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仮想通貨で不動産は買える?国交省が「疑わしい取引」の事例に暗号資産を追加へ|不動産会社の確認・税金・注意点【2026年10月最新】

ビットコインで家を買う人と、書類を確かめる不動産会社の窓口のイラスト 相場・ニュース

国土交通省が、不動産会社(宅地建物取引業者)向けの「疑わしい取引の参考事例」の改定案に、「暗号資産を用いた取引を希望する場合」を新しく加えました。マネー・ローンダリング(資金洗浄)対策で、改定後のチェックリストは2026年10月をめどに通知・施行される予定です(国土交通省の2026年9月3日付の事務連絡、2026年10月19日確認)。10月18日には共同通信が改定案の内容を報じています(東京新聞に掲載された共同通信の記事)。

「じゃあ仮想通貨で家は買えなくなるの?」「ビットコインで払ったら税金は?」という疑問に、国交省・金融庁・国税庁の資料と法律の条文から答えます。

この記事の結論(2026年10月19日時点)

  • 仮想通貨(暗号資産)で不動産を買うことは、法律で一律に禁止されてはいません。ただし受け取るかどうかは売主しだいで、今回の改定で、暗号資産での支払いを希望すると不動産会社が「疑わしい取引」として届け出る対象の例になります
  • 届け出があっても契約はでき、届け出たことは本人に知らされません(国交省の事務連絡・犯罪収益移転防止法 第8条4項)。改定はまだ「案」で、10月19日時点で業界のチェックリストには反映されていません
  • 不動産会社などが暗号資産を円に換える役をすると、登録の要る「暗号資産交換業」に当たる可能性があると、金融庁など4省庁が注意を出しています
  • 暗号資産で物件代金を払うと、その時点で暗号資産を売ったのと同じ扱いになり、値上がり分に税金がかかります(国税庁FAQ)。不動産を買っても税金は減りません
  • 「仮想通貨で物件が買える」とうたう勧誘は、宅建業の免許と暗号資産交換業の登録の両方を公的な名簿で確かめてから話を聞く

国交省は何を変える?「暗号資産を用いた取引を希望する場合」を疑わしい取引の事例に追加へ

国交省の改定案は、不動産会社が「疑わしい取引」かどうかを判断する目安の事例に、暗号資産での取引の希望を加えるものです。暗号資産で払うこと自体を禁止するルールではありません。

不動産会社は、犯罪収益移転防止法(犯収法)の「特定事業者」です(犯罪収益移転防止法 第2条2項42号、e-Govで2026年10月19日確認)。取引で受け取るお金が犯罪の収益である疑いがあると判断したときは、行政庁に届け出る義務があります(同法 第8条1項)。その判断の目安が、国交省の「不動産の売買における疑わしい取引の参考事例」と、業界団体がそれをもとに作る「チェックリスト」です。

改定案に入った文言は?第1の5番目に「暗号資産を用いた取引を希望する場合」

改定案(9月3日付の事務連絡の別紙2)では、「第1 現金の使用形態に着目した事例」の5番目に、「暗号資産を用いた取引を希望する場合」が【新規追加】として入りました。4番目にも「上記1〜3の場合で、金融機関を介さない取引を希望する場合」が新しく加わっています。

国土交通省の不動産の売買における疑わしい取引の参考事例(案)の第1 現金の使用形態に着目した事例。4 上記1〜3の場合で、金融機関を介さない取引を希望する場合【新規追加】と、5 暗号資産を用いた取引を希望する場合【新規追加】の2行が赤枠で囲まれている
改定案の「第1 現金の使用形態に着目した事例」に、暗号資産での取引の希望(5)と、金融機関を通さない取引の希望(4)が【新規追加】と書かれていることが分かります(出典:国土交通省 事務連絡(2026年9月3日)別紙2の3ページ、2026年10月19日取得・赤枠は当サイト。原文の赤字は原文の色のまま)

暗号資産の項目が「現金の使用形態」の分類に置かれたのは、現金と同じように、銀行を通さずにお金の出どころが見えにくくなる支払い方として扱われているためと読めます。4月28日の4省庁の要請文も「その移転が国境を越えて瞬時に行われる性質を有する暗号資産は、マネー・ローンダリング等を目的として不動産取引の決済方法として利用される危険性が高いと思われます」と書いています(後述)。

なお、改定案の冒頭には「これらの事例に形式的に合致するものがすべて疑わしい取引に該当するものではない」「疑わしい取引に該当しない明確な根拠がある等の合理的な理由がある場合はこの限りではない」とも書かれています。一方で「該当するか明確でなく判断に迷う場合や、一つでも該当する場合は疑わしい取引に該当すると判断し届出すること」とあり、暗号資産で払いたいと伝えれば、届け出の対象になると考えておくのが現実的です。

何項目に増える?現行21項目→改定案44項目(Coin Map集計)

国交省のサイトにある現行のチェックリストと、9月3日付の改定案を並べて、分類ごとの項目数を数えました。21項目から44項目に増え、「外国との取引に着目した事例」が新しい分類として加わります。

分類現行改定案主な追加(改定案の文言を要約)
第1 現金の使用形態25暗号資産を用いた取引の希望、金融機関を通さない取引の希望、自社の実績より高額な物件の現金購入
第2 真の契約者を隠している可能性59電話番号・メールアドレスの使い回しや頻繁な変更、非対面でのなりすましの疑い
第3 取引の特異性(不自然さ)58遠くの無関係な地域の業者を使う、実態の見えない会社による取引
第4 契約締結後の事情23契約者以外からの支払い、直前の支払い方法の変更(振込→現金手渡し等)
第5 外国との取引(新設)02資金洗浄対策に非協力的な国・地域に拠点を置く契約者など
第6 その他(現行は第5)717外国の重要な公的地位にある人(外国PEPs)との取引、資金の出どころの説明がない非営利団体など
合計2144暗号資産に触れた項目は、現行0→改定案1(第1の5)

Coin Map集計:国土交通省の現行チェックリスト(PDF)と2026年9月3日付の事務連絡の別紙2(改定案)の項目を、2026年10月19日に数えたもの。項目の文言は要約しています。

いつから?2026年10月をめどに通知・施行の予定(10月19日時点では未反映)

国交省は9月3日付の事務連絡で、チェックリストを「令和8年(2026年)10月を目処に通知・施行の予定」と書いています。改定案は不動産業界の6団体(不動産協会、不動産流通経営協会、全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会、全国住宅産業協会、不動産流通推進センター)に送られました。

国土交通省不動産・建設経済局不動産業課の令和8年9月3日付の事務連絡。「疑わしい取引の届出に関するチェックリスト」の改訂の段落で、令和8年10月を目処に通知・施行の予定の部分が赤枠で囲まれている
国交省が9月3日の時点で、チェックリストの改訂を「令和8年10月を目処に通知・施行の予定」としていることが分かります(出典:国土交通省 事務連絡(2026年9月3日)の1ページ、2026年10月19日取得・赤枠は当サイト)

一方、不動産業6団体の連絡協議会の事務局である不動産流通推進センターが公開しているチェックリスト(PDF)は、2026年10月19日7時に確認した時点では2024年9月の版のままで、暗号資産の項目はまだありません。共同通信は、協議会が月内にもチェックリストに反映させると報じています。正式な版が公表されたら、この記事を更新します。

なぜ今?4月の4省庁の連名の要請と、7月の政府の対応策

暗号資産を使った不動産取引への対策は、今回が初めてではありません。2026年4月28日、国交省・金融庁・警察庁・財務省が連名で、不動産業界の団体と日本暗号資産等取引業協会に「暗号資産を用いた不動産取引について(要請)」を出しています(金融庁が掲載した要請文(PDF)、2026年10月19日確認)。

令和8年4月28日付の国土交通省・金融庁・警察庁・財務省の連名の文書「暗号資産を用いた不動産取引について(要請)」。暗号資産を法定通貨に交換、交換の媒介等をする行為は暗号資産交換業に該当する可能性があり、登録を受けずに行うことは資金決済法に違反するおそれがある旨に留意すること、の部分が赤枠で囲まれている
4省庁の連名の要請で、暗号資産を円などに換える行為が「暗号資産交換業に該当する可能性」があり、無登録なら資金決済法違反のおそれがあると書かれていることが分かります(出典:国土交通省・金融庁・警察庁・財務省「暗号資産を用いた不動産取引について(要請)」の1ページ、2026年10月19日取得・赤枠は当サイト)

要請文が求めた主な内容は次の4つです。

  1. 暗号資産を円などに換える・その仲立ちをする行為は暗号資産交換業に当たる可能性があり、登録なしで行うと資金決済法違反のおそれがあることに注意する
  2. 不動産会社が暗号資産を受け取る取引でも、無登録の暗号資産交換業者を使わない
  3. 暗号資産を使った不動産取引では、取引時の本人確認を厳しく行い、疑わしい取引の届出と警察への通報を適切に行う
  4. 暗号資産交換業者も、顧客が不動産の売却代金を暗号資産で受け取るなど不審な点があれば、同じく確認と届出を行う

その後、2026年7月24日の「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」で決まった対応策に、不動産取得に係るマネロン対策の強化が入りました。国交省が業界団体に送った周知文では、チェックリストを10月中に改訂し、暗号資産を用いた不動産取引を疑わしい取引として新たに示すとされています(全日本不動産協会が掲載した国交省の周知(2026年7月24日)、2026年10月19日確認)。今回の改定案は、この流れの具体化です。

仮想通貨で不動産は買える?法律で一律に禁止はされていない

仮想通貨(暗号資産)で不動産を買うことを、一律に禁止する法律はありません。国交省の9月3日付の事務連絡も「『疑わしい取引の届出』を行った上で、契約を締結しても問題ない」としています。

ただし、暗号資産は日本円のような法定通貨ではありません。資金決済法は暗号資産を「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」で、本邦通貨・外国通貨を除くものと定めています(資金決済法 第2条14項、e-Govで2026年10月19日確認)。売主が受け取ることに同意しなければ、暗号資産では払えません。

誰が暗号資産を円に換えるかで、法律の注意点が変わる

4省庁の要請文は、「宅地建物取引業者が自ら売主となり売却代金として暗号資産を受け取り法定通貨に換金する」ことを、暗号資産交換業に当たらない行為の例として挙げています。一方で、売主と買主の間に入って暗号資産を円に換える・その仲立ちをする行為は、暗号資産交換業に当たる可能性があり、登録なしで行うと資金決済法違反のおそれがあるとしています。どの行為が交換業に当たるかの最終的な判断は個別の事情によるため、ここでは要請文の書き方どおり「可能性」「おそれ」として紹介します。

読者から見た払い方は、大きく3通りに分けられます。

払い方① 売主(不動産会社など)が暗号資産を直接受け取る② 間に入った会社が暗号資産を円に換えて売主に渡す③ 自分で国内の登録業者で円に換え、銀行振込で払う
暗号資産交換業の登録売主が自分で受け取り換金するのは、交換業に当たらない行為の例(4省庁の要請文)交換業に当たる可能性。登録が無ければ資金決済法違反のおそれ換金は登録業者が行う
不動産会社の「疑わしい取引」の目安改定案の第1の5「暗号資産を用いた取引を希望する場合」に当たる同じく当たる(金融機関を通さない形なら第1の4も)支払いは銀行振込。ただし収入・資産に見合わない高額の購入などは、他の項目で見られる
税金(買う人)どれも同じ。暗号資産を手放した時点(①②は支払い時、③は売却時)の値上がり分が所得になる(国税庁FAQ)
値動きの影響代金を円で決めた場合、払う枚数が支払い時の価格で変わる換金のタイミングと手数料の決め方しだい円に換えた時点で金額が決まる
確かめること売主が受け取りに同意しているか、送金先アドレスが契約書の相手のものか間に入る会社が暗号資産交換業者の登録を受けているか使う取引所が登録業者か、出金の上限と日数

4省庁の要請文(金融庁掲載のPDF)、国交省の改定案(9月3日付の事務連絡)、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」をもとにCoin Map作成(2026年10月19日確認)。

現実的な払い方は?国内の登録業者で円に換えてから振り込む形が分かりやすい

表のとおり、③の「自分で国内の登録業者で日本円に換え、銀行振込で払う」形は、暗号資産交換業の登録の問題が起きず、支払う金額も円で確定します。日本の登録業者は、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(PDF)で確かめられます。

ただし、③でも不動産会社の確認がなくなるわけではありません。改定案の第1の1は「顧客の収入・資産等に見合わない高額の物件を現金取引で購入する場合」、第6の28は「公務員や会社員がその収入に見合わない高額な取引を行う場合」を挙げています。暗号資産の利益で買う場合は、取引所の取引履歴や年間取引報告書など、資金の出どころを説明できる資料をそろえておくと、確認がスムーズです。

海外の取引所に暗号資産がある人は、国内の登録業者に送ってから円に換える流れになります。国内の登録業者の口座がまだ無い人は、金融庁登録の国内取引所のひとつであるOKJの手順をOKJ(オーケーコイン・ジャパン)の口座開設・始め方で解説しています。どの取引所でも、送る銘柄・ネットワークに入金が対応しているかを、入金画面で確かめてから送ってください。

暗号資産で払いたいと伝えたら何が起きる?不動産会社の本人確認と「疑わしい取引の届出」

暗号資産での支払いを希望すると、不動産会社は通常の本人確認に加えて、疑わしい取引の届出をするかどうかを判断します。届出をしても契約はできますが、確認が厳しくなることは覚悟しておきましょう。

不動産会社が確認すること(取引時確認)

宅地・建物の売買契約を結ぶとき、不動産会社は犯収法に基づいて次の事項を確認します(犯罪収益移転防止法 第4条・別表、2026年10月19日確認)。

確認する事項内容(個人の場合)
本人特定事項氏名・住居・生年月日(本人確認書類で)
取引を行う目的居住用・投資用など
職業会社員・自営業など
資産・収入の状況なりすましの疑いがある取引など、法律が厳格な確認を求める取引で、一定の額を超える財産の移転を伴うとき(第4条2項)

届出の流れ:1つでも当てはまれば届出、警察庁に集められる

  1. 不動産会社がチェックリストで取引を確かめる。1つでも当てはまる、または判断に迷うときは届出を行う(国交省の2026年2月19日付の事務連絡の判断基準。9月3日付の事務連絡の別紙1に抜粋)
  2. 届出先は、その会社に宅建業の免許を出した国土交通大臣または都道府県知事(犯収法 第22条)
  3. 集まった情報は警察庁が集約し、捜査などに使われる(共同通信の報道)
  4. 9月3日付の事務連絡は、届出をしたうえで契約を結んでも問題はなく、会社の判断で契約に至らなかった案件でも届出をするよう求めている

また、不動産会社は、届出をしようとしていること・したことを、本人や関係者に漏らしてはならないと法律で決められています(犯収法 第8条4項)。「届け出ましたか?」と聞いても答えは得られません。届出は「犯罪と決まった」という意味ではなく、疑いの判断の目安に当たったという記録です。

海外から大きな額の暗号資産を受け取ったときは、外為法の報告も

4省庁の要請文は、外国為替及び外国貿易法(外為法)の報告にも触れています。海外から3,000万円相当額を超える暗号資産等を受け取った人は「支払又は支払の受領に関する報告書」を、非居住者が日本の不動産を取得した場合は「本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得に関する報告書」を出す義務があります。後者は2026年4月1日以降、取得の目的を問わず報告の対象です(4省庁の要請文の2ページ、2026年10月19日確認)。

仮想通貨で家を買ったら税金は?支払った時点で「売った」のと同じ扱い

暗号資産で物件代金を払うと、その暗号資産を売ったのと同じ扱いになり、買った時より値上がりしていれば、その差額に所得税と住民税がかかります。国税庁のFAQは「保有する暗号資産で商品を購入した場合、保有する暗号資産を譲渡したことになります」と書いています(国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」1-2、令和7年12月改訂版、2026年10月19日確認)。

計算のしかたは、国税庁FAQの式のとおりです。

所得の計算式(国税庁FAQ 1-2)

所得金額 = 支払った物件代金(=暗号資産の譲渡価額) - 1BTCあたりの取得価額 × 支払った数量

1BTCあたりの取得価額は、総平均法か移動平均法のうち選んだ方法で計算します(個人で選ばない場合は総平均法)。売買の手数料などの必要経費があれば差し引きます。

ビットコインで頭金・全額を払った場合の所得(Coin Map試算)

次の前提で、所得金額だけを計算しました。税額は、年収・家族・各種控除・社会保険料などで人によって大きく変わるため、この表では計算していません。

  • 払う人:日本の居住者の個人。ビットコイン(BTC)だけを持ち、ほかに暗号資産の取引はないものとする
  • 支払い時のBTCの価格:1BTC=1,200万円(仮の値。bitbankの公開APIで2026年10月19日6時54分に取得した約1,282万円を、計算しやすく丸めた)
  • 手数料・その他の必要経費:なし
パターン1BTCあたりの取得価額払った額(数量)譲渡原価所得金額
A 頭金だけBTCで払う400万円300万円(0.25BTC)100万円200万円
B 物件代金の全額をBTCで払う400万円3,600万円(3BTC)1,200万円2,400万円
C 高い時に買ったBTCで頭金を払う1,500万円300万円(0.25BTC)375万円マイナス75万円(損失)

Coin Map試算(2026年10月19日)。計算式は国税庁FAQ 1-2、BTCの価格はbitbankの公開API(2026年10月19日6時54分取得)を丸めた仮の値。個人の税額を示すものではありません。

この試算から分かることは3つです。

  1. 払った額ではなく、値上がり分が所得になる。Aは300万円を払っても、所得は200万円
  2. 同じ物件でも、いつ買ったBTCかで所得が大きく変わる。Cのように買値より安い時に払うと損失になる
  3. 損失は給与と相殺できない。暗号資産の損益は原則として雑所得で、雑所得の損失は給与所得など他の所得から差し引けません(国税庁FAQ 2-11「暗号資産取引で損失が生じた場合の取扱い」)

何の所得で、税率はどのくらい?

暗号資産の取引による利益は、原則として雑所得(その他雑所得)です(国税庁FAQ 2-2)。給与などほかの所得と合算され(総合課税)、所得税は5%〜45%の7段階です(国税庁 タックスアンサーNo.2260、2026年10月19日確認)。住民税は一律10%です。

同じFAQ 2-2は、その年の暗号資産取引の収入金額が300万円を超える場合は、帳簿の保存の有無などで所得の区分の判定が変わるとしています。物件代金を暗号資産で払うと収入金額(払った額)は300万円を超えやすいため、申告の前に区分を確かめてください。年収・利益額ごとの税額の目安は仮想通貨の利益、税金はいくら?年収別・利益額別シミュレーションで、申告の手順は仮想通貨の確定申告のやり方で解説しています。

20%の分離課税が始まったら変わる?

暗号資産の20%の分離課税は、金融商品取引法の改正法の施行日の翌年1月1日以後の取引から始まり、開始は2027年1月か2028年1月のどちらかです。対象は国内の登録業者で売った「特定暗号資産」の利益とされています。物件代金として売主に直接渡す支払い(表の①)が対象に入るかは、2026年10月19日時点の公表資料では確かめられませんでした。始まる時期と対象の決まり方は仮想通貨の分離課税はいつから?にまとめています。

税金の扱いは個別の事情で変わります。判断は自分で行い、迷う場合は税務署か税理士に確認してください。

「仮想通貨で物件が買える」勧誘に注意|話を聞く前に確かめる3つのこと

今回のニュースに便乗して、「仮想通貨で不動産が買える」「届出されずに買える」とうたう勧誘が出てくるおそれがあります。国民生活センターは、SNSや知人の誘いで暗号資産を始めた後に出金できなくなるトラブルについて注意を呼びかけています(国民生活センター(2022年8月4日)、2026年10月19日確認)。

確かめることどこで確かめる
1. 売主・仲介の会社が宅建業の免許を持っているか国土交通省 宅地建物取引業者の検索で、会社名と免許番号を照らし合わせる
2. 暗号資産を円に換える役をする会社が、暗号資産交換業者の登録を受けているか金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に載っているか。金融庁の無登録業者への警告の一覧に名前がないか
3. 送金先が契約書の相手のものか送金先アドレスを個人やLINEで指定されたら送らない。秘密鍵・シードフレーズを教えてと言われたら詐欺を疑う

次のような言い方が出たら、話を止めて、公的な名簿で確かめるまで送金しないでください。

  • 「届出されない」「税務署に知られない」「本人確認なしで買える」
  • 「海外の物件なら日本の税金はかからない」
  • 「先に暗号資産を預けてくれれば、物件を押さえておく」

困ったときは、消費者ホットライン188(消費者庁の案内)に相談できます。すでに送金してしまった人は、「返金します」という二次被害にも気をつけてください(仮想通貨詐欺の「返金できます」は二次被害の入口|本当の相談先と被害届の出し方)。

よくある質問

Q. 仮想通貨で不動産を買うことは、今すぐできなくなりますか?

いいえ。今回の改定は、不動産会社が「疑わしい取引」かどうかを判断する目安の事例を増やすもので、暗号資産での支払いを禁止するものではありません。国交省の9月3日付の事務連絡は、届出をしたうえで契約を結んでも問題ないとしています。ただし、受け取るかどうかは売主しだいで、確認は厳しくなります。

Q. 改定後のチェックリストはいつから使われますか?

国交省は2026年10月をめどに通知・施行する予定としています(9月3日付の事務連絡)。2026年10月19日7時時点では、不動産業6団体の連絡協議会が公開しているチェックリストは2024年9月の版のままで、暗号資産の項目はまだありません。

Q. ドバイなど海外の物件を仮想通貨で買う場合は?

今回の改定案は、日本の宅建業者が行う不動産の売買についての目安です。海外の物件の取引には、その国のルールが当てはまります。一方、日本の居住者が暗号資産で払うと、国税庁FAQの考え方では暗号資産を手放した時点で譲渡したことになり、支払先が海外でも利益に日本の税金がかかる点は同じです。海外に移り住む場合の税金は仮想通貨を持って海外移住したら税金は?で解説しています。

Q. 仮想通貨で払った分の税金は、いつ納めますか?

暗号資産で払った年の所得として、翌年の確定申告で納めます。2026年中に払った場合、所得税の確定申告の期限は2027年3月15日です。会社員で暗号資産の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要です(会社員の仮想通貨の税金)。

Q. 仮想通貨で不動産を買うと節税になりますか?

なりません。国税庁FAQでは、暗号資産で物を買うと、その時点で暗号資産を譲渡したことになり、値上がり分は所得として課税されます。円に換えてから払っても、暗号資産のまま払っても、暗号資産の利益にかかる税金の考え方は同じです。

Q. 不動産会社に届出をされたかどうか、分かりますか?

分かりません。犯罪収益移転防止法 第8条4項は、不動産会社が届出をしようとしていること・したことを、本人や関係者に漏らすことを禁じています。届出は「犯罪と決まった」という意味ではなく、判断の目安に当たった取引の記録です。

Q. 自分の家を売って、代金を仮想通貨で受け取ってもいいですか?

受け取ること自体を一律に禁止する法律はありませんが、仲介する不動産会社にとっては今回の改定案の目安に当たる取引になります。また、間に入る会社が暗号資産を円に換える役をするなら、その会社が暗号資産交換業者の登録を受けているかを金融庁の一覧で確かめてください。売った不動産の利益の計算や、受け取った暗号資産のその後の扱いは、税務署か税理士に確認するのが確実です。

まとめ:仮想通貨で不動産は買えるが、確認は厳しくなり、税金は払った時点でかかる

  • 国交省は、宅建業者向けの「疑わしい取引の参考事例」の改定案に「暗号資産を用いた取引を希望する場合」を加えた。項目は21→44に増え、2026年10月をめどに通知・施行の予定(10月19日時点で業界のチェックリストは未反映)
  • 暗号資産での支払いを一律に禁止する法律はない。ただし売主の同意が必要で、届出の対象になりうる。届出をしても契約はでき、本人には知らされない
  • 暗号資産を円に換える役を無登録の会社がすると、資金決済法違反のおそれがある(4省庁の要請文)。分かりやすいのは、自分で国内の登録業者で円に換えて振り込む形
  • 暗号資産で払うと、その時点で売ったのと同じ扱いになり、値上がり分に税金がかかる。不動産を買っても税金は減らない
  • 「届出されない」「税金がかからない」とうたう勧誘は、宅建業の免許と暗号資産交換業の登録を名簿で確かめるまで送金しない

本記事の情報は2026年10月19日時点のものです。国交省の改定後のチェックリストが公表されたら更新します。本記事は一般的な制度の解説で、個別の税務や取引の判断は、税務署・税理士・不動産会社に確認してください。

出典(すべて2026年10月19日確認)

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