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メタプラネットCEOの新株予約権問題とは?6,403万株取得への批判と潜在株式41%削減の経緯【2026年9月】

メタプラネットCEOの新株予約権問題とは?6,403万株取得への批判と潜在株式41%削減の経緯【2026年9月】 相場・ニュース

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ビットコイン保有戦略で知られる東証上場企業メタプラネット(3350)のサイモン・ゲロヴィッチCEOが2026年9月6日、X(旧Twitter)で「コミュニケーションと透明性」について投稿し、株主から寄せられていた批判に応える姿勢を示した。この投稿は公開から短時間で日本のXトレンド入りし、110件以上のポストを集めている。

背景にあるのは、CEO自身による新株予約権(ストックオプション)の行使と、それに伴う「既存株主の希薄化」「経営陣との利益相反」への懸念だ。何が起きたのか、なぜ批判が出ているのか、CEOは何を約束したのかを時系列で整理する。

この記事の結論

メタプラネット(3350)のゲロヴィッチCEOは2026年9月6日、第10回新株予約権と自身の6,403万株の取得をめぐる株主の批判に対し、Xで説明不足を認め、透明性を高めると表明しました。その後9月11日、同社は第10回新株予約権の潜在株式数を3億1,946万4,000株から1億8,819万株へ41.1%減らし、長期役職員インセンティブ・プランへの移管方針を白紙撤回すると適時開示しました。行使価額(1株10円)と2031年8月17日までのロックアップは変わりません。

本記事は同社の適時開示とCEOの投稿にもとづき、9月11日の再変更までの続報と、2026年10月9日に確認したその後の開示(CFOの交代、9月の新株予約権の行使状況、自社株買いの状況、有価証券報告書の訂正)を追記しています。

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何が起きたのか:8月の2つの開示と9月の批判

メタプラネットは2026年8月18日付の適時開示で、第10回新株予約権の発行要項を一部変更したと発表した。従来は完全希薄化後の発行済株式総数に連動して潜在株式数が調整される条項が設けられていたが、これを廃止し、潜在株式数を319,464,000株に固定することを決議している。行使価額は1株10円だ。あわせて、新株予約権を保有する役職員が権利行使で取得した株式を原則2031年8月17日まで売却・譲渡しないロックアップ契約の締結や、長期役職員インセンティブ・プランへの一部移管方針も発表された。

続く8月28日には、ゲロヴィッチCEOが自身の保有する新株予約権9万2000個を行使し、普通株式6,403万2,000株を新たに取得したことが判明した(8月31日の報道)。これによりCEOの個人保有株式は1,555万5,500株から7,958万7,500株に増加している。取得した株式にも同様に2031年8月17日までのロックアップが適用される。

この2件の開示が重なったことで、SNS上では「増資による希薄化と経営陣の利益に利益相反があったのではないか」という指摘が広がり、この1週間で批判・質問がCEOに多数寄せられる状況になっていた。

なぜ「希薄化」が問題視されるのか

メタプラネットはビットコイン購入資金を調達するため、新株予約権(MSワラント)や海外公募増資を繰り返し実施してきた。新株予約権とは、あらかじめ定めた価格で将来株式を取得できる権利のことで、株価が上昇するほど保有者の経済的利益が大きくなる仕組みになっている。役員に付与すれば経営陣のモチベーション強化につながる一方、権利行使によって株式数が増えれば、既存株主1人あたりの持ち分価値は理論上薄まる。

今回の批判の中心も、まさにこの構造にある。CEOが自ら新株予約権を行使して大量の株式を取得したことについて、SNS上では「行使価格が低い水準で株式を手に入れて利益を得ているのではないか」という声が上がった。一方で「その批判はやや粗い」としつつも、「増資による希薄化と経営陣の利益に利益相反があったのでは、というフィードバックは妥当」と冷静に整理する投資家の意見も目立っている。

8月から9月にかけての動きを時系列で並べると、次のとおりだ。

日付出来事出典
2026年8月18日第10回新株予約権の発行要項を変更。潜在株式数を319,464,000株(1個696株)に固定し、調整条項を廃止。ロックアップ契約と長期インセンティブ・プランへの一部移管方針も公表適時開示
2026年8月28日CEOが新株予約権9万2,000個を行使し、普通株式6,403万2,000株を取得報道(8月31日)
2026年9月6日CEOがXで説明不足を認め、透明性の向上を表明CEOのX投稿
2026年9月7〜8日株価が2営業日で約17%下落Blockhead
2026年9月11日潜在株式数を188,190,000株(1個410株)へ41.1%削減。長期インセンティブ・プランへの移管方針(最大9万個)を撤回。未確定分は2029〜2031年まで行使不可に適時開示
2026年9月11日同じ日に執行役を異動。資本市場・IR担当の奥野晋平氏がCFOに就き、財務戦略・資本政策・資金調達・IRを統括適時開示
2026年10月1日9月の第三者割当の新株予約権(第25〜27回)による株の交付は0株。自社株買いの枠(上限1億5,000万株・750億円、10月28日まで)による9月の取得も0株適時開示
2026年10月2日過去の有価証券報告書を訂正。CEOがMMXX Ventures Limitedの議決権の過半数を持つとしていた記載を「過半数は持っていない」に改めた訂正有価証券報告書
2026年10月5日7〜9月に1万BTCを売り、1万1,000BTCを買い直したと開示(9月30日の保有は44,000BTC)適時開示

8月時点の要点は次の3つに整理できる。

  • 2026年8月18日:第10回新株予約権の発行要項を一部変更、潜在株式数を319,464,000株に固定(希薄化調整条項は廃止)。ロックアップ契約・長期インセンティブ・プランへの一部移管も発表
  • 2026年8月28日:CEOが新株予約権9万2000個を行使し、普通株式6,403万2,000株を取得。個人保有は7,958万7,500株に
  • 取得株式には2031年8月17日までのロックアップが設定され、短期的な売却はできない

CEOは何を約束したのか

ゲロヴィッチCEOは9月6日の投稿で、「この1週間、私と同僚たちは皆さんが共有してくださった質問、フィードバック、批判を読み込むのに多くの時間を費やした」と述べ、株主の懸念に真摯に向き合う姿勢を示した。この投稿自体は具体的な制度変更の発表ではなく、「コミュニケーションと透明性を改善する」という方向性の表明にとどまっており、投資家の間では「残りの第10回新株予約権をどう扱うのか」「今後、希薄化を伴う資金調達をどう抑制するのか」といった、より具体的な開示を求める声も出ている。

メタプラネット側は、これまでの資金調達について「市場株価に対してプレミアムを付した水準で実行しており、単なる希薄化を伴う増資ではなく、1株あたりのビットコイン保有量を最大化するために設計された資本政策」と説明してきた。ただ、Blockheadによると、投稿後も株価は2営業日で約17%下落し、投資家の不安はすぐには収まらなかった。

【続報】9月11日、潜在株式数を41%削減──何が変わった?

メタプラネットは2026年9月11日の適時開示で、第10回新株予約権の潜在株式数を3億1,946万4,000株から1億8,819万株へ、41.1%減らすと発表した。新株予約権1個あたりの株式数を696株から410株に減らし、算定の基準日を2026年6月30日から2025年9月1日に改めた。行使済みの分を除いた残りの潜在株式数は55.5%減る。

あわせて、8月18日に示した「新株予約権の一部(最大9万個)を長期役職員インセンティブ・プランへ移す」方針は撤回された。まだ権利が確定していない分は3分の1ずつ、2029年・2030年・2031年の8月17日まで行使できず、それぞれ8月18日から行使できるようになる。一方で、1株10円の行使価額と、2031年8月17日までのロックアップは変わらない。同社は、2025年9月以降の資金調達はmNAV(企業価値の純資産価値に対する比率)が1倍を小幅に上回る水準で行われ、それ以前に比べて株主価値への寄与が小さかったことを、基準日を見直した理由に挙げている。

項目8月18日の変更後9月11日の再変更後
新株予約権1個あたりの株式数696株410株
潜在株式数の総数319,464,000株188,190,000株(41.1%減)
行使済み分を除いた残りの潜在株式数236,640,000株105,366,000株(55.5%減)
算定の基準日2026年6月30日時点の発行済株式数2025年9月1日時点の発行済株式数
権利未確定分の行使時期2026〜2028年に3分の1ずつ3分の1ずつ2029年8月18日・2030年8月18日・2031年8月18日から
長期役職員インセンティブ・プランへの移管最大9万個を移管する方針撤回(新たな株式報酬制度を別途検討)
行使価額・ロックアップ1株10円、2031年8月17日まで変更なし
出典:メタプラネット適時開示(2026年9月11日)

9月6日に「透明性の向上」を約束してから5日後に、具体的な数字を伴う見直しが出た形だ。ただし、残りの新株予約権が行使されれば希薄化が起きる構造そのものは残っており、今後の資金調達の方針にも引き続き注目が集まる。

その後どうなった?10月9日時点の開示で分かること

9月11日の見直しのあと、第10回新株予約権の条件を変える適時開示は出ていません(2026年10月9日、同社の開示一覧で確認)。一方で、資本政策を担う体制と、希薄化に関わる数字には動きがありました。

項目10月9日時点で分かること出典
資本政策の担当9月11日付で、資本市場・IR担当の奥野晋平氏がCFO(財務戦略・資本政策・資金調達・IRを統括)に就任。前CFOの王生貴久氏は管理本部長に適時開示(9月11日)
第三者割当の新株予約権(9月)第27回(EVO FUND向け)の交付は0株。未行使は94万7,300個(9,473万株分)。第25回・第26回も0株適時開示(10月1日)
発行済株式数(9月30日)13億6,428万2,624株(うち自己株式2万6,928株)適時開示(10月1日)
自社株買い上限1億5,000万株・750億円の取得枠(期間は2026年10月28日まで)で、9月の取得は0株、累計も0株適時開示(10月1日)
有価証券報告書の訂正CEOとMMXX Ventures Limitedの関係を確認し直し、「CEOがMMXXの議決権の過半数を保有」という記載を訂正。MMXXは関連当事者の「役員等が議決権の過半数を所有する会社等」に当たらないとした訂正有価証券報告書(10月2日)
ビットコイン7〜9月に1万BTCを売り、1万1,000BTCを買い直した。9月30日の保有は44,000BTC適時開示(10月5日)
出典:執行役の異動(9月11日)、第27回新株予約権の月間行使状況(10月1日)、自己株式の取得状況(10月1日)、訂正有価証券報告書・第27期(10月2日)。2026年10月9日確認

9月は、第三者割当の新株予約権による新しい株の交付が0株で、この1か月に限れば新株予約権による株数の増加は起きていません。ただし未行使の新株予約権は残っており、条件がそろえば行使される可能性があります。自社株買いの枠は10月28日に期限を迎え、9月末までの取得は0株です。10月5日のビットコインの売却・再取得の理由と、株価・mNAVへの影響はメタプラネット株価はなぜビットコインと連動する?で解説しています。

読者が押さえておくべきポイント

メタプラネットの株式やビットコイン保有戦略に関心を持つ読者にとって、今回の一件は「上場企業のビットコイン・トレジャリー戦略には、株式の希薄化という副作用が伴いうる」ことを示す具体例といえる。ビットコインそのものへの投資と、ビットコインを保有する企業の株式への投資は、リスクの性質が異なる。企業株の場合、資本政策(増資・新株予約権の発行)によって株主価値が変動しうる点は、ビットコインを直接保有する場合にはない固有のリスクだ。なお、東証スタンダードのBitcoin Japan株式会社(8105)は、メタプラネットの子会社「ビットコインジャパン株式会社」とは別の会社で、その違いはビットコインジャパン(8105)とは?メタプラネットとの違いで整理している。ビットコインを直接保有する場合は、国内の登録業者か海外取引所かで利用者保護の範囲が大きく違う。取引所ごとの違いは海外仮想通貨取引所の比較ランキングで整理している(海外取引所は日本の登録業者ではない)。

CEOが予告した「透明性向上」は、9月11日の潜在株式数の削減という形で具体化した。今後の焦点は、残りの新株予約権の行使状況と、希薄化を伴う資金調達をどう抑えるかだ。続報が出た場合は本記事を更新する(本記事のデータは2026年10月9日時点)。

まとめ:メタプラネットCEOは2026年9月6日、8月の新株予約権行使(6,403万株取得)を巡る株主からの希薄化批判に対し、透明性向上を約束する投稿を行いXでトレンド入りした。その後9月11日、同社は第10回新株予約権の潜在株式数を41.1%減らし、長期インセンティブ・プランへの移管方針を撤回した。本記事は投資助言を目的としたものではなく、投資判断は自己責任で行うこと。

メタプラネットの株価がビットコインとどう連動するかは、メタプラネット株価はなぜビットコインと連動する?で、評価倍率(mNAV)の計算式とあわせて解説しています。

メタプラネットCEOと新株予約権についてよくある質問

メタプラネットのCEOは誰?

メタプラネット(東証スタンダード、証券コード3350)の代表執行役CEOは、サイモン・ゲロヴィッチ氏です。2026年9月11日からは、奥野晋平氏が執行役CFOとして財務戦略・資本政策・資金調達・IRを統括しています(同社の適時開示)。

新株予約権とは?なぜ株主から批判が出た?

新株予約権は、決められた価格で将来株を取得できる権利です。メタプラネットの第10回新株予約権の行使価額は1株10円で、CEOが8月28日に行使して6,403万2,000株を取得しました。行使で株数が増えると、既存の株主1人あたりの持ち分は理論上薄まる(希薄化)ため、「希薄化と経営陣の利益が相反しているのでは」という批判が出ました。

CEOが取得した株はすぐに売れる?

売れません。第10回新株予約権の行使で取得した株には、原則2031年8月17日まで売却・譲渡しないロックアップがかかっています。9月11日の見直しでも、このロックアップは変わっていません。

その後、新株予約権による株数の増加は続いている?

2026年9月は、第三者割当の新株予約権(第25〜27回)による株の交付が0株でした(10月1日の適時開示)。9月30日時点の発行済株式数は13億6,428万2,624株です。未行使の新株予約権は残っているため、今後の行使状況は毎月の開示で確かめる必要があります。

10月2日の有価証券報告書の訂正とは?

メタプラネットは2026年10月2日、過去の有価証券報告書などの訂正報告書を出しました。第27期の訂正報告書の提出理由によると、ゲロヴィッチCEOとMMXX Ventures Limitedの関係を確認し直した結果、「同氏がMMXXの議決権の過半数を保有している」という記載が誤りで、MMXXは「役員とその近親者が議決権の過半数を所有する会社等」(関連当事者)に当たらないとして、関連当事者の情報を訂正しました。

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