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仮想通貨詐欺の「返金できます」は二次被害の入口|本当の相談先と被害届の出し方、取り戻せる可能性があるケース【2026年10月最新】

仮想通貨詐欺の被害者に「返金できます」と近づく業者を表すイラスト 詐欺・トラブル対処

本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます(広告ポリシー・評価の方法)

仮想通貨(暗号資産)の投資詐欺にあって、お金を取り戻す方法を探していませんか。検索すると「返金率〇%」「無料相談」「返金支援センター」といった広告がたくさん出てきます。

先にお伝えします。国民生活センター・消費者庁・金融庁は、「被害を回復します」「返金手続を代行します」と持ちかけて費用を取る二次被害に注意するよう呼びかけています。この記事では、公的機関の資料をもとに、返金をうたう業者の手口、本当の相談先の使い分け、被害届の出し方、取り戻せる可能性がある仕組みを順番にまとめます。

この記事の結論(2026年10月2日時点)

  • 「返金できます」と連絡してくる業者・探偵に、お金を払う前に止まってください。消費者庁・金融庁・国民生活センターが、被害回復を装ってお金を取る二次被害に注意を呼びかけています
  • 弁護士でない業者が、報酬をもらって返金の交渉をすることは、弁護士法72条に触れる可能性があります。国民生活センターも、探偵業者が資格なく返金交渉をすることは法律に違反する可能性があると明記しています
  • 本当の相談先は、警察(被害届・#9110)、消費者ホットライン188、金融庁の相談ダイヤル、法テラス・弁護士。警察・188・金融庁・法テラスの案内は無料です(弁護士への相談・依頼は原則有料。法テラスの無料法律相談は収入などの条件あり)
  • 取り戻せる可能性があるのは、早く動いて送金先が凍結できた場合や、銀行振込の口座にお金が残っていた場合など、限られたケースです。返金率を示す公的な統計は見当たりません

すでに業者から連絡が来ている人は「返金できます」業者の手口を、どこに相談すればよいか知りたい人は相談先の使い分けを、被害届を出したい人は被害届の出し方を先に読んでください。

仮想通貨詐欺の被害、「返金できます」と言う業者に頼んでいい?

仮想通貨詐欺の「返金できます」とうたう業者には、お金を払う前に、まず公的な窓口に相談してください。理由は3つあります。

  1. 公的機関が「二次被害」として注意している
    消費者庁は、投資のトラブルにあった人が「国の救済制度により返金を受けられる」「返金手続を代行する」などと持ちかけられ、お金を求められた相談があるとして注意を呼びかけています。金融庁も2026年9月1日、「被害回復等を装った詐欺(二次被害トラブル)にご注意ください!(不動産特定共同事業法関係)」で、被害回復を装ってお金を求める詐欺に注意するよう発表しました。
  2. 弁護士でない業者は、相手と返金の交渉ができない
    報酬をもらって他人のトラブルの交渉や代理をすることは、弁護士法72条で原則として弁護士に限られています(請求額140万円以下なら、認定を受けた司法書士も代理できます)。探偵や「返金代行」業者ができるのは、せいぜい調査と報告までです。
  3. 暗号資産の被害は、取り戻すのがもともと難しい
    国民生活センターは、いったん払ってしまうと被害回復には困難が伴うとしています。第二東京弁護士会も、暗号資産の送金先が海外の暗号資産交換業者である場合、被害回復は「ほぼ不可能な状況」と書いています。「必ず取り戻せる」と言い切る相手ほど疑ってください。

公的な窓口と「返金できます」業者の違い

比べる点公的な窓口(警察・188・金融庁・法テラス)「返金できます」とうたう業者・探偵
相談の費用○ 無料(電話の通話料はかかる)△ 「相談無料」でも、調査費・着手金・手数料を求められる
犯人への返金交渉△ 窓口自体は交渉しない(交渉・裁判は弁護士の仕事)× 弁護士(140万円以下なら認定司法書士)でなければ、報酬をもらって交渉することは弁護士法72条に触れる可能性
送金先の凍結○ 警察から取引所へ凍結を依頼する仕組みがある× 民間業者に凍結させる権限はない
連絡のきっかけ自分から電話・窓口へ行く広告、SNSのDM、突然の電話・メールが多い
「必ず戻る」の約束しない「返金率〇%」「全額回収」などと言う

出典:消費者庁、金融庁、国民生活センター、警察庁・金融庁の要請文(記事末の出典一覧)をもとに作成。2026年10月2日確認

暗号資産を使った詐欺の被害は、いまも増えている

警察庁の発表では、2026年1〜7月の特殊詐欺の被害額は2,108.1億円で、うちSNS型投資詐欺は881.2億円でした(暫定値)。2026年上半期(1〜6月)の資料では、被害者が暗号資産を送らされた「暗号資産送信型」の被害が3,498件・409.6億円で、前年同期より175.0億円増えました。同じ上半期のSNS型投資詐欺は、797.9億円・5,893件(前年同期より444.9億円増)です。

警察庁は、暗号資産を使ったことがない人でも、犯人からスマートフォンの画面共有などで取引所のアカウントの作り方や送り方を細かく指示されて被害にあっていると書いています。被害が多いぶん、「取り戻せます」と被害者に近づく業者も後を絶ちません。

警察庁の発表。2026年上半期のSNS型投資詐欺の被害額797.9億円、認知件数5,893件の部分
警察庁の発表では、2026年上半期のSNS型投資詐欺の被害は797.9億円・5,893件で、前年同期より444.9億円増えました(出典:警察庁・SOS47「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」、2026年10月2日撮影)

「返金できます」業者の手口は?公的機関が注意している5つのパターン

「返金できます」業者の手口は、無料相談で安心させ、調査費・着手金・手数料などの名目で先にお金を払わせる形がほとんどです。公的機関が公表している相談事例をもとに、よくある5つのパターンを表にしました。

パターンよくある言い方実際に起きること
① 公的機関のような名前「〇〇被害者支援センター」「消費者〇〇相談窓口」自治体の消費生活センターと勘違いして連絡すると、相手は探偵などの民間業者だった(国民生活センター、2016年・アダルトサイトのトラブルの事例)
② 無料相談から調査の契約へ「相談無料」「十分に返金が可能」契約書の中身は「〇〇の調査」。数万円を払っても、届くのは「所在地は確認できなかった」などの報告書だけ(国民生活センター、2016年・アダルトサイトのトラブルの事例)
③ 国の制度・行政処分に便乗「国の救済制度で返金を受けられる」「解約・返金の交渉を代行する」代行の条件として、手数料などのお金を求められる(消費者庁・金融庁)
④ 別の投資・追加の支払い「返金を受けるには別の投資商品の購入が必要」新しい投資名目でさらにお金を払わされる(消費者庁・金融庁)
⑤ 暗号資産の「追跡」をうたう広告「ブロックチェーンを追跡して回収」「24時間365日対応」弁護士・探偵の広告を見て多額の費用を払う二次被害が複数報告されている(第二東京弁護士会)

出典:国民生活センター(2016年12月15日の報道発表、2026年9月1日の発表)、消費者庁「投資系トラブルの二次被害にご注意ください!」、金融庁(2026年9月1日)、第二東京弁護士会(2026年2月20日)

消費者庁は、見知らぬ業者から被害回復のためといってお金を求められたり、新しい投資をすすめられたりしたら、二次被害のおそれがあるとして、きっぱり断り、消費生活相談窓口(188)に相談するよう案内しています。

消費者庁の注意喚起「投資系トラブルの二次被害にご注意ください」。返金手続を代行すると持ちかけられる事例の部分
消費者庁は「返金手続を代行する」などと被害回復を持ちかけてお金を求める二次被害に注意を呼びかけています(出典:消費者庁「投資系トラブルの二次被害にご注意ください!」、2026年10月2日撮影)

「〇〇返金支援センター」は公的機関?

「返金支援センター」「被害者救済センター」のような名前でも、公的機関とは限りません。国民生活センターは2016年、探偵業者が「消費者〇×センター」のように自治体の消費生活センターに似た名前を名乗り、「無料相談」「返金可能」とうたっていた事例を公表しています。(アダルトサイトの料金トラブルの解決をうたう探偵業者の事例。被害の種類は違っても、似た名前と『返金可能』で誘う手口は同じです)

本物の消費生活センターは、市区町村や都道府県が置いている窓口です。迷ったら、相手が名乗る番号にかけず、消費者ホットライン188にかけて、最寄りの消費生活センターにつないでもらってください。188は、郵便番号などを入れると近くの公的な窓口を案内する全国共通の番号です(消費者庁)。

弁護士でない業者の返金交渉は、なぜ問題になるのか(弁護士法72条)

弁護士法72条は、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、法律事件について代理・和解などの法律事務を取り扱うことを業とすることを禁じています(国民生活センターの報道発表に条文が引用されています)。東京弁護士会は、弁護士でない者が報酬目的で、紛争になっている事案の法律相談や交渉の代理を繰り返し行うことを「非弁行為」と説明しています。

国民生活センターは、探偵業者が弁護士などの資格なく返金交渉をしたり、返金交渉ができるように表示・説明したりすることは、弁護士法などの法律に違反する可能性があると書いています。届け出をしている探偵業者でも、「返金交渉」「解約交渉」は探偵業法で認められた業務ではありません。

ただし、他の法律に定めがある場合は例外で、法務大臣の認定を受けた司法書士は、請求額140万円以下の裁判外の和解などを代理できます(日本司法書士会連合会)。

つまり、「返金を代わりに交渉します」と言う相手が弁護士(140万円以下なら認定司法書士)でなければ、その時点で依頼してはいけない相手だと判断できます。相手が弁護士だと名乗る場合も、所属する弁護士会と名前を聞いてから判断してください。

「返金率〇%」「返金確率」に根拠はある?

仮想通貨詐欺の返金率・返金確率を示す公的な統計は、見当たりません。警察庁・国民生活センター・消費者庁・金融庁・法務省のページを確認しましたが(2026年10月2日)、詐欺被害のうち何%が戻ったかという数字は公表されていませんでした。

そのため、広告の「返金率〇%」は、何を分母にした数字なのか確かめようがありません。数字が高いほど安心するのではなく、「その数字の出どころはどこですか」と聞いて、答えられない相手には依頼しないと考えてください。

依頼する前のチェックリスト:1つでも当てはまれば払わない

  • □ 相手から先に連絡が来た(DM・電話・メール)。自分の被害を知っている理由を説明しない
  • □ 弁護士・認定司法書士ではない(探偵、コンサルタント、「〇〇センター」など)のに、返金の交渉や回収をすると言う
  • □ 「必ず取り戻せる」「返金率〇%」と言い切る
  • □ 調査費・着手金・手数料・保証金を「先に」払うよう求める
  • □ 支払いを暗号資産や電子マネー、個人名義の口座で求める
  • □ 「今日中に申し込まないと間に合わない」と急がせる
  • □ 契約書の中身が「調査」になっているのに、口では「返金」と説明する
  • □ 国や公的機関、取引所の名前を出して「提携している」と言う

JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)も、被害後に別の業者から「回収できます」と連絡が来た場合、回収や返金をうたう追加の請求は二次被害の可能性があるので、新しい支払いや契約の前に公的な相談窓口へ確認するよう案内しています。

弁護士に頼むなら、確かめること

弁護士は、相手への請求や裁判などの手続きを代理できる専門家です。ただし、第二東京弁護士会は、暗号資産の追跡で被害回復ができるとうたう弁護士・探偵業者の広告で多額の費用を払う二次被害が複数報告されているとして、次のような点に注意するよう呼びかけています。

  • 一人の弁護士なのに「24時間365日相談対応」と表示している
  • ほかの種類の事件の成功例を、同じ種類の詐欺で得た成果のように見せている
  • 「専門弁護士」を強調しすぎている
  • 依頼者が弁護士本人に会えず、事務職員だけが対応する

依頼する前に、事件の進め方、被害回復の見通し、それをふまえた着手金・報酬金が妥当かの説明を十分に受けてから決めてください(第二東京弁護士会)。費用が心配なら、まず法テラスで相談先を案内してもらう方法もあります(次の章)。

仮想通貨詐欺はどこに相談する?窓口ごとの「できること・できないこと」

仮想通貨詐欺の相談先は、被害届と捜査なら警察、業者とのトラブル全般なら188、投資詐欺の相談なら金融庁の相談ダイヤル、法的な手続きなら法テラス・弁護士です。どの窓口も、それぞれできることが違います。

相談先電話・受付してくれることしないこと
警察署(被害届)最寄りの警察署。急ぐときは110番被害届の受理、捜査。必要に応じて取引所などへの情報照会・凍結の依頼お金を返す手続きそのもの
警察相談専用電話#9110
平日8:30〜17:15(都道府県警察で異なる)
犯罪にあたるか分からないときの相談。最寄りの警察の相談窓口につながる緊急の通報(それは110番)
警察のサイバー事案オンライン窓口警察庁のウェブサイトから(都道府県警察を選ぶ)サイバー事案の通報・相談・情報提供をオンラインで受け付け、選んだ警察本部・警察署に伝わる緊急の対応(急ぐときは110番)
消費者ホットライン188(相談無料・通話料あり)最寄りの消費生活センターにつなぐ。業者とのトラブルや二次被害の相談捜査
金融庁「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」0570-050588(IP電話 03-6206-6066)
平日10:00〜17:00、ウェブは24時間
SNSなどで勧誘された詐欺的な投資の相談。他機関の紹介、論点の整理あっせん・仲介・調停
金融庁 金融サービス利用者相談室0570-016811(IP電話 03-5251-6811)
平日10:00〜17:00
登録業者(国内の取引所など)とのトラブル、フィッシングなどの相談あっせん・仲介・調停
法テラス0570-078374
平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00
解決に役立つ制度・相談窓口の案内。収入・資産が一定以下なら弁護士・司法書士の無料法律相談(同じ問題で3回まで、要予約)業者への交渉(それは依頼した弁護士が行う)
弁護士各地の弁護士会の相談窓口など相手への請求・交渉、裁判などの手続きの代理回収の約束(見通しと費用の説明を受けてから依頼)

出典:金融庁「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」の開設について(2024年6月19日)・金融サービス利用者相談室、金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」(#9110の受付時間)、消費者庁「消費者ホットライン」、警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」、法テラス、法務省広報誌。2026年10月2日確認

金融庁の2つの番号は役割が分かれています。SNSやマッチングアプリで知り合った相手、著名人を名乗る相手から、無登録の業者での暗号資産・FXの投資に誘われたなら「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」(0570-050588)、国内の登録業者とのトラブルなら「金融サービス利用者相談室」(0570-016811)です。どちらもあっせん・仲介・調停はしないと明記されています。

金融庁「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」の電話番号0570-050588と、あっせん・仲介・調停は行わないという注意書き
金融庁の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」は0570-050588。相談は受けますが、あっせん・仲介・調停はしないと明記されています(出典:金融庁、2026年10月2日撮影)

状況別:最初にどこへ連絡する?

あなたの状況最初の連絡先
いま送金を迫られている/お金を受け取りに来ると言われた110番
数時間〜数日前に送ってしまった送金に使った取引所のサポート → 最寄りの警察署(被害届)
詐欺かどうか分からない#9110 または 金融庁 0570-050588
「返金できます」という業者から連絡が来た188(消費生活センター)。払う前に相談
返金業者に着手金を払ってしまった188 と 警察(二次被害として)
弁護士に頼むか迷っている、費用が心配法テラス 0570-078374

被害届はどう出す?持っていくもの一覧

仮想通貨詐欺の被害届は、送金の記録とやり取りの記録を持って、最寄りの警察署に出します。犯罪捜査規範(国家公安委員会規則)61条は、被害の届け出があったときは、管轄区域の事件かどうかを問わず受理しなければならないと定めています(北海道警察の通達が引用)。

北海道警察の通達(2024年7月)は、明らかなうそや著しく合理性を欠く内容でない限り、被害届は即時受理を原則とし、管轄外の事件でも受理するよう求めています。住んでいる場所の警察署で出してかまいません。

被害届を出すまでの流れ

  1. これ以上払わない・相手とのやり取りをやめる
    「出金には税金が必要」「返金の手数料が要る」と支払いが続くのが、この種の詐欺の特徴です。出金のために先に払えと言われる手口は出金に「手数料・税金・保証金」を先に払えと言われたら詐欺で詳しく書いています。
  2. 記録を保存する(下の表)
    相手をブロックしたり、トークを消したりする前に、画面を保存してください。ブロックや退会で、やり取りが見られなくなることがあります。
  3. 送金に使った取引所に連絡する
    次の章の手順で、取引所のサポートに連絡します。被害届より先でもかまいません(時間がたつほど資金が動かされるため)。
  4. 警察署に行く(迷ったら先に#9110)
    窓口で「暗号資産を使った投資詐欺の被害届を出したい」と伝えます。時系列のメモがあると話が早く進みます。
  5. 担当者と受理番号を控える
    北海道警察の通達では、届け出た人が希望すれば、届け出の日時や連絡先を書いた書面を渡すとしています。ほかの都道府県でも、担当者の名前と連絡先は必ずメモしてください。

持っていくもの(印刷かスマホに保存)

記録中身・残し方
暗号資産の送金記録送金した日時・銘柄・数量・ネットワーク・送金先アドレス・取引ID(トランザクションID)。取引所の出金履歴の画面、またはダウンロードした履歴
銀行振込の記録振込明細(日時・金額・振込先の銀行名・支店・口座名義)。取引所への入金も含めて全部
相手とのやり取りLINE・SNSのDM・メールの画面。相手のアカウント名・ID・プロフィール画面も保存
取引所の画面偽の投資サイト・アプリの画面(URL、残高表示、「出金できない」表示)。自分が使った本物の取引所の入出金履歴
勧誘のきっかけ最初に見た広告・投稿のスクリーンショットとURL
時系列のメモいつ、誰(名乗った名前)から、何を言われ、いくら払ったかを日付順に
本人確認書類運転免許証など

JVCEAは、事件性が認められると捜査が行われることがあり、その際は送金履歴などの証拠の保存が重要だとしています。

送金先が取引所のとき、何をすればいい?

暗号資産を送ってしまったら、送金に使った取引所のサポートにすぐ連絡し、送金先アドレスを警察に伝えてください。JVCEAは、多くの場合暗号資産の送金は取り消せないとしたうえで、状況確認のためすぐ取引所に連絡するよう案内しています。

手順1:自分が使った取引所(送金元)に連絡する

取引所のアプリやサイトの問い合わせフォームから、次の内容を送ります。

  • 詐欺の被害にあった可能性があること
  • 送金の日時・銘柄・数量・送金先アドレス・取引ID
  • 相手にパスワード・認証コード・本人確認書類を伝えたかどうか
  • 警察に相談済みか、これから届け出るか

相手にログイン情報や認証コードを教えた場合は、パスワードと2段階認証を変え、登録済みの送金先アドレスに見覚えのないものがないか確認してください。国内の取引所は、警察庁・金融庁の要請を受けて、新しく登録した送金先への一定期間の送金制限などの対策を進めています(例:コインチェックの新規アドレス送金制限)。

手順2:送金先がどこの取引所か確かめる

送金先アドレスをブロックチェーンのエクスプローラー(Etherscanなど、取引を誰でも見られるサイト)で調べると、アドレスに取引所の名前のラベルが付いていることがあります。送金先が取引所のアドレスだと分かれば、その情報を警察に伝えてください。分からなくても、アドレスと取引IDがあれば警察が調べられます。

手順3:凍結は「警察から取引所へ」の流れで動く

警察庁と金融庁が2026年8月に暗号資産交換業者に出した要請文には、「警察からの凍結依頼」の対象になった口座の傾向の分析や、詐欺のおそれが高い取引を見つけたときの警察への情報提供、疑わしい取引の口座の凍結などが並んでいます。送金先が国内の登録業者の口座なら、警察から取引所に凍結を依頼できる仕組みがあるということです。

被害者が自分で送金先の取引所に「凍結して」と頼んでも、他人の口座をどう扱うかは取引所の判断です。だからこそ、一日でも早く被害届を出し、送金先アドレスを警察に伝えることが、凍結に近づく一番の近道になります。返金をうたう民間業者には、取引所の口座を凍結させる権限はありません。

払い方別:取り戻せる可能性がある仕組み

払い方使える可能性がある仕組み条件・限界
暗号資産をアドレスに送った警察から送金先の取引所への凍結依頼。犯人が捕まった後の裁判・弁護士による請求送金は多くの場合取り消せない。海外の業者や個人のウォレットに移されると難しい
銀行振込で払った(個人・法人名義の口座へ)振り込め詐欺救済法:振込先の口座に残ったお金から「被害回復分配金」が支払われることがある犯人が引き出した後は支払いを受けられない。支払いまで少なくとも半年以上かかるのが一般的
犯人が捕まり、財産が没収・追徴された被害回復給付金支給制度:没収した財産を金銭化し、被害者に給付金を支給組織的な犯罪やマネーロンダリングがあった場合など。刑事裁判の結果しだい

出典:JVCEA「被害に遭われた方へ」、金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」、法務省「被害回復給付金支給制度 Q&A」、警察庁・金融庁「暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について(要請)」。2026年10月2日確認

SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺でも、預金口座への振込で払った分は振り込め詐欺救済法の対象になります(金融庁)。銀行振込で払った分があれば、警察と振込先の金融機関にすぐ連絡してください。申請期間は公告の翌日から30日以上で、期間を過ぎると支払いを受けられません。振込先の口座に公告が出ているかは、預金保険機構のウェブサイトで確認できます。

二度とだまされないためには?

二度とだまされないためには、お金を送る前に「その業者は金融庁に登録されているか」と「相手から先に連絡が来ていないか」を確かめることです。日本に住む人を相手に暗号資産の売買をする業者は、資金決済法にもとづく金融庁(財務局)への登録が必要です(国民生活センター)。

  • 登録業者を確かめる:金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」(2026年9月1日現在、27業者)に、その業者の名前があるかを見る。サイトやアプリが本物か確かめる手順はその取引所・サイトが本物か確かめる方法にまとめています
  • 警告を受けた業者を確かめる:金融庁は、無登録で日本居住者に暗号資産交換業を行っていた業者に警告し、名前を公表しています。主な業者の現状は仮想通貨の詐欺・出金停止・金融庁警告の一覧にまとめています
  • 広告・DMのリンクから開かない:取引所や投資サイトは、広告・DMのリンクではなく、登録一覧で確かめた業者の公式サイトを自分で開く
  • 個人名義の口座に振り込ませる投資は詐欺:国民生活センターは、投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合は詐欺だとしています
  • ウォレットの「復元フレーズ」は誰にも教えない:ウォレット会社のサポートを名乗る連絡も疑う(MetaMaskを名乗る詐欺の見分け方)

SNSやマッチングアプリで投資を勧められたときの見分け方はマッチングアプリ・SNSで仮想通貨の投資を勧められたら詐欺?で解説しています。

よくある手口ごとの解説もあわせて読んでおくと、次の勧誘に気づきやすくなります。警察官を名乗って「無実の証明に暗号資産を送れ」と言う電話はニセ警察詐欺の手口と見分け方、副業の保証金を暗号資産で払わせる手口は副業の「保証金を暗号資産で」は詐欺、著名人が勧めた仮想通貨の返金トラブルはASKAの仮想通貨「GEAr」の返金問題で解説しています。

よくある質問

Q. 仮想通貨詐欺の返金確率はどれくらいですか?

A. 仮想通貨詐欺の返金確率を示す公的な統計は見当たりません(2026年10月2日、警察庁・国民生活センター・消費者庁・金融庁・法務省のページで確認)。国民生活センターは払った後の被害回復には困難が伴うとし、第二東京弁護士会は送金先が海外の暗号資産交換業者だと被害回復は「ほぼ不可能な状況」としています。「返金率〇%」の広告は根拠を確かめられないので、それを理由に依頼しないでください。

Q. 「仮想通貨詐欺返金支援センター」のような窓口は公的機関ですか?

A. 名前に「センター」「支援」「救済」と入っていても、公的機関とは限りません。国民生活センターは、アダルトサイトの料金トラブルの解決をうたう探偵業者が、消費生活センターに似た名前を名乗り「返金可能」と誘っていた事例を公表しています。被害の種類は違っても、似た名前で誘う手口は同じです。公的な消費生活センターにつながりたいときは、相手の番号ではなく、消費者ホットライン188にかけてください。

Q. 返金業者に着手金・調査費を払ってしまいました。どうすればいいですか?

A. これ以上払わず、契約書・振込明細・やり取りを保存して、188(消費生活センター)と警察に相談してください。契約の中身が「調査」だったのに「返金できる」と説明された場合などは、消費生活センターが事情を聞いて対応を一緒に考えてくれます。払った方法(振込・クレジットカード・暗号資産)も伝えてください。

Q. 被害にあった後、知らない業者から「回収できます」と連絡が来ました。

A. 返信せず、お金を払わないでください。消費者庁は、見知らぬ業者から被害回復のためにお金を求められたら二次被害のおそれがあるとしています。JVCEAも、回収や返金をうたう追加の請求は二次被害の可能性があり、支払いや契約の前に公的な相談窓口へ確認するよう案内しています。

Q. 警察に「被害届は受け取れない」と言われたら?

A. 犯罪捜査規範61条は、被害の届け出は管轄区域の事件かどうかを問わず受理しなければならないと定めています。まず、送金記録と時系列のメモをそろえて、もう一度「被害届を出したい」とはっきり伝えてください。それでも難しいときは、#9110で都道府県警察の相談窓口に相談する方法があります。

Q. 海外の取引所や個人のウォレットに送った場合も、警察に相談する意味はありますか?

A. あります。送金先がどこでも、被害届と記録があれば捜査の材料になり、犯人が捕まって財産が没収された場合の被害回復給付金支給制度などで、被害者として名乗り出やすくなります。同じ犯人による被害の情報がそろうことも、捜査に役立ちます。

Q. 弁護士に頼むと、いくらかかりますか?

A. 費用は弁護士ごとに違うため、ここでは金額を書きません。依頼する前に、事件の進め方、被害回復の見通し、着手金・報酬金が妥当かの説明を受けてください(第二東京弁護士会)。収入・資産が一定以下なら、法テラスで無料の法律相談(同じ問題で3回まで)を受けられます。

Q. 188と#9110、どちらに先に電話すればいいですか?

A. 犯罪の被害として捜査してほしいなら#9110か警察署、業者とのトラブル(返金業者との契約など)なら188が向いています。迷ったら、188か#9110のどちらかに相談してください。国民生活センターも、二次被害の相談先として188と#9110を並べて案内しています。

まとめ:「返金できます」に払う前に、公的な窓口へ

まとめ(2026年10月2日時点)

  • 仮想通貨詐欺の被害を「返金できます」とうたう業者・探偵は、二次被害の入口になりうる。消費者庁・金融庁・国民生活センターが注意を呼びかけている
  • 弁護士でない者が報酬目的で返金交渉をすることは、弁護士法72条に触れる可能性がある(認定司法書士の140万円以下の代理などの例外を除く)。返金率を示す公的な統計は見当たらない
  • 相談先は、警察(被害届・#9110)、188、金融庁(0570-050588/0570-016811)、法テラス(0570-078374)・弁護士。送金先の凍結は、警察から取引所への依頼で動く
  • 銀行振込で払った分は振り込め詐欺救済法、犯人の財産が没収された場合は被害回復給付金支給制度が使える可能性がある

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出典(一次情報)

本記事のデータ・電話番号・受付時間は2026年10月2日時点の各公式ページで確認しています。法律の当てはめは個別の事情で変わるため、具体的な判断は弁護士・公的窓口に相談してください。

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