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「金融庁がDEX(分散型取引所)を規制するらしい」「Hyperliquid(ハイパーリキッド)やMetaMask(メタマスク)は日本から使えなくなるの?」――2026年9月30日に金融庁が開いた会議の資料をきっかけに、こうした声がSNSで広がっています。
この記事では、金融庁が公開した会議資料と、その元になった2025年12月の報告書、すでに成立している改正金融商品取引法の資料をもとに、何が決まっていて、何が決まっていないのかを整理します。資料に書かれていないことは「資料には書かれていない」とはっきり分けて書きます。
この記事の結論(2026年10月9日時点)
- まだ何も決まっていません。金融庁は2026年9月30日の「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の資料で、DEX・DeFi(分散型金融)・ウォレット提供業者の規制のあり方をこれから検討すると示しただけです。
- 今回の会議によって、今すぐ変わることはありません。資料にはHyperliquid・MetaMaskなど個別のサービス名は出てこず、日本からの利用を止める内容や、利用者を罰する内容も書かれていません。
- 今後の予定は、2027年初めにフォーラムの第2回を開き、中間整理と官民のロードマップをまとめることです。具体的な検討は金融庁の「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」で行いますが、次回の日程はまだ公表されていません。
- 別の動きとして、国内取引所から自分のウォレットへの送金には、待ち時間が出る場合があります。8月の金融庁・警察庁の要請を受けて、新しく登録した送金先への送金を一定期間止める取引所がすでにあり(コインチェックなど)、さらに改正金商法の内閣府令で、新規口座の開設直後は自分で管理するウォレットへ送れない「熟慮期間」を設ける予定です。DEXを使う人に今いちばん近い変化はこちらです。すでに成立した改正金商法(暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移す法律)の全体は、暗号資産の規制が金融商品取引法へ移行、改正法の解説にまとめています。
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金融庁は何を発表した?「オンチェーン金融フォーラム」の中身
金融庁は2026年9月30日、「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の第1回を開き、DEX・DeFi・ウォレット提供業者を含む制度の検討を始めると資料で示しました。「オンチェーン金融」とは、ブロックチェーン上で決済や資産のやり取りを行う金融の仕組みのことで、金融庁は24時間365日動くこと、商取引や物流とプログラムでつなげられることなどを利点に挙げています。
フォーラムは、金融庁が9月25日に立ち上げを発表した会議です。暗号資産やステーブルコインの規制だけを話し合う場ではなく、銀行預金や国債のトークン化、AIの使い方まで含めて、関係省庁と有識者が横断的に検討する場として作られました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会議の名前 | AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム(第1回) |
| 日時 | 2026年9月30日(水)14時〜15時 |
| 座長 | 内閣府特命担当大臣(金融担当) |
| メンバー | 有識者8人(大学教授・監査法人・シンクタンクなど)と、金融庁・デジタル庁・財務省・日本銀行・全国銀行協会 |
| 議題 | 関係省庁等からの報告、討議 |
| 公開された資料 | 資料1(メンバー名簿)、資料2(金融庁説明資料・28ページ)。議事要旨は10月1日時点で未公開 |
| 担当部署 | 金融庁 資産運用・保険監督局 暗号資産・ステーブルコイン課 デジタル決済企画室 |
| 次回 | 2027年初めに第2回。中間整理と官民連携のロードマップをまとめる予定 |
出典:金融庁「第1回 議事次第」、資料1 メンバー名簿(PDF)、資料2 金融庁説明資料(PDF)(いずれも2026年10月1日確認)
フォーラムが扱う3つのテーマ
資料2の1ページ目によると、フォーラムは大きく3つのテーマを扱います。DEX・DeFiの話は、このうち2つ目の「環境整備」の一項目です。
| テーマ | 主な中身(資料2より) | どこで検討するか |
|---|---|---|
| ① オンチェーン金融の社会実装 | 官民のロードマップ作成、決済高度化プロジェクト(PIP)の継続・拡大、日銀当座預金のオンチェーン対応、国債等のトークン化対応、ステーブルコインの公金給付への活用 | フォーラム本体 |
| ② オンチェーン金融を発展させる環境整備 | 様々な資産のトークン化、ステーブルコイン、DEX・DeFiやウォレット提供業者に関する制度のあり方の点検・検討 | デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会 |
| ③ AI等の技術への適応 | 金融機関のAIの使い方、AIの普及に合わせた監督のあり方、量子コンピュータによるリスクの把握 | AI等の健全な利活用の推進に関する研究会 |
検討の流れ(金融庁 資料2をもとに作成)
座長:金融担当大臣/第1回 2026年9月30日
トークン化・ステーブルコイン・DEX・DeFi・ウォレット提供業者の制度を点検・検討
次回の日程:未公表(2026年10月9日時点)
金融機関のAI活用・監督のあり方・量子コンピュータのリスク
中間整理と官民連携のロードマップを取りまとめる予定

DEX・DeFi・ウォレットについて、資料に書かれていること・書かれていないこと
9月30日の資料2でDEX・DeFi・ウォレットについて新しく示されたのは、これらの制度を「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」で点検・検討し、2027年初めに中間整理をまとめるという段取りです。検討する方針そのものは、2026年7月21日の政府の「金融戦略」ですでに示されていました。規制の中身、対象になる事業者の範囲、始まる時期は、どちらにも書かれていません。
資料2の4ページ目には、2026年7月21日に政府がまとめた「成長投資を促進するための金融戦略」から、次の文が再掲されています。
DEX(分散型取引所)を始めとするDeFi(分散型金融)や、ウォレット提供業者に関するリスク低減策(技術的性質に合わせた過不足のない規制を含む)の在り方について、各国の動向も注視しながら、検討を行う。
出典:金融庁「オンチェーン金融フォーラム」資料2、4ページ(「成長投資を促進するための金融戦略」2026年7月21日の抜粋)
資料2の本文でDEX・DeFiに触れているのは、この1文と1ページ目の項目だけです(ほかに25ページの(参考)がありますが、次の項のとおり2025年12月の報告書の再掲です)。書かれていること・いないことを表にすると、次のとおりです。
| 論点 | 資料に書かれていること | 資料に書かれていないこと |
|---|---|---|
| 対象 | DEXを始めとするDeFi、ウォレット提供業者 | 個別のサービス名(Hyperliquid・MetaMaskなど)、「ウォレット提供業者」の定義 |
| 何をするか | リスクを下げる方法と規制のあり方を検討する | 規制の具体的な中身(登録制か、届出制か、何を義務にするか) |
| 規制の考え方 | 「技術的性質に合わせた過不足のない規制」、各国の動向を注視 | 禁止するかどうか |
| 時期 | 2027年初めにフォーラム第2回(中間整理・ロードマップ) | 規制が始まる時期、法改正をするかどうか |
| 利用者 | (記載なし) | 日本からの利用の制限、利用者への罰則 |
「UI側に本人確認」は9月30日の新方針ではない
Xでは「金融庁の資料で、DEXそのものではなく、DEXにつなぐアプリ(UI)に本人確認を求める方向が示された」という投稿が広がっています。この記述があるのは資料2の25ページ目の「(参考)DEX等への対応」で、出典は2025年12月10日の金融審議会ワーキング・グループ報告の参考資料です。9月30日に新しく決まった方針ではなく、昨年12月の報告書を参考として載せたものです。
ただし、この報告書は金融庁の審議会がまとめたもので、今回の検討の出発点になる内容です。次の章で、報告書がDEXについて何を書いているかを整理します。
金融庁はDEXをどう見ている?2025年12月の報告書の整理
金融審議会の「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」報告(2025年12月10日)は、DEXについて「明確な規制の手法が確立されていない」とした上で、今の取引所向けの規制とは違う、DEXの仕組みに合った規制を検討し続けるのが適当だとまとめています。座長は、今回のフォーラムのメンバーでもある森下哲朗・上智大学教授です。
報告書のDEXの部分(本文26〜27ページ)を、要点ごとに整理します。
| 論点 | 報告書の整理(要約) |
|---|---|
| DEXとは | 明確な定義はない。一般に、運営者が仲介せず利用者同士がスマートコントラクトで直接交換する、ガバナンストークンの投票で運営が決まり中央の管理者がいないか特定しにくい、という性質がある。ただし、DEXと名乗っていても実際は中央集権的なサービスもあるとの指摘がある |
| 今の法律との関係 | DEXのプログラムを開発・設置することは、一定の場合には暗号資産交換業に当たる余地がある。一方で、自ら勧誘をせず、開発後はプログラムが動くだけで人の関与が少ないという特徴がある |
| 海外の扱い | 欧米では、一定のDEXを規制の対象外とする整理がされている |
| リスク | プログラムの不備などで利用者が思わぬ損害を受けるリスク、マネー・ローンダリングに使われるリスクがある |
| DEXそのものの規制 | 今の交換業者向けとは違う「技術的性質に合わせた過不足のない規制」のあり方を、各国の動向を見ながら継続して検討するのが適当 |
| DEXにつなぐアプリ(UI) | 国内居住者向けにUIを提供する者には、接続先のリスクの説明義務や、犯罪収益移転防止法の本人確認を含むマネロン対策など、リスクに応じた規制を課すことを念頭に、まずはそうしたサービスの実態把握を深める必要がある |
| 国際的な議論 | DEXのマネロン対策は1つの国では完結しないため、国際的な議論が考えられる |
| 当面の対応 | DEXや日本で登録を受けていない業者で取引すると思わぬ損害を受けるリスクがあることを、行政や交換業者が十分に周知すべき |
| DeFi全体 | DEXに限らずDeFiについても、将来の規制を考える上で実態把握が必要との意見があった(脚注) |
出典:金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」報告(2025年12月10日、PDF)26〜27ページ・脚注89を本サイトで要約
この報告書のポイントは、規制の重心が「DEXのプログラムそのもの」より「日本の利用者にサービスを届ける人」に置かれていることです。ただし、「まずは実態把握を深める」という段階で、どのアプリやサービスが「UIを提供する者」に当たるのかは、報告書にも書かれていません。
「ウォレット提供業者」とはどんな業者?
資料2は「ウォレット提供業者」の定義を書いていません。報告書を読むと、ウォレットに関係する事業者として、少なくとも次の2種類が出てきます。MetaMaskのような自己管理型ウォレットのアプリを名指しした記述はありません。
- 交換業者にウォレットのシステムを提供する事業者:最近の流出事件で、交換業者向けのウォレットソフトを提供する会社が攻撃されたことが一因になった例があるとして、行政への事前届出などの規制を設けるべきとした。これは改正金商法ですでに導入が決まっている(次の章)
- 利用者の署名鍵の一部だけを預かる事業者:今は暗号資産の管理に当たらないため交換業の登録は不要だが、鍵を失うと利用者が資産を動かせなくなるリスクがある。ただし個人は国内取引所のウォレットを使うのが中心なので、ただちに規制する必要性は低く、「将来的な課題」として検討するのが適当とした(脚注72)
9月30日の資料の「ウォレット提供業者」が、このどちらを指すのか、ほかのウォレットも含むのかは、資料には書かれていません。今後の研究会の資料で示されるのを待つ必要があります。
すでに決まっていることは?改正金商法と送金の「熟慮期間」
DEXそのものの規制は検討段階ですが、DEXを使う人に関係するルールのうち、いくつかは改正金融商品取引法(2026年7月15日成立、7月23日公布)ですでに決まっています。暗号資産に関する部分は、公布から1年以内に政令で定める日(遅くとも2027年7月22日まで)に施行されます。
| ルール | 状態 | DEXを使う人との関係 |
|---|---|---|
| 新規口座の直後はアンホステッド・ウォレット(自分で管理するウォレット)へ送れない「熟慮期間」 | 改正法の内閣府令で措置する予定。金融行政方針(2026年9月)で「制度的対応を滞りなく進める」と明記 | 新規口座を開いた直後に、国内取引所からMetaMaskなどへ送るときに待ち時間が生じうる |
| 出庫制限・送金先の事前登録など(金融庁・警察庁の要請) | 2026年8月6日に業界団体へ要請済み。対応の中身と時期は取引所ごとに違う | すでに一部の国内取引所で、新しい送金先への送金に待ち時間が導入されている |
| 暗号資産のインサイダー取引規制(内部情報を知る立場の人が対象) | 改正法で新設。対象は国内の暗号資産取引業者が扱う暗号資産 | WG報告は、DEXでの取引も含めて規制の対象にするのが適当としている |
| 交換業者向けウォレットシステムの提供業者 | 改正法で事前届出・システムの安全確保義務を導入 | 国内取引所の安全対策の話で、個人のウォレットアプリの規制ではない |
| 無登録業者への罰則の強化 | 拘禁刑3年→10年(暗号資産部分の施行日から)。改正法で決定 | 対象は業者。利用者を処罰する内容は金融庁の説明資料に見当たらない |
出典:金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(PDF)4〜5・13ページ、衆議院 議案審議経過情報(令和8年7月23日公布・法律第64号)、金融庁「2026事務年度 金融行政方針」(PDF)、金融庁「暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について」(2026年8月6日)、金融審議会WG報告30〜31ページ(いずれも2026年10月1日確認)

金融庁と警察庁が8月6日に業界団体へ要請した対策には、「日本円の入金や暗号資産の購入の後、一定期間は出庫(送金)を制限する」「送金先を事前に登録させ、登録後一定期間は送金を制限する」といった項目が含まれています。特殊詐欺の被害金が暗号資産に換えられて送られる事例が増えたためで、DEXの規制とは目的が違います。ただ、国内取引所で買った暗号資産をDEXへ送る人にとっては、こちらのほうが先に効いてきます。たとえばコインチェックは、新しく登録した送金先への送金に一定期間の制限を設けています(コインチェックの新規アドレス送金の制限)。
改正法の全体像と、施行日・税金(申告分離課税)の時期は、暗号資産の規制が資金決済法から金融商品取引法へ移行、改正法の解説で詳しく解説しています。海外の無登録取引所(MEXCなど)を使う人への影響は、MEXCは日本で違法?改正金商法のポイントで整理しています。
今後の日程は?2027年初めに中間整理
次の大きな節目は、2027年初めのフォーラム第2回で、ここで中間整理と官民のロードマップがまとまる予定です。ただし中間整理は検討の途中経過で、規制がすぐに始まるわけではありません。DEXの具体的な議論をする「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」は、2021年7月に設置された既存の研究会で、最後の開催は2023年11月13日の第12回です。10月1日時点で、次回の開催日は公表されていません。
| 時期 | 出来事 | 状態 |
|---|---|---|
| 2025年12月10日 | 金融審議会WG報告。DEXは「継続して検討」、UI提供者は「まず実態把握」 | 済み |
| 2026年7月15日・23日 | 改正金商法が成立・公布 | 済み |
| 2026年7月21日 | 「成長投資を促進するための金融戦略」に、DEX・DeFi・ウォレット提供業者の検討を明記 | 済み |
| 2026年8月6日 | 金融庁・警察庁が出庫制限などの詐欺対策を業界団体に要請 | 済み(各社が順次対応) |
| 2026年9月30日 | オンチェーン金融フォーラム第1回。財務省が国債のオンチェーン対応の研究会を発表 | 済み |
| 2026年10月8日 | 財務省「国債のオンチェーン対応に関する研究会」第1回(議事要旨・配布資料は公開済み) | 済み |
| 時期未定 | デジタル・分散型金融研究会でDEX・DeFi・ウォレットの検討 | 日程未公表 |
| 2027年初め | フォーラム第2回。中間整理と官民のロードマップ | 予定 |
| 遅くとも2027年7月22日 | 改正金商法の暗号資産部分が施行(政令で日付を決定) | 予定 |
出典:金融庁 資料2、金融庁「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」、財務省「国債のオンチェーン対応に関する研究会」ほか(2026年10月1日確認)
Hyperliquid・MetaMaskは使えなくなる?使い方別の影響
今回のフォーラムの資料を読む限り、Hyperliquid・MetaMaskが今すぐ日本から使えなくなる根拠はありません。資料には個別のサービス名がなく、日本からの利用を制限する内容も書かれていません。一方で、検討の結果として何が決まるかは分からないため、「今後もずっと今のまま使える」とも言えません。使い方ごとに分けると次のとおりです。
| 使い方 | 今すぐ変わること | 今後ありうること(資料・報告書に書かれている範囲) | 資料に書かれていないこと |
|---|---|---|---|
| HyperliquidなどのPerpDEXを自分のウォレットで使う | なし | DEXの仕組みに合わせた規制の検討。国内居住者向けにUIを提供する者への説明義務・本人確認などの検討 | 日本からのアクセス遮断、特定のDEXの名前 |
| MetaMaskなど自分で管理するウォレットを使う | なし | 「ウォレット提供業者」のリスクを下げる方法の検討 | MetaMaskなどのウォレットアプリが対象になるか |
| 国内取引所で買ってDEXやウォレットへ送る | フォーラムによるものはなし。ただし8月の要請を受けて、新しく登録した送金先への送金を一定期間止めている取引所がある(コインチェックなど) | 改正金商法の府令で、新規口座の直後は自分のウォレットへ送れない熟慮期間 | 熟慮期間の長さ |
| 国内でも扱われている銘柄をDEXで売買する | なし | 改正金商法の施行後、インサイダー取引規制(内部情報を知る立場の人が対象。WG報告はDEXでの取引も対象が適当としている) | — |
| DeFiで預ける・借りる(レンディング・ステーキングなど) | なし | DeFi全体の実態把握と制度の検討 | 対象になるサービスの種類 |
Hyperliquidを使っている人は?
Hyperliquidは、金融庁に登録された暗号資産交換業者ではありませんが、金融庁の無登録業者の警告リストにも載っていません。Hyperliquidの利用規約(2026年6月15日更新版、2026年10月1日確認)で利用が認められていない「Restricted Persons」は、米国・カナダのオンタリオ州・制裁対象地域などの居住者で、日本は入っていません。日本からの始め方はHyperliquidの始め方・日本から使えるかで解説しています。今回のフォーラムはこの状況を変えるものではありません。
なお、報告書は「DEXにつなぐアプリ(UI)を国内居住者向けに提供する者」を規制の検討対象に挙げています。Hyperliquidの公式サイトの画面や、Hyperliquidの板につなぐスマホアプリ(BASEDなど)が将来これに当たるかどうかは、資料にも報告書にも書かれていません。「〇〇は規制対象になる」と断定するSNSの投稿には根拠がないので、金融庁の研究会の資料が出るのを待ってください。
MetaMaskを使っている人は?
MetaMaskは、利用者が秘密鍵を自分で管理するウォレットアプリです。資料2の「ウォレット提供業者」にMetaMaskのようなアプリが含まれるかどうかは書かれておらず、報告書でウォレットについて具体的に書かれているのは「交換業者にシステムを提供する事業者」と「署名鍵の一部を預かる事業者」です。MetaMaskの使い方について、利用者が今やらなければならないことは、今回の資料からは出てきません。
MetaMaskについては、10月1日に別件でステーキング基盤のセキュリティ事故が公表されています。規制の話とは関係ありませんが、ステーキングを使っている人はMetaMaskのセキュリティ事故と今やることも確認してください。
DEXを使っている人が今やっておくこと
今回の発表を理由に、DEXから資金を急いで引き揚げる必要はありません。資料には利用を止める内容がないためです。そのうえで、規制がどう決まっても困らないように、次の4つをやっておくと安心です。
- 取引履歴を保存しておく:DEXは国内取引所のような年間取引報告書を出しません。サービスの仕様が変わっても確定申告ができるよう、CSVをこまめにダウンロードしておきます(Hyperliquidの取引履歴の出し方)
- 国内取引所の送金先は前もって登録する:送金先の登録から一定期間は送れない取引所があります。急いで送る必要が出る前に、自分のウォレットのアドレスを登録しておきます。トラベルルールで送れない組み合わせもあるので、トラベルルールと送金可否の一覧も確認してください
- 「規制が始まるので資産を移して」という連絡は無視する:今回の資料に、利用者に資産の移動や手続きを求める内容はありません。規制の話題に便乗したDMやメール、偽サイトに注意してください
- 続報は一次情報で確認する:確認先は、金融庁のオンチェーン金融フォーラムのページとデジタル・分散型金融研究会のページです。研究会の開催通知や資料が出たら、この記事も更新します
DEXの使い方や、どのDEXを選ぶかは、Hyperliquidの始め方・使い方とPerpDEXおすすめランキングで解説しています。どちらも、日本の法律による利用者保護が受けられないことを前提に、余裕資金の範囲で使ってください。
財務省の「国債のオンチェーン対応に関する研究会」とは?
財務省は2026年9月30日、「国債のオンチェーン対応に関する研究会」を開くと発表し、第1回を10月8日(木)10時に開きました。議事要旨と配布資料は財務省のページで公開されています。フォーラムの資料2にも、財務省が国債などのトークン化と、元本・利息の支払いを投資家の希望に応じてオンチェーンで決済できるようにすることを検討すると書かれています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 財務省 理財局次長 |
| 委員 | 大学教授など5人。オブザーバーは日本銀行・金融庁 |
| 第1回 | 2026年10月8日(木)10時 |
| 公開の方法 | 会議は非公開。議事要旨と配布資料は後日公開 |
| まとめの時期 | 2026年12月〜2027年1月をめどに議論を整理 |
出典:財務省「『国債のオンチェーン対応に関する研究会』の開催について」(2026年9月30日、PDF)
この研究会は国債の発行・決済の仕組みの話で、DEXやウォレットを使う個人に直接関係する内容は、発表資料には書かれていません。議事要旨は10月9日時点で公開されています(財務省のページ)。
よくある質問
Q. 金融庁はDEXを禁止するのですか?
禁止するとは書かれていません。金融庁の資料は、DEXを始めとするDeFiやウォレット提供業者について「技術的性質に合わせた過不足のない規制」を含むリスク低減策のあり方を、各国の動向を見ながら検討するとしています。禁止するかどうか、どんな規制にするかは決まっていません(2026年10月9日時点)。
Q. Hyperliquidは日本から使えなくなりますか?
今回の金融庁の資料には、Hyperliquidの名前も、日本からの利用を止める内容も書かれていません。2026年10月9日時点で、Hyperliquidが日本から使えなくなる根拠になる発表はありません。今後の研究会でDEXやUI提供者の規制が議論されるため、続報は確認が必要です。
Q. MetaMaskは規制の対象になりますか?
分かりません。資料は「ウォレット提供業者」を検討の対象に挙げていますが、どの業者を指すかの定義はなく、MetaMaskの名前も出てきません。2025年12月の報告書でウォレットについて具体的に書かれているのは、交換業者にウォレットのシステムを提供する事業者と、利用者の署名鍵の一部を預かる事業者です。
Q. DEXを使っている利用者が罰せられることはありますか?
今回の資料と、改正金融商品取引法の金融庁説明資料に、DEXの利用者を処罰する内容は見当たりません。改正法で罰則が強化されたのは、無登録で営業する業者です。ただし、改正法の施行後は暗号資産のインサイダー取引が禁止され、2025年12月の報告書はDEXでの取引も対象にするのが適当としています。
Q. DEXの規制はいつ決まりますか?
決まる時期は示されていません。予定として分かっているのは、2027年初めにオンチェーン金融フォーラムの第2回を開き、中間整理と官民のロードマップをまとめることだけです。DEXの検討を行う「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」の次回の日程は、2026年10月9日時点で公表されていません。
Q. 「オンチェーン金融」とは何ですか?
オンチェーン金融とは、ブロックチェーン技術を基盤にして、決済や資産のやり取りを行う金融の仕組みです。金融庁の資料は、24時間365日の連続稼働、商取引や物流とつながるプログラマビリティ、決済基盤としての安定性・安全性を備えたものとして説明し、既存の金融インフラとの「ベストミックス」が重要だとしています。
Q. 国内取引所からMetaMaskへの送金はできなくなりますか?
できなくなるわけではありませんが、待ち時間が生じる場合があります。改正金融商品取引法の内閣府令で、新規口座を開いた直後は自分で管理するウォレットへ送れない「熟慮期間」を設ける措置が予定されています。また、2026年8月の金融庁・警察庁の要請を受けて、新しい送金先への送金を一定期間制限している国内取引所があります。
Q. 財務省の10月8日の研究会は、DEXと関係がありますか?
直接の関係はありません。財務省の「国債のオンチェーン対応に関する研究会」は、国債のトークン化や、元本・利息の支払いをオンチェーンで決済できるようにすることを話し合う場です。発表資料に、DEXやウォレットの利用者に関する記述はありません。
まとめ:DEX・DeFiの規制は「検討が始まった」だけ
- 金融庁は2026年9月30日、DEX・DeFi・ウォレット提供業者の規制のあり方を検討すると示した。中身・対象・時期は決まっていない
- 「UI提供者に本人確認」は2025年12月の報告書の再掲。9月30日の新しい決定ではない
- Hyperliquid・MetaMaskの名前は資料になく、今すぐ使えなくなる根拠はない
- 先に効いてくるのは、国内取引所から自分のウォレットへの送金の待ち時間。新しく登録した送金先への送金を一定期間止める取引所がすでにあり(8月の要請)、新規口座の開設直後の「熟慮期間」も府令で設けられる予定
- 次の節目は2027年初めのフォーラム第2回(中間整理・ロードマップ)
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本記事の情報は2026年10月9日時点のものです。金融庁・財務省・衆議院の公開資料をもとに作成しています。研究会の資料と議事要旨は10月9日時点で公開されています。本記事は投資や法律の助言ではありません。




