日の終値、ビットコイン価格は同日15時、負債などはメタプラネット公式トラッカーの16時台の表示)。「【10月9日追記】」の株価は10月8日の終値、ビットコイン価格は10月9日朝(CoinGecko)の数値です。「【10月16日追記】」と自己株買い・転換社債の数字は、2026年10月13日・14日の適時開示(10月16日確認)によります。「【10月16日追記:MSCI】」とMSCIの節は、2026年10月15日20時48分GMTのMSCIの告知と暫定リスト(2026年10月16日確認)によります。保有量と7〜9月の売買は2026年10月5日の適時開示で更新しました。本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。
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