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ASKAの仮想通貨「GEAr」は詐欺?返金される?キルギス取引所の認可取消と相談先、「返金します」二次被害の手口【2026年10月最新】

コンサートのステージから歯車型のコインがキルギスの山の取引所へ流れ、単位のないレートを見て困るファンと返金をうたう人影が描かれたイラスト 詐欺・トラブル対処

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この記事の結論

歌手のASKA(アスカ)氏が紹介した仮想通貨(暗号資産)「GEAr(ギア)」について、2026年10月9日時点で、返金を約束する公式発表はASKA氏側・取扱業者のどちらからも出ていません。GEArを扱っていたキルギスの取引所「Liberty Exchange Japan」は、2025年12月29日にキルギスの金融当局から認可を取り消されています。日本の金融庁の暗号資産交換業者登録一覧にも名前はありません。

GEArを買った人がいまやるべきことは3つです。①振込明細・画面・やり取りの記録を残す、②消費者ホットライン188・金融庁の金融サービス利用者相談室・警察相談#9110に相談する、③「返金できます」「回収します」と近づいてくる業者にお金を払わない(二次被害)。

本記事の情報は、2026年9月25日時点の週刊現代(現代ビジネス)の報道、キルギス金融市場規制監督庁の発表、Liberty Exchangeの公開ページ、ASKA氏の所属事務所の声明、金融庁・消費者庁・警察の公式情報にもとづいています。2026年10月9日に、ファンクラブ公式サイトのお知らせ欄、Liberty Exchangeの申込ページ、金融庁の登録一覧と、金融庁が10月7日に公開した無登録業者の一覧をもう一度確認し、返金や事務所の追加見解の発表がないこと、ほかの状況にも変わりがないことを確かめました。新しい発表があれば追記します。なお、本記事はGEArや関係者を詐欺と断定するものではありません。

ASKAのGEArは返金される?結論:10月9日時点でも返金の公式発表はない

GEArの返金について、2026年10月9日時点でも公式な発表は見つかりませんでした。返金を約束している当事者は、ASKA氏側にも取扱業者側にもいないのが現状です。

週刊現代(2026年9月9日公開の現代ビジネス版)は、GEArを買ったファンから「元金の返金がされず困っています」という声が出ていると報じ、返金されない状況は今も続いていると伝えています。一方で、ASKA氏の所属事務所は記事の発売日(8月31日)に「事実関係を歪曲した内容」が含まれていると反論し、専門家の検証を踏まえて見解を改めて公表するとしています。10月9日時点でも、その見解はファンクラブ公式サイトのお知らせ欄に掲載されていません(お知らせ欄でGEArに触れているのは8月31日の声明だけで、その後はコンサートや番組の告知が続いています)。

まずは、知りたいことを一覧にまとめます。

知りたいこと 10月9日時点の答え 根拠
GEArは返金される? 返金を約束する公式発表はない 週刊現代の報道、事務所声明、Liberty Exchangeの公開ページ
取扱業者はどうなった? Liberty Exchange Japanは2025年12月29日にキルギス当局から認可を取り消された キルギス金融市場規制監督庁(2026年1月13日発表)
日本で登録された業者? 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(2026年9月1日現在・27業者)に名前はない 金融庁の登録一覧
金融庁の無登録業者の一覧に載っている? 載っていない(2026年10月7日に公開された一覧。国内3件・海外22件)。ただし、載っていないことは安全という意味ではない 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」
申込ページの返金ルールは? Liberty Exchangeの審査で参加できなかった場合と、初めての購入で振込後8日以内に申し出た場合は返金。それ以外は返金不可と書かれている Liberty Exchangeの申込ページ
GEArは詐欺と認定された? 詐欺と認定した公的機関の発表は確認できない。認可取消は法令・報告義務違反による行政処分 キルギス当局の発表
ASKA氏側の説明は? 事務所が8月31日に「事実と大きく異なる記述がある」と反論。投資トラブルへの具体的な説明はまだない ファンクラブ公式サイトの声明
いま何をすべき? 記録を残す → 188・金融庁の相談室・#9110に相談 → 「返金します」業者に払わない 消費者庁・金融庁・警察の公式案内

GEAr(ギア)とは?ASKA(アスカ)氏が紹介した仮想通貨の仕組み

GEAr(ギア)は、歌手のASKA氏がファンクラブで紹介した暗号資産で、キルギス共和国の取引所「Liberty Exchange」の中だけで売買されていた銘柄です。ビットコインのように国内外の大手取引所で売買されている銘柄ではなく、CoinMarketCapやCoinGeckoなどの価格サイトにも載っていません。報道では、ASKA氏の活動を支援していた「大ちゃん」と呼ばれる人物が手がける仮想通貨とされています。発行者の名前は、申込ページにも取引所のマニュアルにも書かれていません。

GEArの基本情報を、取引所の申込ページ・利用マニュアルと当局の発表から整理します。

項目 GEArの場合 根拠
名前・読み方 GEAr(ギア)。Gearbox Protocolの「GEAR」など、似た名前の銘柄とは別物 Liberty Exchangeの申込ページ
紹介した人 歌手のASKA氏。2023年からファンクラブで紹介していたと報道 週刊現代
売買できた場所 キルギスの取引所Liberty Exchangeの中だけ。運営会社Liberty Exchange Japanの認可は2025年12月29日に取消 キルギス金融市場規制監督庁
日本での登録 なし(金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に名前がない) 金融庁の登録一覧(2026年9月1日現在)
買い方 1口11万円(税込)を振り込んで動画配信サイト「Travel TV」のTRAVELポイントを買うと、着金日の単価でGEArに自動で交換される Liberty Exchangeの申込ページ
数量の単位 グラム(g)。保有量は「g」で表示される Liberty Exchangeの利用マニュアル
売り方(日本円に戻す方法) 10,000g以上から売却を申請。月末までの申請分を翌月末までに振込、1回800円の手数料(2023年のマニュアルの記載。認可取消後も同じ条件で売れるかは確認できない) Liberty Exchangeの利用マニュアル(2023年9月作成)
価格 単価は日々変わるとされるが、取引所の外では確かめられない Liberty Exchangeの利用マニュアル
GEArの説明 「重力発電機用パーツPOM」とだけ書かれ、価値の根拠の説明はない Liberty Exchangeの申込ページ

申込ページに書かれていた「GEArの買い方」

Liberty Exchangeには、日本語の申込ページ「【Travel TV ☓ GEAr】GEArエコノミー参加申請」があります。このページは2026年10月9日時点でも表示され、申込フォームも残っています。書かれている仕組みを整理すると、次のとおりです。

  1. 先にLiberty Exchangeで会員登録と本人確認をする
  2. 申込フォームにUID・氏名・メールアドレスを入れて参加を申請する
  3. 指定の口座に日本円を振り込み、動画配信サイト「Travel TV」の「TRAVELポイント」を買う
  4. TRAVELポイントは、着金日の単価で自動的にGEArに交換され、Liberty Exchangeの残高に反映される

参加金額は1口11万円(税込)と書かれています。同じサイトに掲載された「特定商取引法に基づく表示」のPDFには、GEArの販売事業者として国内の会社が記載されています。購入した人は、この表示に書かれた販売事業者名と、自分の振込先口座名を控えておくと、相談の際に役立ちます。GEArについては、ページ内で「重力発電機用パーツPOM」と説明されているだけで、その意味や価値の根拠は書かれていません。

Liberty ExchangeのGEAr参加申請ページ。参加金額1口11万円と、初回購入で振込後8日以内に限り返金可能とする返金ルールが書かれている
Liberty Exchangeの「GEArエコノミー参加申請」ページ(出典:deposit[.]libertyexchangewallet[.]kg、2026年9月25日取得)

GEArを売るときの条件は?2023年のマニュアルでは「月末締め・翌月末振込」

Liberty Exchangeのサイトには、英語の利用マニュアル(PDF、2023年9月22日作成)が置かれています。マニュアルには、GEArを日本円などの法定通貨に戻すときの「Sell GEAr(GEArの売却)」の手順が、次のように書かれています。

  • 保有しているGEArは、グラム(g)で表示される
  • 売却できるのは10,000g以上から
  • 月末までに申請した分は、翌月末までに指定の銀行口座へ振り込まれる
  • 売却1回ごとに800円の手数料が振込額から差し引かれる
  • 振込は、Liberty Exchange側が指定する会社が行う

このとおりなら、売却を申請してから日本円が届くまで、最長で約2か月かかる仕組みです。ただし、このマニュアルは2023年に作られたもので、運営会社の認可が取り消されたあとも同じ条件で売却・出金できるかは、公式の情報で確認できません。売却を申請した人は、申請日・申請した量(g)・画面に表示された単価と金額を、スクリーンショットで残しておいてください。マニュアルの文章には、単価が「1gあたり何円か、何ドルか」も書かれていません。

ASKA氏はGEArをどう紹介していたか

週刊現代によると、ASKA氏がGEArについて発信し始めたのは2023年です。ASKA氏はファンクラブサイト「Fellows」で、「日本の銀行にお金を入れておいてはいけない」としてキルギスの取引所への入金を勧め、「GEArは大丈夫」とも書いていたと報じられています。さらに、会社資産の3分の1を「大ちゃん」の組織が発行する暗号通貨に替えたと公言し、「ファンクラブ特別投資枠がある」と紹介していたとされます。

その結果、ファンクラブを通じて6,000人以上が課金し、1億円が集まったと同誌は伝えています。一方で、ASKA氏はブログで「僕はいち参加者」とも書いており、同誌はこれを「自己責任論」への転換だと指摘しています。

同じ名前の「GeAR」「GEAR」とは別物

名前が似た暗号資産に、Gearbox Protocolの「GEAR」や、2018年ごろに問題になった「GeAR」があります。ASKA氏が紹介したGEArは、これらとは別の銘柄です。CoinMarketCapやCoinGeckoで「GEAR」と検索して出てくる価格は、ASKA氏が紹介したGEArの価格ではないので注意してください。

GEArは、海外の1つの取引所の中だけで売買され、日本円に戻すにも運営の「月末締め・翌月末振込」を待つ仕組みでした。日本で暗号資産を買うなら、金融庁に登録した交換業者を通すのが、運営の実態を確かめやすい方法です。登録業者は、利用者の暗号資産を会社の資産と分けて管理すること(分別管理)を法律で求められています。たとえばOKJ(関東財務局長 第00020号)は、預かった暗号資産を100%コールドウォレットで分別管理していると公式ヘルプで説明しています(貸暗号資産を除く)。なお、口座を作ってもGEArの返金にはつながらないので、すでに買った人は下の「今すぐやるべき5つのこと」を先に進めてください。

OKJの口座開設ページを開く(公式)

当サイトの紹介リンクからOKJに登録し、メールアドレスの登録から90日以内に2万円以上の取引(約定)をすると、2,000円分のビットコインがもらえます(OKJ公式、2026年10月時点)。当サイトはOKJと紹介提携しており、このリンクから登録があると報酬を受け取ることがあります。

何が起きた?GEAr問題の時系列(2023年〜2026年9月)

GEArの問題は、2023年の紹介開始から、2025年末の認可取消、2026年8月末の報道へと進みました。公開情報で日付が確認できる出来事を時系列にまとめます。

日付 出来事 出典
2023年 ASKA氏がファンクラブでGEArを紹介し始める 週刊現代
2023年8月2日 Liberty Exchange Japan(ОсОО «Либерти Эксчейндж Жапан»)がキルギスで仮想資産交換業の認可を取得(認可番号ВА № 0041、登録番号37) キルギス金融市場規制監督庁
2023年11月 X上で「GEArのレート画面に単位がない(0.202とだけ表示)」という指摘が出る X上の投稿
2025年12月29日 キルギス当局が命令第727-п号で、Liberty Exchange Japanを含む5社の認可を取り消す キルギス金融市場規制監督庁
2026年1月13日 キルギス当局が認可取消を公式サイトで発表 同上
2026年7月 報道によると、「大ちゃん」の会社がASKA氏のスポンサーから外れる 週刊現代
2026年8月31日 週刊現代がGEArの投資トラブルを報道。同日、所属事務所が「事実関係を歪曲した内容」があると反論声明 週刊現代、Fellows
2026年9月1日 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(9月1日現在・27業者)にLiberty Exchange Japanの名前なし 金融庁
2026年9月9日 現代ビジネスが前後編をウェブで公開。「6,000人以上・1億円」「元金の返金がされず困っています」 現代ビジネス
2026年9月19日 ASKA氏の全国ツアーが始まる(報道時点の予定) 現代ビジネス
2026年9月25日 返金・事務所の追加見解の公式発表なし。Liberty Exchangeの申込ページは表示されたまま 当サイト確認
2026年10月7日 金融庁が無登録業者の一覧のページを公開(国内3件・海外22件)。Liberty Exchange Japanの名前なし 金融庁
2026年10月9日 返金・事務所の追加見解の公式発表は引き続きなし。Liberty Exchangeの申込ページと申込フォームは表示されたまま 当サイト確認

キルギス当局が認可を取り消した理由

キルギス金融市場規制監督庁は2026年1月13日、仮想資産交換業者5社の認可を取り消したと発表しました。その5社目に「Liberty Exchange Japan」が載っています。理由は、仮想資産に関する法律を守る義務と、取引の情報・報告書を期限どおり出す義務への違反です。具体的には、毎月の業務報告と、国際会計基準(IFRS)で作る四半期ごとの財務報告を定めた規定が挙げられています。

週刊現代も、取引所が「決算未報告などの理由」で認可を取り消され、現地当局に届け出ていたウォレットにはほとんどお金が残っていなかったと報じています。ただし、認可取消は報告義務などへの違反に対する行政処分であり、キルギス当局がGEArを「詐欺」と認定したわけではありません。

キルギス金融市場規制監督庁が2026年1月13日に発表した、Liberty Exchange Japanを含む仮想資産交換業者5社の認可取消の告知
キルギス金融市場規制監督庁の発表(ロシア語)。赤枠が「Liberty Exchange Japan」の認可取消(出典:fsa.gov.kg、2026年1月13日発表、2026年9月25日取得)

GEArは詐欺なのか?公的機関の判断と5つの問題点

GEArを「詐欺」と認定した公的機関の発表は、10月9日時点で確認できません。ただし、公開情報からは、お金を預ける先として避けるべき条件がいくつも重なっていることが分かります。

問題点 GEArの状況 読者にとっての意味
1. 取扱業者の認可 キルギスの認可は2025年12月29日に取消 現地でも業者として認められていない状態
2. 日本での登録 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に名前なし 日本の法律で守られた「登録業者」ではない
3. 価格の分かりやすさ レート画面に単位がないと指摘された。外部の価格サイトに載っていない 自分の資産が円でいくらか、外から確かめられない
4. 返金ルール 審査で参加できなかった場合と、初めての購入で振込後8日以内の申し出だけ返金。それ以外は返金不可 8日を過ぎると、ルール上は返金の道がほぼない
5. 中身の説明 「重力発電機用パーツPOM」とあるだけで、価値の根拠の説明がない 何に投資しているのか分からない

日本では、日本に住む人を相手に暗号資産の売買や交換を仕事として行うには、資金決済法にもとづいて金融庁(財務局)の登録を受ける必要があります。登録のない業者とのトラブルは、登録業者と違って業界団体の苦情窓口などが使えず、お金を取り戻すのが難しくなりがちです。

「詐欺かどうか」の判断は、最終的には警察や裁判所が行います。読者として大切なのは、詐欺と断定されるのを待つことではなく、いま手元にある記録を残し、公的な窓口に早めに相談することです。

「レートに単位がない」とはどういうこと?11万円で計算すると違いが分かる

レートに単位がないと、自分が持っているGEArが日本円でいくらなのか計算できません。2023年11月、X上で「GEArのレート画面に0.202とだけ表示され、単位が書かれていない」という指摘が出ていました。申込ページには「着金日の単価で、支払った日本円で買える数量のGEArに交換する」とありますが、その単価が何円なのか、何ドルなのかは書かれていません。

同じ11万円でも、単位しだいで受け取る数量が150倍変わる

1口11万円を入金し、そのときの表示が「0.202」だったと仮定します。表示の単位が「円」か「ドル」かで、受け取るGEArの数量は次のように変わります(ドルの場合は1ドル=150円で計算)。

0.202の単位 計算 受け取るGEArの数量
円の場合 110,000円 ÷ 0.202円 約544,554GEAr
ドルの場合 110,000円 ÷ 150円 ÷ 0.202ドル 約3,630GEAr
単位が書かれていない場合 計算できない 業者が決めた数量をそのまま受け入れるしかない

単位が円かドルかだけで、数量に約150倍の差が出ます。単位が書かれていなければ、利用者は自分に反映された数量が正しいのかどうかも確かめられません。

「2倍になった」は、出金できて初めて意味がある

表示が0.202から0.404に上がったとします。円の場合なら、544,554GEAr×0.404で、画面上は約22万円になります。しかし、その金額を日本円で出金できなければ、画面の数字が増えただけで、手元のお金は1円も増えていません。

図解:資産の価値は「画面の数字」ではなく「出金できる金額」で決まる

入金 110,000円 → 画面の表示 544,554GEAr(単価0.202) → 表示が2倍(0.404)→ 画面上は約220,000円

 └ 出金できる場合:手元に戻るのは実際に出金できた金額(手数料を引いたあと)

 └ 出金できない場合:手元に戻るのは0円。画面の数字は「業者の帳簿の中の数字」にすぎない

ビットコインのように多くの取引所で売買されている暗号資産なら、CoinMarketCapなどの外部サイトで価格を確かめられます。GEArのように1つの業者の中でしか値段がつかない銘柄は、その業者が表示する数字しか確かめる手段がないという点を覚えておいてください。

GEArを買った人が今すぐやるべき5つのこと

GEArを買った人がまずやるべきことは、記録を残すことと、公的な窓口に相談することです。お金が戻るかどうかは状況しだいですが、記録がないと、どの窓口に相談しても話が前に進みません。

  1. 記録を集めて保存する:振込明細、通帳の該当ページ、申込フォームの控え、Liberty Exchangeの残高・取引履歴の画面、勧誘されたときのブログ・メール・メッセージをスクリーンショットで残す。サイトが見られなくなる前に、日付が分かる形で保存する
  2. いくら払ったかを表にする:振込日・金額・振込先・口数・反映されたGEArの数量を1行ずつ書き出す。複数回払った人は合計額も出しておく
  3. 返金を求めたら、その記録も残す:申込ページの問い合わせ窓口に返金を求めた場合は、送った文面と日付、返事の有無を保存する。電話でのやり取りは日時と内容をメモする
  4. 公的な窓口に相談する:消費者ホットライン188、金融庁の金融サービス利用者相談室、警察相談#9110(使い分けは次の章)
  5. 追加でお金を払わない:「出金するには手数料が必要」「追加で入金すれば返金できる」と言われても払わない。追加の支払いを求められたら、それ自体が危険のサインです

なお、申込ページの返金ルールは「Liberty Exchangeの審査で参加できなかった場合」と「初めての購入で、振込後8日以内の申し出」に限られています。通信販売には法律上のクーリング・オフ制度がないため、原則として事業者が決めた返品ルールが適用されます。8日を過ぎた場合の扱いや、ルール自体が有効かどうかは、個別の事情しだいです。自分で判断せず、次の窓口に相談してください。

どこに相談する?188・金融サービス利用者相談室・#9110の使い分け

GEArのトラブルは、まず消費者ホットライン188に相談するのが入りやすい窓口です。お金をだまし取られたと考える場合は、警察相談#9110も使えます。相談はすべて無料で、1つに絞る必要はありません(通話料はかかります)。

消費者ホットライン

電話:188(いやや)

受付時間:原則毎日(施設点検日・年末年始を除く。地域の消費生活センターが開いていない土日祝などは国民生活センターが補完)

こんなときに:返金を求めたい、契約の内容が分からない。近くの消費生活センターにつながる

できないこと:強制的にお金を取り戻すこと

金融庁 金融サービス利用者相談室

電話:0570-016811

受付時間:平日10〜17時(ウェブ受付は24時間)。IP電話からは03-5251-6811

こんなときに:業者が登録業者か知りたい、無登録業者の情報を伝えたい

できないこと:業者との間に入る「あっせん・仲介」

警察相談専用電話

電話:#9110

受付時間:平日8時30分〜17時15分が基本(都道府県警察で異なる。夜間・休日は当直などで対応)

こんなときに:だまし取られたと考える、脅された、二次被害の連絡が来た

できないこと:民事の返金交渉の代行

法テラス

電話:0570-078374

受付時間:平日9〜21時、土曜9〜17時

こんなときに:弁護士に相談したいが、どこに頼めばいいか分からない

補足:収入などの条件を満たせば無料法律相談を使える

緊急の場合(いま脅されている、お金を払えと迫られている)は、#9110ではなく110番に電話してください。

金融庁の金融サービス利用者相談室のページ。電話番号と平日10時から17時の受付時間が書かれている
金融庁「金融サービス利用者相談室」(出典:fsa.go.jp、2026年9月25日取得)

相談の前に準備するもの

相談の電話をかける前に、次のものを手元にそろえておくと話が早く進みます。

準備するもの 具体例
支払いの記録 振込明細、通帳のコピー、クレジットカードの利用明細
相手の情報 取引所名(Liberty Exchange)、申込ページのURL、販売事業者名、振込先口座名
契約の内容 申込フォームの控え、利用規約・返金ルールのスクリーンショット
残高の記録 Liberty Exchangeの残高・取引履歴の画面(日付が分かるもの)
勧誘の記録 勧められたブログ・投稿・メッセージのスクリーンショット、勧めた人とのやり取り
時系列のメモ いつ知り、いつ申し込み、いつ払い、いつ出金できないと気づいたか

「ファンとして応援している人を訴えることになるのでは」と相談をためらう人もいるかもしれません。相談窓口は、起きたことを整理し、次に取れる手段を一緒に考える場所です。相談することと、誰かを責めることは別だと考えて、早めに連絡してください。

金融庁の登録業者か調べる方法【3分・画面付き】

勧誘された業者が日本の登録業者かどうかは、金融庁のサイトで3分ほどで調べられます。お金を入れる前に、必ず正式な会社名で調べる習慣をつけてください。

海外の取引所に関心がある人は、海外取引所ランキングで手数料と金融庁の警告の有無を比べられます。どれも日本の登録業者ではないことを前提に読んでください。

ステップ1:金融庁の「登録業者一覧」ページを開く

金融庁の「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」ページを開き、「暗号資産交換業者」の一覧(PDFまたはExcel)を開きます。一覧の右上に「令和8年9月1日現在」のように、いつ時点の情報かが書かれています。

金融庁の免許・許可・登録等を受けている事業者一覧のページ。暗号資産交換業者の一覧へのリンクを赤枠で示している
ステップ1:金融庁の事業者一覧ページで「暗号資産交換業者」を開く(出典:fsa.go.jp、2026年9月25日取得)

ステップ2:会社名と取り扱う暗号資産を確認する

一覧には、登録番号・会社名・所在地・電話番号・取り扱う暗号資産が載っています。2026年9月1日現在の登録は27業者で、Liberty Exchange Japanの名前も、取り扱う暗号資産の欄に「GEAr」もありません。サービス名(アプリ名)ではなく会社名で探すのがコツです。

ステップ3:金融事業者検索でも確かめる

金融庁の「金融事業者検索」では、会社名の一部を入れて、登録を受けているかを検索できます。一覧のPDFで見つからない場合の確認に使えます。

金融庁の金融事業者検索のトップページ。会社名を入れて登録の有無を調べられる入力欄を赤枠で示している
ステップ3:金融庁の「金融事業者検索」で会社名を調べる(出典:search.fsa.go.jp、2026年9月25日取得)

ステップ4:無登録業者の警告リストも見る

金融庁は、無登録で日本の居住者に営業していた業者に警告を出し、名前を公表しています。2026年10月7日からは、国内業者(3件)と海外業者(22件)の一覧が「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」という1つのページで見られます。10月9日時点で、Liberty Exchange Japanはこの一覧に載っていません。ただし、金融庁はリストに載っていないことは「問題がない」という意味ではないと注意書きをしています。登録一覧に名前がなければ、それだけで十分に警戒すべきです。

日本の登録業者の中でも、「販売所」と「取引所」ではコストが大きく違います。登録業者の選び方は金融庁、暗号資産交換業者の「販売所」誘導に懸念表明|取引所との違いと損しない見分け方で解説しています。

「返金します」は二次被害の入口:よくある手口と断り方

お金が戻らずに困っている人を狙って、「返金を手伝う」と近づく業者がいます。「返金できます」「取り戻せます」という連絡は、二次被害を疑ってください。消費者庁も、投資トラブルにあった人を狙う二次被害に注意を呼びかけています。

よくある言い方 本当のねらい どうする
「返金を受けるには、別の投資商品を買う必要がある」 新たな入金をさせる きっぱり断る。188に相談
「国の救済制度で返金を受けられる」 公的機関を名乗って手数料を取る 国や警察が電話で手数料を求めることはない。#9110に相談
「返金手続きを代行する」「着手金を払えば回収する」 着手金・調査費をだまし取る 支払わない。弁護士に頼むなら法テラスや弁護士会で探す
「GEArを高く買い取る」「出金には手数料が必要」 追加の送金をさせる 送金しない。業者の名前とやり取りを記録する
「暗号資産を追跡して取り戻せる」(SNS・ネット広告) 調査費をだまし取る、ウォレットの秘密鍵を聞き出す 秘密鍵・パスワードは誰にも教えない

国民生活センターは、探偵業者について「依頼者の代理人として返金交渉をすることはできない」と説明しています。返金の交渉を代わりにできるのは、原則として弁護士(金額によっては認定司法書士)です。「探偵」「調査会社」「回収業者」を名乗る相手に、返金交渉のためのお金を払わないでください。

二次被害の連絡は、元の被害の情報(名前・金額・連絡先)が出回っていることで届くこともあります。GEArのように同じファンのコミュニティで多くの人が買った商品では、「同じ被害者の会」を名乗って近づく手口にも注意が必要です。返金トラブルでの二次被害は、XENEAはどうなった?Wallet終了とプロジェクト継続困難の経緯、GEM・NFT返金の現状でも詳しく扱っています。

消費者庁の「投資系トラブルの二次被害にご注意ください!」のページ。返金をうたう勧誘の例が書かれている
消費者庁の二次被害への注意喚起(出典:caa.go.jp、2026年9月25日取得)

著名人が勧める仮想通貨を見分けるチェックリスト

著名人が勧めているからといって、その暗号資産が安全だとは限りません。有名人の紹介は、安全性の証明にはならないと考え、お金を入れる前に次の7項目を確かめてください。GEArは、公開情報で確認できる範囲では7項目中6項目で「危険」に当てはまります。有名人が関わった暗号資産がその後どうなったかは、「芸能人が勧める仮想通貨」は安心?有名人が関わった10事例の末路にまとめています。

チェック項目 安全の目安 GEArの場合
1. 金融庁の登録業者か 登録一覧に会社名がある × 名前なし
2. 海外の認可は今も有効か 現地当局のサイトで有効と確認できる × 2025年12月29日に取消
3. 外部の価格サイトに載っているか CoinMarketCap・CoinGeckoで価格が見られる × 確認できない
4. レートに単位があるか 「1枚=○円」「1枚=○ドル」と書かれている × 単位がないと指摘された
5. 出金の条件が書かれているか 出金方法・手数料・日数が明記されている △ 申込ページは「業者所定のルール」とだけ。2023年の英語マニュアルには条件があるが、今も有効か確認できない
6. 返金ルールは納得できるか 理由があれば返金される × 初回・8日以内以外は返金不可
7. 「特別枠」「今だけ」と急がせていないか 考える時間があり、限定をうたわない × 「ファンクラブ特別投資枠」と紹介されたと報道

1つでも「×」があれば、お金を入れるのは見送るのが安全です。高い利回りをうたう案件の見分け方は仮想通貨の「利回り」、何%なら安全? 怪しい高利回り案件の見分け方、配当が止まって出金できなくなる仕組みはBitradeXは詐欺?急増するポンジスキームの手口と安全な仮想通貨取引所の選び方で解説しています。

よくある質問(FAQ)

ASKA(あすか)が紹介した仮想通貨(暗号資産)とは?

歌手のASKA(あすか/アスカ。ローマ字で「asuka」と検索されることもあります)氏が紹介した仮想通貨は、「GEAr(ギア)」という暗号資産です。キルギスの取引所「Liberty Exchange」の中だけで売買され、日本円で動画配信サイト「Travel TV」のポイントを買うとGEArに交換される仕組みでした。取扱業者のLiberty Exchange Japanは2025年12月29日にキルギス当局から認可を取り消されており、日本の金融庁の登録一覧にも名前はありません。2026年10月9日時点で、返金を約束する公式発表は出ていません。

ASKA氏のGEArは、今から返金を求められますか?

返金を求めること自体はできます。ただし、10月9日時点で返金を約束する公式発表はなく、取扱業者のLiberty Exchange Japanはキルギスで認可を取り消されています。申込ページの問い合わせ窓口に返金を求めた記録を残したうえで、188や法テラスに相談して、取れる手段を確認してください。

「振込後8日以内なら返金」のルールは、8日を過ぎたらもう無理ですか?

申込ページには、Liberty Exchangeの審査で参加できなかった場合の返金とは別に、「初めての購入に限り、振込後8日以内の申し出で返金可能、それ以外は返金不可」と書かれています。ただし、勧誘のされ方や契約の中身によっては、ほかの法律で争える場合もあります。自分で諦めず、消費生活センター(188)や弁護士に、記録を持って相談してください。

GEArを売って日本円に戻すことはできますか?

GEArはLiberty Exchangeの中でしか値段がつかない銘柄で、外部の取引所で売ることはできません。Liberty Exchange内で今も売却・出金ができるかどうかは、公式に確認できる情報がありません。「GEArを高く買い取る」という業者は二次被害を疑ってください。

GEArは詐欺と決まったのですか?

決まっていません。GEArを詐欺と認定した公的機関の発表は、10月9日時点で確認できません。キルギス当局の認可取消は、報告義務などへの違反に対する行政処分です。一方で、金融庁の登録がない、レートに単位がない、返金が限られるなど、お金を預ける先として避けるべき条件は重なっています。

ASKA氏側は何と言っていますか?

所属事務所のバーニッシュストーン有限会社は2026年8月31日、週刊現代の記事に「事実関係を歪曲した内容や、実際の事実とは大きく異なる記述が含まれている」と反論しました。専門家の検証を踏まえて見解を改めて公表するとしていますが、10月9日時点で追加の見解は出ていません。週刊現代は、ASKA氏に質問状を送ったものの回答は得られなかったと伝えています。

Liberty Exchangeは、金融庁の無登録業者の一覧(警告)に載っていますか?

載っていません(2026年10月9日確認)。金融庁が10月7日に公開した無登録業者の一覧には国内3件・海外22件が載っていますが、Liberty Exchange Japanの名前はありません。ただし金融庁は、一覧に載っていない業者でも無登録で営業していることがあると注意しています。Liberty Exchange Japanは日本の暗号資産交換業者の登録一覧にも名前がないため、日本の登録業者ではありません。

GEArの損失は、確定申告で差し引けますか?

暗号資産の売却などで出た損失は、原則として「雑所得」の中でしか差し引けず、給与所得などとは相殺できません。また、国税庁は、災害や盗難・横領による損失を差し引く「雑損控除」について、詐欺の場合は受けられないと説明しています。GEArの損失の扱いは状況によって変わるため、税務署や税理士に確認してください。暗号資産の税金の基本は仮想通貨の確定申告のやり方で解説しています。

家族がGEArを買っていたと分かりました。どうすればいいですか?

まず責めずに、振込明細や画面の記録を一緒に集めてください。そのうえで、本人と一緒に188に電話するのが近道です。追加の入金や「返金手続き」への支払いを止めることを最優先にしてください。

まとめ:返金の公式発表はない。記録を残し、公的窓口へ

ASKA氏が紹介した仮想通貨GEArについて、2026年10月9日時点で返金を約束する公式発表はありません。取扱業者のLiberty Exchange Japanは2025年12月29日にキルギスで認可を取り消され、日本の金融庁の登録一覧にも名前はありません。申込ページの返金ルールは「初めての購入で、振込後8日以内」に限られています。

GEArを買った人は、記録を残し、188・金融庁の金融サービス利用者相談室・#9110に相談することから始めてください。そして、「返金できます」と近づく業者には、1円も払わないでください。これから暗号資産を買う人は、著名人の紹介ではなく、金融庁の登録一覧で会社名を確かめることを習慣にしましょう。

本記事のデータは2026年10月9日時点のものです(週刊現代の報道は2026年9月9日、キルギス当局の発表は2026年1月13日の内容)。事務所の見解や返金に関する新しい発表があれば追記します。

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出典

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