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「Cysic(CYS)がハッキングされたって本当?」「自分のCYSは大丈夫?」「ブリッジはいつ使える?」「取引所に送っていい?」
計算資源(GPU・ASIC)をトークンにする仕組みを作っているCysicで、2026年10月17日夜(日本時間)、チェーンをまたいでCYSを移すブリッジが攻撃され、BNB Chain上で1,000万CYSが不正に発行されました。この記事では、Cysic公式の事故報告、BNB Chainの記録、取引所の公式データをもとに、何が起きたのか、自分が影響を受けるか、いま何をすべきかを整理します。
この記事の結論(2026年10月19日14時30分 日本時間 時点)
- Cysicのブリッジが攻撃され、BNB Chain上で1,000万CYSが不正に発行されました(10月17日21時31分 日本時間)。720万枚が売られ、約306.6 ETH(約72.7万ドル、約1.1億円)がイーサリアムに移されたと報じられています。
- Cysic公式は、利用者のウォレットにあるCYSやほかの資産は盗まれていない、Cysicのメインネットにも影響はないと説明しています。
- 攻撃者の手元に残った280万CYSは、Cysicが76分後にブラックリストで凍結しました。
- ブリッジは停止中で、再開の日時は未定です。Cysicは10月20日、ブリッジに預けられたCYSはコントラクトの中で安全で、再開後に処理すると発表しました(Cysic Foundation公式X、2026年10月20日確認)。10月22日(木)21時30分(日本時間)からXのスペースでAMA(質疑応答)を開きます。MEXC・Bitget・Gate・KuCoinはCYSの入金を止めています(売買と出金はできます)。いま取引所にCYSを送らないでください。
- 10月20日6時(日本時間)までのCysicの公式Xに、補償の発表はありません。補償や損失の確定額は、Cysicが後日の報告で出すとしています。「補償します」「再配布します」という連絡は詐欺を疑ってください。
CYSは、国内の登録業者では扱いがなく、OKJにCYSを送ることもできません(OKJ・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・Coincheckの公開APIで、2026年10月19日14時29分に確認)。今回の件とは別に、ビットコインやイーサリアムなどを、金融庁に登録された国内の取引所で日本円で売買・保管したい人は、OKJも選べます。OKJ(オーケーコイン・ジャパン株式会社、関東財務局長 第00020号)は、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に載っている登録業者です(令和8年9月30日現在版、2026年10月19日確認)。OKJは、BTC・ETHなど17銘柄を取引所(板)で扱っています(OKJの公開API、2026年10月19日16時2分確認)。「補償を受け取るために口座を作って」「CYSを再配布するので登録を」と言われている人は、下のボタンを押さず、先に警察相談専用電話(#9110)に相談してください。
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Cysicで何が起きた?いつ・何枚・いくら
Cysicのブリッジは、2026年10月17日21時31分38秒(日本時間)に攻撃され、BNB Chain上で1,000万CYSが不正に発行されました。ブリッジを運営するCysic Foundationが、10月18日19時10分(日本時間)にXで公開した事故報告「Cysic Incident Report」で明らかにしています(Cysic Foundation公式Xの事故報告、2026年10月19日確認)。報告の時刻は協定世界時(UTC)で「10月17日12時31分38秒」です。
Cysic本体の公式Xも、同じ日の19時39分に「10月17日、Cysicのブリッジを通じて1,000万CYSが不正に発行された。ユーザーのウォレットとメインネットの運用に影響はない。ブリッジはセキュリティの確認が終わるまで止める」と投稿しています(Cysic公式Xの投稿、英語の原文を編集部が要約)。

Coin Map編集部は、公式が公開した2つの取引をBNB Chainの記録で確かめました。不正発行の取引は10月17日12時31分38秒(UTC)のブロック128,170,791で1,000万CYSを作っており、ブラックリスト登録の取引は13時47分52秒(UTC)のブロック128,180,949でした(不正発行の取引(BscScan)/ブラックリスト登録の取引(BscScan)、BNB Chainの公開RPCで2026年10月19日14時30分に確認)。公式の発表と秒まで一致しています。
発行から凍結までの76分(日本時間)
不正に作られたCYSがどう動いたかは、米国の暗号資産メディアThe Blockがブロックチェーンの記録を追って報じています(The Block、2026年10月18日、2026年10月19日確認)。米国東部時間を日本時間に直すと、次のとおりです。
| 日時(日本時間) | できごと | 根拠 |
|---|---|---|
| 10月17日 21:31:38 | BNB Chain上で1,000万CYSが不正に発行される | 公式報告・BscScan |
| 21:36〜21:41 | 565万CYSを11回に分けて売り、588,315 USDTを得る(1枚あたり約0.10ドル) | The Block |
| 21:44〜21:53 | 得たUSDTを、SWFTとMayanという別のブリッジでイーサリアムへ送る | The Block |
| 21:57〜21:59 | 残りの155万CYSを売り、約220 BNBを得る(売った合計は720万CYS) | The Block |
| 22:05〜22:06 | BNBもMayanとdeBridgeでイーサリアムへ。合計約306.6 ETHになる | The Block |
| 22:11まで | 306.52 ETHを2つ目のウォレットへ移す | The Block |
| 22:47:52 | Cysicが攻撃者のアドレスをCYSのブラックリストに登録。残りの約280万CYSは動かせなくなる | 公式報告・BscScan |
| 10月18日 19:10 | Cysic FoundationがXで事故報告を公開 | 公式X |
| 10月18日 20:07 | BitgetがBNB Chain上のCYSの入金を停止(お知らせでは理由を「ウォレットのメンテナンス」としている) | Bitgetのお知らせ |
| 10月19日 13:03 | セキュリティ会社ExVulが、Cysicと共同で調査と資金の追跡を始めたとXに投稿 | ExVul公式X |
| 10月19日 19:10 | ブリッジは停止のまま。Cysic公式の続報(補償・再開)なし | 公式X(Coin Map確認) |
| 10月20日 2:27 | Cysic Foundationが「リレイヤーはすべて停止のまま。ブリッジに預けられたCYSはコントラクトの中で安全で、再開後に処理する」と更新 | Cysic Foundation公式X |
| 10月20日 3:18 | Cysic公式が、10月22日21時30分(日本時間)のコミュニティAMAを告知 | Cysic公式X |
| 10月20日 6:00 | Cysic公式が「預けた資金は安全。再開前の安全確認を進めている」と投稿。補償・再開日の発表はなし | Cysic公式X |
The Blockによると、15回の売却のうち12回はOKXのDEXアグリゲーター(複数の分散型取引所から有利な値段を探して注文を振り分ける仕組み)を通して、PancakeSwapなどで売られました。イーサリアムに移ったETHは約306.6 ETH、約72.7万ドル(10月18日のETH価格約2,372ドルで計算)と報じられています。Cysicのブラックリストが効くのはBNB Chain上のCYSだけで、すでにETHに換えられた分には効きません。
Coin Map試算:1,000万CYSはどのくらいの量?
- 前提:CoinGeckoの公開API(2026年10月19日14時29分 日本時間取得)で、流通しているCYSは約1億6,080万枚、発行上限は10億枚
- 不正発行の1,000万CYSは、流通量の約6.2%(発行上限に対しては1%)
- 売られた720万CYSは流通量の約4.5%、凍結された280万CYSは約1.7%
- 約72.7万ドルを円にすると約1.1億円(同じ時刻のCoinGeckoの値、1 CYS=0.115211ドル=18.22円から1ドル≒158.1円で換算)
- 攻撃者のアドレスには、10月19日14時30分時点も280万CYSが残っています(BNB Chainの公開RPCでCYSの残高を照会。約32万ドル相当)
Cysicは「発行された枚数だけでは、最終的なドル建ての損失額にはならない」としていて、損失の額はまだ確定していません。確定した数字は、調査が進んだあとの報告で出すとしています(事故報告の「2. Incident Overview」)。
原因は?ブリッジを支えるデータベースへの不正アクセス
Cysicの初期の調査では、攻撃者はブリッジを支えるサービスが使うデータベースに不正にアクセスし、処理の仕組みの弱点を突いて「CYSを発行せよ」という偽の指示を送ったとみられています。攻撃の全体の流れと根本の原因は、まだ調べている最中です(Cysic Foundationの事故報告、2026年10月19日確認)。
Cysicは、影響はブリッジのメッセージ処理と発行の機能に限られるとしています。Cysicのメインネットの合意形成、ブロックの生成、取引の確定、EVMの取引の実行には及んでいない、という説明です。
ブリッジとは?なぜ「発行」できてしまうのか
ブリッジは、あるチェーンにあるトークンを、別のチェーンで使えるようにする仕組みです。Cysicの公式ドキュメントでは、CysicのブリッジでCYSを「Cysic chain」「BSC(BNB Chain)」「Base」の間で移せると説明しています(Cysic公式ドキュメント「How to Bridge」、2026年10月19日確認)。多くのブリッジは、次のように動きます。
① 送り元のチェーン
利用者がCYSをブリッジに預ける(ロック/焼却)
② ブリッジの裏側のサービス
預けた記録を確かめ、署名つきの「発行せよ」という指示を作る
③ 送り先のチェーン
指示を受けて、同じ枚数のCYSを発行する
今回狙われたのは②:攻撃者は②のサービスが使うデータベースに入り込み、①で何も預けていないのに③で1,000万CYSを発行させた、というのが公式の初期の見立てです。
ブリッジの③は、②の指示が正しいと信じて発行します。そのため②がだまされると、裏付けのないトークンが送り先のチェーンに生まれてしまいます。今回は、そのCYSがすぐに分散型取引所で売られ、ほかのブリッジを使ってイーサリアムのETHに換えられました。
なぜCysicは凍結できたのか
BNB Chain上のCYSの仕組み(スマートコントラクト)には、特定のアドレスからの送金を止める「ブラックリスト」の機能があります。Cysicは異常に気づいたあとこの機能を使い、攻撃者のアドレスに残っていた約280万CYSを動かせなくしました。発行元がアドレスを止められる仕組みは、USDTなどのステーブルコインと同じ考え方です(仕組みはUSDTは凍結される?凍結の理由・自分のアドレスの確かめ方で解説しています)。
自分のCYSは大丈夫?影響を受ける人・受けない人
Cysic公式は、今回の事故で、利用者のウォレットにあるCYSやほかの資産が盗まれたり、勝手に送られたりしたことはないと説明しています。原文は「Existing user assets were not stolen.」です(事故報告の「1. Incident Overview」、2026年10月19日確認)。
ただし、CYSの値段は事件のあと下がっています(下の「CYSの値動き」)。資産の枚数は減っていなくても、評価額は動いている点は分けて考えてください。立場ごとの影響は次のとおりです。
| あなたの状況 | 影響 | 今の対応 |
|---|---|---|
| 自分のウォレット(MetaMaskなど)にCYSを持っている | 公式は「盗まれていない」と説明 | そのまま持っていてよい。取引所やブリッジには送らない |
| MEXCなどの取引所にCYSを預けている | 売買と出金はできる。入金は止まっている | 取引所の中での売買は可能。追加でCYSを入金しない |
| 事件の前後にCysicのブリッジで送金していた | 公式の報告に記載がない(確認時点) | ブリッジ画面で状態(pending/processing/completed)と、両方のチェーンの取引を確かめる。届いていなければ公式の発表を待つ |
| Cysicのメインネットで計算資源を提供している・ステーキングしている | 公式は「メインネットに影響なし」と説明 | 公式の続報を確認する |
| エアドロップでCYSを受け取った | 持っている場所の行と同じ | 「再配布」「受け取り直し」の案内は詐欺を疑う |
ブリッジで送っている途中だった資金の扱いについては、Cysicの事故報告に記載がありません(2026年10月19日14時30分時点)。届いていない場合も、自分でブリッジの操作をやり直したり、知らない人に相談したりせず、Cysic公式Xの発表を待ってください。
承認(approve)の取り消しは必要?
Cysicの説明では、今回の攻撃はブリッジの裏側のデータベースが狙われたもので、利用者のウォレットの承認を使って資産を抜いたものではありません。公式は、利用者に承認の取り消しを求めていません(確認時点)。過去にCysicのブリッジを使ったことがあり、それでも不安な人は、ウォレットで出している承認を見直してもかまいません。承認の確かめ方と、承認を悪用する詐欺の手口はMetaMaskを名乗る詐欺の見分け方(承認詐欺の手口)で解説しています。
取引所での扱いは?MEXCなど4社が入金を停止、売買と出金は継続
CYSを扱う海外の取引所のうち、MEXC・Bitget・Gate・KuCoinの4社は、10月19日14時30分(日本時間)時点でCYSの入金を止めています。出金と売買はどの社もできます。Coin Map編集部が各社の公式データで確かめました。Bitget・Gate・KuCoinは、2026年10月20日7時46分(日本時間)にも各社の公開API(Bitget・Gate・KuCoin)で、入金の停止が続き、出金はできることを確かめました(MEXCは10月19日14時30分の確認のまま)。Bitgetはお知らせで、2026年10月18日20時07分(日本時間)からBNB Chain上のCYSの入金を止めたと告知しており、理由は「ウォレットのメンテナンス」、再開日は別途知らせるとしています(Cysicの件には触れていません。2026年10月19日19時確認)。ほかの3社は、10月19日14時30分の確認時点で、停止の理由と再開の予定を発表していませんでした。
| 取引所 | CYSの入金 | CYSの出金 | 売買 | 確かめた公式データ |
|---|---|---|---|---|
| MEXC | × 一時停止 | ○ 正常 | ○ 現物・先物 | 入出金状況ページ(ログイン後に表示)、公開API |
| Bitget | × 停止 | ○ 可能 | ○ 現物 | お知らせ(10月18日20時07分から停止)、公開API(rechargeable=false、10月19日19時07分も同じ) |
| Gate | × 停止 | ○ 可能 | ○ 現物 | 公開API(deposit_disabled=true) |
| KuCoin | × 停止 | ○ 可能 | ○ 現物 | 公開API(isDepositEnabled=false) |
| 国内の取引所 | CYSの取り扱いなし | OKJ・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・Coincheckの公開API | ||
2026年10月19日14時29〜30分(日本時間)確認。Binance・Bybit・OKX・HTXの公開APIには、CYSの現物の取引ペアはありませんでした。韓国の利用者向けの取引所Upbitは、2026年8月12日からCYSを扱っています(BTC・USDT市場。Cysic Foundation公式Xの8月14日の投稿、Upbitの公開APIで確認)。Upbitの入出金状況の公開データでは、CYSは10月19日19時09分時点で「working」(入出金とも通常)でしたが、どのチェーンで入金を受けているかは確かめていません。Bitget・Gate・KuCoinの公開APIでは、CYSはBNB Chain(BEP20)のコントラクト 0x0c69…07c7 です。
入金が止まっているあいだに取引所へCYSを送ると、反映されなかったり、戻すのに時間がかかったりするおそれがあります。MEXCも、入金が止まっているときは入金しないよう案内しています(MEXC公式ヘルプ「入出金が一時停止しているときは」、2026年10月19日確認)。入金を送る前に、送り先の取引所の入出金状況のページで「正常」に戻ったことを確かめてください。
MEXCでCYSを持っている人へ
MEXCでは、CYSの現物(CYS/USDT)の売買が続いていて、10月19日14時28分の価格は0.1152ドルでした(24時間の値動きの表示)(MEXCの公開API)。MEXCは2025年12月11日にCYSを上場しています(MEXCの上場のお知らせ)。なお、上場時にあったCYS/USDCの取引ペアは、10月19日時点の公開APIにはありませんでした。
CYSの出金はできますが、出金の画面で選べるネットワークと、出金先のウォレットが受け取れるネットワークが同じかを確かめ、同じでなければ送らないでください。Cysicのブリッジが止まっているため、BNB ChainのCYSをCysicのブリッジでCysicのメインネットやBaseに移すことは、いまはできません。
MEXCは日本の金融庁に登録していない海外の取引所です。金融庁から2回(2023年3月・2024年11月)、関東財務局から1回(2025年6月20日)の警告を受けています。2026年2月5日から本人確認(KYC)をしないと入金・出金ができません(MEXC公式ヘルプ)。トラブルがあっても日本の法律で守られない可能性があります。
CYSを売って日本円に戻したい人は、海外の取引所から国内の取引所へ送れる通貨と手順を海外取引所から日本円に戻す方法にまとめています。海外の取引所から出金できないときの原因と対処は海外取引所から出金できない原因と対処法で解説しています。
CYSの値動きは?事件の直後に−18.7%、その後いったん戻す
MEXCのCYS/USDTは、不正発行があった10月17日21時台(日本時間)に、直前の0.1252ドルから一時0.1018ドルまで約18.7%下げました。翌朝には0.13ドル台まで戻しましたが、その後は下げ、10月19日14時台の終値は0.1151ドルで、事件の直前より約8.1%安い水準です(MEXCの公開APIの1時間足で計算。14時台の終値は2026年10月19日19時08分に同じAPIで確定値を確認)。

| 時点(日本時間) | MEXCの価格 | 事件の直前比 |
|---|---|---|
| 10月17日21時(事件の直前の始値) | 0.1252ドル | — |
| 10月17日21時台の安値 | 0.1018ドル | −18.7% |
| 10月18日6時台・13時台の高値 | 0.1322ドル | +5.6% |
| 10月19日14時台の終値 | 0.1151ドル | −8.1% |
事件のあった21時台のMEXCの出来高は約12.4万CYSで、同じ日の0時〜20時台の平均(約2.2万CYS)の約5.7倍でした。攻撃者が売ったのはPancakeSwapなどの分散型取引所ですが、MEXCでも同じ時間に大きく下げ、出来高が増えました。攻撃者の売値(1枚あたり約0.10ドル)は、MEXCの安値とほぼ同じ水準です。
CYSは事件の前から下げていて、MEXCの10月12日14時台の終値0.1488ドルから10月17日21時の0.1252ドルまでに約16%下がっていました。今回の下げをすべて事件のせいと見るのは正確ではありません。この先の値動きを予想することはできないので、売るか持つかは、自分が失ってもよい金額かどうかで決めてください。
ブリッジはいつ再開する?補償はある?
Cysicのブリッジの再開日は決まっていません。Cysicは、ブリッジの運用の流れ全体を見直していて、セキュリティの確認が終わってから再開し、その方法は公式の窓口で知らせるとしています。(事故報告の最後の段落、2026年10月19日確認)
ブリッジの途中で止まっているCYSは、再開後に処理されます。Cysic Foundationは2026年10月20日2時27分(日本時間)、「すべてのリレイヤー(チェーンの間でメッセージを運ぶ仕組み)は止めたままで、チェーンをまたぐ取引は止まっている。ブリッジに預けられたCYSはブリッジのコントラクトの中で安全に保たれ、サービスの再開後に処理される。ブリッジは安全確認がすべて終わってから再開する」と更新しました(Cysic Foundation公式X)。Cysic公式もこれを引用し、10月20日6時に「預けた資金は安全。再開に向けて必要な安全確認を進めている」と投稿しています(Cysic公式X。いずれも2026年10月20日確認)。再開の日付は、この時点でも示されていません。
Cysicは、10月22日(木)21時30分(日本時間、12:30 UTC)にXのスペースでコミュニティAMAを開き、製品の最新情報や、最近の事故についてのコミュニティの懸念に答えるとしています(Cysic公式Xの告知、2026年10月20日確認)。告知には、再開日や補償についての記載はありません。AMAで続報が出たら、この記事に追記します。AMAの前後に「補償の受付」「CYSの返還」をうたうリンクが出回っても、@cysic_fdn・@cysic_xyz の投稿で確かめるまで開かないでください。
Cysicが事故報告で「している」と書いた対応は、次の3つです。
- ブリッジを止めて見直す:メッセージの処理、権限の設定、関係する資産の記録を確認している
- 関係するトークンを凍結する:攻撃者のアドレスの約280万CYSをブラックリストで止めた。このCYSをどう扱うかは、公式の窓口で後日知らせる
- 専門のセキュリティ会社に調査を頼む:攻撃の経路、関係するアドレス、資金の流れを追っている。事故報告では会社の名前を出していない(下のExVulの投稿を参照)。攻撃者の身元や追跡の状況は、調査を妨げない範囲でだけ公表する
10月19日13時03分(日本時間)、セキュリティ会社ExVulが自社の公式Xで、Cysicのブリッジの件について「Cysicと共同で調査とオンチェーンの追跡を始めた」と投稿しました。調べているのは、①データベースへのアクセスの経路とメッセージ処理の弱点、②資金の流れと、ブラックリストに入った攻撃者のアドレス(約280万CYSが残っている)の監視、③ブリッジを再開する前のリスクの確認とセキュリティ強化の支援、の3つで、技術的な詳細と追跡の結果は共同の報告書で出すとしています(ExVul公式Xの投稿、英語の原文を編集部が要約、2026年10月19日確認)。ExVulは、2025年12月にCysicの主要なコントラクトと基盤の監査をした会社です(Cysic公式Xの2025年12月10日の投稿)。ただし、Cysic公式のXは10月19日19時10分時点で、この共同調査に触れていません。攻撃者のアドレスの残高は、Coin Mapも同じ時刻にBNB Chainの公開RPCで照会し、280万CYSのままであることを確かめました。
補償については、事故報告にも、2026年10月20日6時(日本時間)までの公式Xの続報にも記載がありません。Cysicは、調査が一段落したあとに続報を出し、確かめた影響、実際の損失、資金の追跡の進み具合、修正と確認の結果を載せるとしています。公式は「利用者の資産は盗まれていない」としているため、補償の対象になる利用者がいるのかも含めて、続報を待つ段階です。
CYSを持っている人が今やること
CYSを持っている人がいまできることは、「動かさない」「送らない」「公式以外を信じない」の3つです。どれも費用はかかりません。
チェックリスト
- Cysicのブリッジを使わない:公式が再開を発表するまで、ブリッジの画面で送金しない。「ブリッジが再開した」という発表は、@cysic_fdnと@cysic_xyzの投稿で確かめる
- 取引所にCYSを入金しない:MEXC・Bitget・Gate・KuCoinは入金を止めている。再開は各社の入出金状況のページで確かめる
- ブリッジで送っている途中の人は、両方のチェーンの取引を記録しておく:ブリッジ画面の状態と、送り元・送り先のトランザクションの画面を保存しておくと、後日の問い合わせで役に立つ
- シード(秘密の文字列)や秘密鍵をどこにも入力しない:Cysicの事故で、利用者がシードを入力する必要がある手続きはない
- DMやリプライで来た「補償」「再配布」のリンクを開かない:下の「便乗詐欺に注意」を参照
- 売るか持つかは、自分で決める:取引所の中での売買はできる。値動きは予想できないので、慌てて決めない
そもそも仮想通貨をどこに置くのが安全かは、仮想通貨はどこに保管するのが安全?取引所・ハードウェアウォレット・ソフトウェアウォレットを比較で、置き場所ごとの守られ方を比べています。
「補償します」「再配布します」は詐欺に注意
ハッキングのあとは、被害にあった人や不安になった人を狙う詐欺が必ず出てきます。Cysicは「続報は公式の窓口で出す」としていて、DMで個別に連絡するとは書いていません。
こんな連絡は詐欺を疑う
- 「Cysicの補償の申請はこちら」「CYSを再配布します」とリンクを送ってくる
- 「ウォレットを接続して資産を確認してください」と、知らないサイトでウォレットの接続や署名を求める
- 「Cysicサポート」を名乗り、シード・秘密鍵・本人確認の書類を求める
- 「凍結されたCYSを取り戻す代行をする」と、先に手数料を求める
- 公式の投稿へのリプライ欄に並ぶ、似た名前・似たアイコンのアカウントの案内
ウォレットの接続や署名をさせて資産を抜く手口は、MetaMaskを名乗る詐欺の見分け方で画面の例とともに解説しています。お金を取り戻せると持ちかける二次被害は仮想通貨詐欺の「返金できます」は二次被害の入口を読んでください。
ブリッジはなぜ狙われる?最近の事故と比べる
ブリッジが狙われやすいのは、チェーンをまたぐために「裏側のサービスの判断」に頼る部分があり、そこをだませばトークンを作ったり引き出したりできてしまうからです。ブロックチェーン本体が安全でも、その外にあるサーバーやデータベースが弱ければ、今回のように被害が出ます。
10月は、チェーンの外側の仕組みや鍵の作り方が狙われる事故が続いています。Coin Mapが記事にした最近の例と比べると、次のとおりです。
| サービス | 何が狙われた | 被害額 | その後 |
|---|---|---|---|
| Cysic (10月17日) | ブリッジを支えるデータベース。偽の発行指示で1,000万CYSを発行 | 約72.7万ドル(報道)。確定は後日 | 残りの280万CYSを凍結。ブリッジ停止中 |
| Qubic (10月18日) | 乱数の弱いシードで作られたウォレット1,404件 | 約130万ドル(報道) | ネットワークを止めて資金を凍結(記事) |
| NEAR Intents (10月1日) | チェーンをまたぐ入出金の仕組みのバグ | 約380万ドル | 流出した資金が全額返還された(記事) |
3つに共通するのは、運営が「影響の範囲」をまず発表し、詳しい数字や補償は後から出している点です。最初の発表だけで慌てて資産を動かすより、続報を待つほうが安全です。また、ブリッジは使うたびにリスクを負う仕組みなので、チェーンをまたぐ回数を必要な分だけにすることが、利用者にできるいちばんの備えになります。
「本来あり得ない量のトークンが作られる」という点では、10月にXRP Ledgerで見つかったバグとも似ています。こちらは悪用される前に直されました(XRPの脆弱性は大丈夫?「XRPを無から作れる」バグを修正)。
Cysicのハッキングについてよくある質問
Q. Cysic(CYS)とは?
Cysicは、検証できるAIの計算やゼロ知識証明(ZK証明)のための計算資源を、ハードウェアからブロックチェーンまでまとめて提供する仕組みです。公式ドキュメントは、Cosmos CDKで作られたレイヤー1のブロックチェーンと説明しています(Cysic公式ドキュメント)。CYSはそのトークンで、発行上限は10億枚です(MEXCの上場のお知らせ)。The Blockによると、Cysicは2022年に設立され、2023年にPolychain Capitalが主導する600万ドルの資金調達をしています。
Q. Cysicはハッキングされたのですか?
はい。ハッキングされたのはCysicのブリッジ(チェーンをまたぐ送金の仕組み)で、1,000万CYSが不正に発行されました。Cysicは、メインネットと利用者のウォレットの資産には影響がないと説明しています。
Q. CYSの流出額はいくらですか?
攻撃者がETHに換えてイーサリアムに移した額は、約306.6 ETH(約72.7万ドル、約1.1億円)と報じられています(The Block)。Cysicは、発行された枚数だけでは最終的な損失額にならないとして、確定した額を後日の報告で出すとしています。
Q. CYSは売ったほうがいいですか?
Coin Mapは、売るか持つかをおすすめしません。値動きは予想できないためです。わかっている事実は、公式が「利用者の資産は盗まれていない」としていること、MEXCの価格が10月19日14時台の終値で事件の直前より約8.1%安いこと、ブリッジの再開と損失の確定がまだであることです。自分が失ってもよい金額かどうかで判断してください。
Q. MEXCに預けているCYSは大丈夫ですか?
MEXCに預けているCYSについて、Cysic・MEXCとも被害の発表はしていません(10月19日14時30分時点)。MEXCではCYSの売買と出金ができ、入金だけが一時停止しています。
Q. ブリッジはいつ使えるようになりますか?
決まっていません(2026年10月20日6時 日本時間 時点)。Cysicは、セキュリティの確認がすべて終わってから再開し、その方法を公式の窓口で知らせるとしています。ブリッジに預けられたCYSはコントラクトの中で安全で、再開後に処理されると10月20日に発表しました(Cysic Foundation公式X)。10月22日21時30分(日本時間)のAMAで続報が出るかを確かめてください。
Q. エアドロップでもらったCYSは無くなりますか?
Cysicは、利用者のウォレットにある既存のCYSは盗まれていないと説明しています。エアドロップで受け取ったCYSも、自分のウォレットや取引所にあるなら、ほかのCYSと同じ扱いです。「受け取り直しが必要」「再配布の申請」といった案内は、公式Xで発表されていない限り詐欺を疑ってください。
Q. CYSは日本の取引所で買えますか?
買えません。OKJ・bitbank・GMOコイン・bitFlyer・Coincheckの公開APIを10月19日14時29分に確かめたところ、CYSの取引ペアはありませんでした。CYSを扱っているのは、MEXC・Bitget・Gate・KuCoinなど、日本の金融庁に登録していない海外の取引所です。
Q. 盗まれたお金はどこにありますか?
The Blockによると、ETHに換えられた分は、10月17日22時11分(日本時間)までに2つ目のウォレットに移され、10月18日朝(米国東部時間)の時点でそのウォレットに約309.5 ETHがありました。ETHにはCysicのブラックリストが効かないため、取り戻せるかは調査の結果しだいです。凍結された約280万CYSは、Coin Mapが10月19日14時30分に確かめた時点も、攻撃者のアドレスに残っています。
まとめ
- Cysicのブリッジが10月17日21時31分(日本時間)に攻撃され、BNB Chain上で1,000万CYSが不正に発行された。原因は、ブリッジを支えるデータベースへの不正アクセスとみられている
- 720万CYSが売られ、約72.7万ドル分がETHに換えられた(報道)。残りの280万CYSは76分後に凍結
- Cysic公式は、利用者のウォレットの資産とメインネットは影響を受けていないと説明
- ブリッジは停止中、再開と補償は未定。ブリッジに預けたCYSは「安全で、再開後に処理する」と公式が発表(10月20日)。10月22日21時30分(日本時間)にAMA。MEXCなど4社はCYSの入金を停止中(売買・出金は可能。Bitget・Gate・KuCoinは10月20日にも停止を確認)
- ブリッジと取引所への入金は控え、「補償」「再配布」の連絡は詐欺を疑う。続報は公式X(@cysic_fdn・@cysic_xyz)で確かめる
この記事の情報は2026年10月19日14時30分(日本時間)時点のもので、同日19時10分に、BitgetのCYSの入金停止のお知らせ、ExVulの共同調査の投稿、Upbitでの扱い、MEXCの14時台の終値を追記しました。2026年10月20日に、ブリッジに預けられたCYSの扱いとAMAの日時(Cysic公式X)、Bitget・Gate・KuCoinの入金停止の続き(公開API)を追記しました。Cysicの続報が出たら、この記事を更新します。
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出典(確認日:2026年10月19日)
- Cysic Foundation公式X「Cysic Incident Report」(2026年10月18日19時10分 日本時間)
- Cysic公式Xの投稿(2026年10月18日19時39分 日本時間)
- Cysic公式ドキュメント「How to Bridge」/Network Overview
- BscScan:不正発行の取引/ブラックリスト登録の取引
- The Block(オンチェーンの時系列・約72.7万ドルの報道)
- Cointelegraph
- MEXC公開API(CYS/USDTの1時間足)/MEXCのCYS上場のお知らせ
- Bitget公開API/Gate公開API/KuCoin公開API
- CoinGecko(CYSの価格・流通量)
- Cysic Foundation公式X「CYS Bridge Update」(2026年10月20日2時27分 日本時間)(2026年10月20日確認)
- Cysic公式Xの投稿(2026年10月20日6時0分 日本時間)(2026年10月20日確認)
- Cysic公式X:コミュニティAMAの告知(10月22日12:30 UTC)(2026年10月20日確認)




